
ラチス梁に魅せられて。祖父母の住まいを受け継いだ実家リノベーション。

DATA
自らの子育ての経験を踏まえ、暮らしの変化に柔軟に対応できるリノベーションを提案
きっかけ
雑誌で「リノベーション」という選択肢を知って
Hさんは中学生の息子さんとの2人暮らし。マンションから古い一戸建てへの引っ越しを決めた頃、書店でたまたま手に取った雑誌「リライフプラス」で、建て替えではなく「リノベーション」という選択肢があることを知りました。もともとピカピカした新築は苦手。古い建物の良さも生かしながら家が生まれ変わるのならベストと考え、専門家紹介サービスのアドバイザーを通じ、3社とコンタクトをとりました。なかでも「うまく言葉で説明できなくても、自分の言いたいことをちゃんと汲み取ってプランに反映してくれる」と感じたプラスエム・アーキテクツの碧山美樹さんに依頼することに。
実家リノベ
マンションから、実家隣に建つ築45年以上の一戸建てへ
実家から「隣の家に住んだら?」という申し出があったのは、Hさんの子どもが大きくなり、約33平米のマンションでは手狭に感じるようになった時期でした。実家の隣の一戸建てはかつて祖母が暮らしていた場所で、築45年以上経っていましたが、1階部分は数年前にリフォーム済み。予算の関係もあり、最初は2階だけリノベーションして1階はそのまま……と考えていましたが、「2階だけリノベーションするとあまりにも1階とちぐはぐになるし、建築士さんもコストを抑える方法を一緒に考えてくれる人だから」と、最終的には1・2階を含む内装のフルリノベーションに決めたそうです。
打ち合わせ
服に例えてイメージを共有
Hさんは、建築士と密に連絡を取り合いながら、着工までに半年という長い時間をかけてプランを練り上げました。建築の専門用語は分からなかったので「服で言えば『花柄のワンピース』みたいな感じで」などの表現を交えながら自分の中のイメージを伝えたそうです。「そんなあいまいな表現でも建築士さんはちゃんと理解してくれました。逆に、返信メールで『これは服で言うと……』と説明してくれたりして嬉しかったですね」。建築士の碧山さんもまた、子育て中の主婦。そのため主婦目線で設計を考えてくれたことも、今の暮らしやすさに繋がっていると言います。
リノベーションしてどう?
壁をはがしたら現れたラチス梁がポイントに
Hさんの住まいのキーポイントになっているのが、むき出しにしたラチス梁。鉄骨造の住まいは、現地調査により、見事なラチス梁であることがわかりました。ラチス梁を見た瞬間、Hさんも建築士も「これは活かすしかない!」と直感したそうです。生まれ変わった住まいでは、夜になると、2階の高い天井にラチス梁の陰影が浮かびあがり、幻想的な雰囲気になるのがHさんのお気に入り。ちなみにラチス梁に埃がたまりづらく掃除が楽になるよう、梁の凹みに透明なカバーを張っているそうです。
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こちらの事例は、「リノベーション体験談」を掲載しています。
ビフォー・アフター
MATERIAL
造作棚:構造用合板(1階本棚)
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中心価格帯
対応エリア
ラチス梁とは?
上下2本の弦材の間にジグザクに組み立てた梁(ラチス材)のこと。本来の目的は弦材にかかる重荷の軽減として用いられた構造で、柱を使用しない開放的なスペースを造ることができるのも魅力ですが、今回の事例のようにあえてインテリアのように筋交いを見せることができるのも魅力です。