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住まいをめぐる冒険

平日は都内の狭小住宅住まい。週末は埼玉の「ちょい郊外の基地」でリノベーション&DIYライフ。・・・2014年にここから始めた活動が、元官舎1棟まるごとリノベーションする事業に育っていきました。ブログ名も新たに(2017年6月)、移住先館山での「モノ作り・コト作り」を紹介していきます。

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続・住まいをめぐる冒険(3) ~元官舎を落札!~

テーマ:お知らせ

前回のエントリーからの続きです。

 

前回はこちら。

 

続・住まいをめぐる冒険(2) ~エアストリーム貸別荘オープン!~

 

 

いよいよ入札!

 

元官舎の取得を志したものの、 追加で銀行から融資はかなり難航すると思われました。

 

そこで、まずは自分の思いと、 収支計画を書面にまとめてみようと事業計画書を書くことにしました。

 

 

いくらで入札すれば落札できるか、 過去の落札結果を紐解いて入札可能ラインを算定。

 

過去の類似事例を見ると、「坪単価●万円が着地ライン。●.●万円なら確実圏」という数字が見えました。

 

続いて、リノベーションに当たっての工事コストの算定、 収入となる家賃設定などを検討していきました。

 

これなら成り立ちそうです。

 

数字的な根拠の他に、事業計画には、自分の思いを書き連ねました。

 

なぜ、この場所に、こんなコンセプトの建物が必要か、自分はどんな経験をしてきた人間なのか。

 

金融機関への提出書類は数字だけでよくって、そのような数字以外の部分は必要がないという方もいます。

 

しかし、それでも良いと思いました。

 

文字化できないこと、表現できないということは、自分のイメージが曖昧である証拠です。

 

自分の意思確認であり、コンセプトメイクの過程として資料をまとめました。

 

また、本当に借り入れ枠的には限界ラインだと思ったので、最後は想いと熱意で共感していただくしかないと思ったのです。

 

*その事業計画書は、MINATO BARRACKSの公開資料の一部として、公開しています。

収支計画部分は割愛させていただいていますが。

ご興味ありましたら、ご覧ください。Google Drive

 

 

そして銀行に事前交渉です。

 

入札予定額+修繕費で一応の内諾は取り付けることができました。

 

 

2016年5月初旬に公示がありました。

 

「公示」とは、 競争入札物件の図面や概要と最低落札価格が発表されるものです。

 

そして5月下旬の某日に現地見学会が開催されました。

 

これは指定される1日の数時間だけ現地に立ち入れるというものです。

現地見学会の日だけバリケードが解除されます。

 

 

10組程度が参加していたでしょうか。

不動産会社ぽい方、工事会社ぽい方、まぁ「玄人」な感じです。
素人っぽいのは私ぐらいです。

しかし私だけでは不安なので、 以前にアパートを建てていただいた地元のゼネコンさんにも立ち会 っていただきました。

 

窓という窓はベニア板で塞がれていますので、室内は真っ暗です。

 

 

3年ぶりぐらいにドアが開いた部屋。 どんなに荒れているだろうかと思ったものの、 簡単な掃除をすればそのまま使えそうな感じです。

 

カビ臭い部屋もほとんどありませんでした。

階段室の集合ポスト

 

 

雨漏りなどもなさそうです。

 

 

上水道のタンクも新しいし、 屋上の防水シートも綺麗な状態であることが確認できました。

屋上から眺める田園風景

 

 

4階から隣接するエアストリーム貸別荘を眺める

 

 

お風呂場。バランス釜は取り替えないとなりません。

 

 

 

絶対に手に入れたい!

 

 

入札期間は5月下旬から6月上旬にかけての約10日間。

 

入札要項を念入りに読み込んで、 間違いのないように慎重に手続きをします。

 

ステップとしては、

・入札予定額の5%以上の保証金を銀行で払い込み、 控えを受け取る。

・必要書類を記入し、払込控えを添えて、 簡易書留で期日まで必着で投函する。

 

です。

 

*ご興味を持った方は、「関東財務局 一般競争入札」で検索してみてください。

 

 

さらに、銀行に融資について念押しをした上で書類を投函したのでした。

 

 

開札日は6月下旬の某日。

 

埼玉県さいたま市の新都庁で開札が行われます。

 

 

その日は仕事の都合で行くことができなかったので、 即日で結果はわかりません。

写真は、別の機会で実際に足を運んだ時のものです。
50〜60件の改札結果が次々と発表されていきます。
この場所も当然ながら「玄人」だらけ。
ある種、「場外馬券売り場」のような空気が流れています。

 

