リノベーション情報サイト「リノベりす」

リノベーション専門誌「relife+」 X SUVACO のリノベーション情報サイト

最高のリノベーションは、住まい手とつくり手のあきらめない思いから生まれた【あのヒトと、リノベ。】

リノベの最新情報

「リノベの最新情報」の「最高のリノベーションは、住まい手とつくり手のあきらめない思いから生まれた【あのヒトと、リノベ。】」

「理想の住まいを誰とつくるか?」は、わたしたちにとって、とても重要なポイントです。完成後に「やってよかった!」と思える気持ちは、住まい手の思いをしっかりと受け止め、最後まで貫いてくれるつくり手の真摯な姿勢によるもの。【あのヒトと、リノベ。】は、そんなステキなつくり手と住まい手の出会いのお話です。

今回ご登場いただくのは、夫の転勤でインドやタイ・バンコクほかさまざまな国を転々とする生活を送っていた藤巻さん。海外の友人と過ごすうちに日本人の住まいに対する考え方に多くの疑問を感じるようになり、こうした経験をもとに「個性と感性を大切にした、わたしらしい家づくりをしたい」と考えリノベーションすることに。

取材にご協力いただいた藤巻さん

夫と子供2人の4人家族。長男が独立し、現在は大学生の長女と3人で暮らしています。「住まいは、その時々によってアレンジしていくことに楽しみがあると思います。つくり手の言いなりにならず、洋服を選ぶようにわたしたち自身に合った住まいを自由に選ぶ時代になって欲しいですね」

どうなるかわからない将来を考えるよりも、今を快適に暮らす住まいを

藤巻さんが、滞在先で出会った人たちは、決して豊かではない国であっても、自分自身の家づくりにとても関心を持っていたとのこと。老若男女を問わず、知恵と工夫を凝らし好きなものに囲まれた生活を楽しむ姿がとても素敵に感じられたそう。当たり前のように個性にあふれ快適な空間を作り上げる友人たちに影響を受け、既製品を自分なりにアレンジする楽しみや、日々の暮らしをより豊かにすることを追求する考え方を自然と学んだそうです。

これからどうなるかわからない未来の心配をするよりも、今を一番快適に過ごせる住まいにしたい…。そんな思いと、海外生活で得たインスピレーションがもとで、オリジナリティに満ちあふれた住まいが完成しました。

QUALIA(クオリア)阿久津さんとの出会いと、国をまたいでのプラン進行

海外からいくつかのリノベーション会社をあたってみたものの、藤巻さんの考えや思いを貫いてくれる会社とは巡り合えなかったといいます。そんな中、出会ったのがクオリア株式会社の代表を務める阿久津浩之さん。彼自身の海外経験を生かした提案力やフィーリングの相性から、スムーズに話が進んでいったそうです。滞在先のタイ・バンコクからでもメールやFaceTimeを駆使することで、現場や現物を見ながらのやりとりもストレスなく進められました。

あのヒト: QUALIA(クオリア) 阿久津さんってこんなヒト

クオリア株式会社 代表取締役
自らの海外生活の経験を踏まえた、型にはまらないリノベーションが得意。フュージョン・ジャズの演奏家という一面も持つ。ベースを演奏するために自邸には音楽室を完備しています。

Home Design 3Dというアプリを使って、藤巻さん自身がリノベーションイメージをデザインして阿久津さんへ伝えたそう。キッチン背面にiPadを設置できるスペースを確保。キッチンにいながらレシピや画像を自由に見ることができます。

建材には施主支給品も多く取り入れたかった藤巻さんは、タイのホームセンターやインターネットでタイルや照明を見つけては阿久津さんに画像を送って相談。一時帰国の際に、タイルを少しずつ持ち込んだり、旅行先でランプやインテリアを購入したりしたそうです。

タイ滞在中から年3回ほどの一時帰国の際にプランを提案しては改良を続け、阿久津さんはおおよそ40案にも渡るプランを練り続けたといいます。

見どころ1:コストバランスを考え、IKEAのキッチンを造作アレンジ

QUALIA(クオリア)といえば、ホテルライクやラグジュアリーな事例が多いイメージですが、今回、阿久津さんが提案したのはなんとIKEAのキッチンを使用すること。機能的にも見た目にもIKEAのキッチンで十分と考え、造作でアーチの腰壁をアレンジすることに。藤巻さんの思いを、阿久津さんならではの発想と施工技術で実現しています。

 
藤巻さん:アールやアーチの形状は、緊張感を和らげるリラックス効果があるため室内にぜひ取り入れたいと思っていました。
 
阿久津さん:コストバランスを考え、IKEAのキッチン型番:METOD(メトード)を使用しつつ、カウンターはオーダーで制作、IHコンロやレンジフード、食洗器、オーブンなどは好きなものを選んでいただきました。キッチンは藤巻さんの要望をヒアリングしながら、予算内のプランを提案するうえで最も調整した場所ですね。
キッチン:IKEA METOD(メトード)
金額¥490,000
カウンター:オーダー
金額¥360,000
IHコンロ:MITSUBISHI
レンジフード:クリナップ
食洗器:Panasonic
オーブン:Panasonic
水栓:GROHE、DELTA

