「一緒にいること」と「一人でいること」が共存する場所
EcoDeco(エコデコ) (設計)
DATA
間取り図
「各ゾーンがゆるやかにつながり、かつ区切られていることによって、隣同士のゾーンは会話も成立するし、お互いの存在を気にせずに過ごすこともできるような間合いのある家」ーこれは、リノベーションがスタートする始まりの時にU様がデザイナーに渡したコンセプトシートにあった一文だ。デザイナーがこの思いを受け取る形で住まいづくりがスタートした。
空間づくりの仕事をされている奥さまが作ったコンセプトシートには、リノベーションに至るまでにした街歩きや、お互いのイメージの擦り合わせがしっかりと生かされており、かなり具体的な暮らしのイメージが感じられた。二人の時間も一人の時間も大切にしたいというU様ご夫婦に合わせて、ライブラリーや書斎など普通の家にはない、広さを生かした心地のよい贅沢な空間を設け、「過ごし方に合わせて二人の距離感を調整できる」そんな住まいができあがった。
壁式構造のため、間取りに大きな変化はないが、「奥行き感」や「見え隠れ感」を大切にした。U様が気になっていたダイニングの十字の梁も、新たに黒の壁と天井を設け一部を隠すことで解消。空間としてはつながっているが、色を変えることでしっかりとシーンを分けることができた。
事前に考えをまとめてメリハリのあるリノベーションを!
100㎡超えの家をリノベーションとなると費用もかかるが、キッチンやバスルームなど、リノベーションをするとこだわる人が多そうな部分もU様には優先順位がそれほど高くはなかったので、設計の段階からコストを抑え、逆に洗面などの見せる部分はタイルを貼ったり、壁付けの水栓にしたりとこだわった。
スムーズにコストのめりはりをつけられたのは、物件探しの段階からリノベーションの雑誌などを見て「これは好き」「これはちょっと違う」と言うように、価値観を擦り合わせができていたから。キッチンは奥まっているのでリーズナブルなシステムキッチンを採用したが、キッチンバックの壁面の棚は工事で造作した。当初キッチンの後ろだけの予定だったが、壁面いっぱいまで延ばしたことで収納力上がり、作業台として使ったり、とにかく使い勝手がいいのだとか。
★リノベりすコメント★ライブラリーコーナーは家具のチョイスも相まって、まるで本物の図書館のようです。家で過ごす時間が長いことを踏まえ、壁の色や素材などで変化をつけてそれぞれの部屋に個性があるところもおもしろいですね。
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