これからも風通しのよい暮らし。大人世代の団地リノベーション
青木律典|デザインライフ設計室 (設計)


日本家屋を思わせる、繊細な縦格子。視線はさりげなく遮りつつ、家族の気配や通風・採光を感じる絶妙な設え。
DATA
和の要素を取り込んだモダンで静謐なリノベーション
専門家の提案力で、住みたい家のイメージが明確に
リノベーションを前提に、実家近くの古い団地を購入していた施主夫妻。そろそろ定年後の終の棲家にしようと数社にアプローチしたものの、どこもピンときませんでした。そんな時、ふと手にした雑誌で、青木律典|デザインライフ設計室が手掛けた団地リノベーションが目にとまり、これだ!と直感。デザイン的なことはもちろん、団地リノベを数多く手がけていることや、当時の家と現場が離れていても施工状況を見てもらえることも気に入り、依頼を決めました。
はじめは、リノベーションのイメージが曖昧だったという夫妻。それでも何とか思いを伝えると、過去の事例やサンプルを使いながら、設計者である青木さんがプランをフリーハンドで描いて、具体的に提案してくれたのだそう。プレゼンと打合わせを重ねる中で、2人がこれから暮らす家が徐々にカタチになっていきました。
バリエーション豊富な引き戸で思いのままに間取りをつくる
築37年・約75平米の住まいは、南北に長い間取り。南側と北側にバルコニーがあり、それぞれに個室が配され、キッチンと水まわり、玄関は中央に集まっています。それらをつなぐ廊下をはじめ、どの部屋も風通しがよく、南側の日当たりも抜群だったため、リノベーションではその環境を最大限活かすことにしました。
家全体をひとつの空間と捉え、部屋の仕切りには主に引き戸を使用。縦格子や障子、ステンドグラスなど、スペースごとに趣きを変えて理想的な通風と採光に。空気に流れが生まれ、照明に頼らずとも家の中がバランスの取れた明るさになりました。また引き戸を開け閉めすることで、パブリックとプライベートを切り替えるなど、自由に間取りを決められます。
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写真:石田 篤(IPS)
ビフォー・アフター
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リノベりす編集部コメント
さまざまな素材やデザインの引き戸で家を区切ることで、通風や採光の良さを最大限活かしていますね。オープンな明るさと和の落ち着きが見事に両立し、上品な佇まいをつくり上げています。