どちらからでも行き来できる動線のおかげでキッチンへの出入りはとても楽になったそう。シンク下はあえてスペースを確保し、ゴミ箱や必要なものを楽にしまうことができます。「目隠しになるどころか、どう使っても散らからないのよ」と藤巻さん。

見どころ2:あえて角部屋の窓をつぶし遮熱対策を

タワーマンションの角部屋で目の前は美しい緑の森に面してはいたものの、角部屋特有の熱さが難点となっていました。また、片側1面は隣接する別棟が圧迫感を与えあまり良い眺望は臨めませんでした。そこで緑に面した眺望を生かすべく、南西の窓は思い切って壁にすることを提案。明るさを残すため梁に合わせてウッドシャッターを設置し、自然光をしっかりと取り込める対策を。
さらに、壁面にはエイジング加工した世界地図のクロスを絵画のように張り、藤巻さん夫婦が訪れたことのある国々をピンで留めるというユニークな提案も。

 
阿久津さん:世界地図の壁面はスライド式の壁収納になっています。「海外にいるようなイメージ」をテーマにしていたので、日本に帰国したあとも滞在先の思い出をふっと身近に感じていただけるような提案をしました。壁面は、世界地図が飽きたら(笑)好きな絵を飾るなど自由にアレンジできます。

地図の裏は収納スペースを確保。間仕切りのスライド壁のため、普段はスッキリと隠すことができます。

赴任先や旅で訪れた国をピンで留めています。クロスのため、そのときの気分によって自由に張り替えることも可能。

見どころ3:玄関から薄暗かった廊下が、まるでギャラリーのように変身

下の写真でご覧いただけるように、もともとの間取りでは玄関から居室まで暗闇の直線をひたすら進んでいく廊下だったため、ここの改善は、リノベーションの最大の課題でした。

BEFORE:日中でも電気をつけないと真っ暗だった廊下

海外で購入したこだわりのソファやピアノ、家具を取り入れたいというご希望と、それぞれの空間に立ったときに見える情景にこだわりたいという思いを取り入れ、まるで洞窟を思わせるゆるやかなアール状の壁には、藤巻さんお気に入りの家具やタイルを配置。薄暗く冷たい印象だった廊下が一変しました。

 
阿久津さん:アール状のガラスブロックは職人さん泣かせでしたが、見事な仕上がりとなりましたね。玄関横のニッチ壁は藤巻さんこだわりの尖頭アーチを叶えるため、現場造作では不可能な3次元のアールの下地を家具工場で製作して実現しました。

インドシルクを張り替えたお気に入りのソファは、ゆったりとカーブする廊下に設置しました。

韓国の薬箪笥(ヤクジャン)が凛とたたずむ幻想的な空間に。ダウンライトと、トルコランプの陰影が美しい空間に。

【あのヒトと、リノベ。】住まい手とつくり手のあきらめない思いが「これ以上ないリノベーション」へ導いた

施主の思いに向き合い、無理を可能にするまであきらめない阿久津さんの取り組みは、施主だけでなく家づくりを共に手掛ける職人や現場の人々にも大きな影響を与えたようです。竣工後、施工に関わった職人を招待し、完成した現場をご覧いただ際に、なかなか竣工後の現場を見ることがないという職人たちはとても感動されたといいます。

藤巻さん:今まで不可能だと思い込んでいたさまざまなことを、阿久津さんは実現してくれました。わたしの無理な要望にも粘り強く対応し、常に丁寧で冷静な判断をしてくれる方です。彼がいなかったらこんな素敵な住まいは決して存在しなかったでしょう。

現在、阿久津さんは、イタリア製の建具と天然石を取り入れたトラディショナルとモダンが融合したプロジェクトに取り組んでいるそうです。さらに、今までに手掛けたことのないテイストにもどんどん挑戦していきたいと語られていました。

阿久津さんからのメッセージ
提案当初は、帰国前だったためメールでの打ち合わせが多く、藤巻さんの旅行や友人宅の画像を参考に趣味嗜好をイメージするところから始まりました。藤巻さんはディテールへのこだわりが強く、キッチンに立ったときのサニタリーの見え方や流れるような曲線アーチ、建具から覗く窓は丸く、など難しいご要望もありました。ただ、困難な案件ほど完成したときの喜びと感動はひとしお。どんな難題であっても必ず打開策はあると信じ取り組みました。藤巻さんに、「思い残すこともない理想的な住まいになりました」とお言葉をいただきとても光栄です。

QUALIA クオリア

感性に響く上質な住まい創りを目指す

リノベりす編集部 ながや:取材を終えて

今回、QUALIA(クオリア)阿久津さん、施主の藤巻さんそれぞれにお会いし取材させていただきました。
「今を快適に過ごせる家を」という藤巻さんの言葉はとても印象的でした。リノベーションは、これから起こる将来を想定した住まいづくりを考えることも大切。だけどもっと大切なことは、「今を自分らしく過ごさなければ、これから先もハッピーにはなれないということ」なんですね。
「わたしの理想はマニアックって言われるの…笑」と藤巻さん。そんな住まい手の「個性と感性を生かしたこだわり」はつくり手である阿久津さんとの出会いによって、最高のリノベーションへとつながりました。

この事例の室内の様子・詳細は、以下よりご覧いただけます。

曲線が豊かに彩る、海外の思い出を詰め込んだ住まい

 
この事例をもっと詳しくみる

人気のリノベーション事例