 

翌日8時半からは電話で開札結果の問い合わせができます。

 

 

「結果を知りたいのですが」

 

 

 

「物件番号とお名前をお願いします」

 

 

 

「○○番で、○○と申します」

 

 

 

「少々お待ち下さい」

 

 

 

(保留音)

 

 

 

ドキドキ

 

 

 

(保留音)

 

 

 

ドキドキドキ

 

 

 

(保留音)

 

 

 

ドキドキドキドキ

 

 

 

(保留音)

 

 

 

ドキドキドキドキドキ

 

 

 

(保留音)

 

 

 

ドキドキドキドキドキドキドキ

 

 

 

 

「お待たせしました。落札ですね。」

 

 

 

 

「あ!落札ですか?ありがとうございます!」

 

 

 

「 正式な通知と今後の手続きについて郵送しますのでしばしお待ち下 さい」

 

 

 

 

やりました!落札決定。

 

 

数日後、郵送で落札通知が届きました。

 

約1ヶ月以内に財務局との契約締結。

 

そしてそこから2週間以内に決済(支払い)という運びです。

 

銀行さんと融資額で当初希望の満額が出ないことになったり、 すったもんだありましたが、無事に決済と登記変更を行い、 入手したのでした。

受け取った鍵の数は、合鍵含めて約70本

 

 

その翌日は館山での年に1度の花火大会で祝福されました。

眼前の海上から打ち上がる花火は圧巻。
iPhoneでもクッキリ撮影できました。

 

 

達成感、ワクワク、ドキドキの混ざったあの花火の夜の気持ちは、この先もずっと忘れないことでしょう。

 

 

 

リノベ工事会社の決定と仕様決定

 

8月・9月はなるべく休みを取って現地に足を運びました。

 

地元の工事会社に相談しましたが、 工事会社だけでは困難であることがわかり、 地元の設計事務所に相談をしました。

 

知人のつてもあり、当時20代だった若者2人で営んでいる「あわデザインスタジオ」に設計を依頼することにしました。

 

条件として考えたのは以下の3つ。

1.地元の会社であること

2.若手であること

3.ローコストで実現できること

すべてクリアしてくれる、頼もしいパートナーが見つかりました。

 

建物の新しい名前も決めました。

 

MINATO BARRACKS(ミナトバラックス)

 

 

館山市の「湊(みなと)」エリアにある元官舎。

 

「港」は、「船の集まる場所」ですが、「湊」は、「人と物が集まる場所」という語源があります。

これが気に入りました。

また、今後このエリアが今後の発信でユニークな価値を持っていく場所になって欲しいということで「MINATO」を。

 

「BARRACKS」は「兵舎」という意味です。

 

元官舎という余韻と、外観が東京・六本木にある「HARDY BARRACKS」と似ていなくもないかなと、思ったこと。

こちらが六本木のHARDY BARRACKS

 

 

こちらが工事前の MINATO BARRACKS

 

 

自分にとって、住人にとって、地域にとっての発着信基地・交流基地になって欲しいということ。

 

まぁ、僕の活動が、「ちょい郊外の基地」から始まりましたので。

 

「基地」という雰囲気は入れたかったんです。

 

語感も、ちょっと攻撃的な雰囲気でいいかなと。

 

人生を攻めて生きる人のための基地。

 

そんな思いでMINATO BARRACKSと名付けました。

 

 

あわデザインスタジオが作ってくれた模型

 

 

高架車ですべての窓に張られていたベニヤ板の目張りを外していきます。

 

 

 

まずは外壁の一部を茶色くペイント。

 

 

建物名サインの取り付け作業中。

 

 

サインもついて現在の外観となりました。

 

 

さて、工事の図面はできたものの、何せ古い物件なので、床を剥がしてみないと、 図面通りに行くかわからないということで、 まずは先行して2室について工事をすることとしました。

 

そろそろ内装工事を着工しようという10月中旬。

 

Facebookページを見た方から、入居についての問い合わせが。

 

「Uターンして地元でカフェを開業するにあたり、 引っ越し先を探していました。雰囲気もコンセプトが最高なんで、ここに決めます!」と。。

 

「いや、とっても嬉しいんですが、一旦は現地見てみてください(汗)

 

とお願いして現地をご案内。

 

 

「すごい綺麗です!私たち、 今住んでいるのがここより古い団地なんですけど、 こことは比べ物にならないくらいボロボロだったのをリノベしたので、わかるんです。絶対素敵なお部屋になるって!」

 

と、まだ工事前の状況でしたが、団地リノベ経験者が入居者第1号という偶然、いや必然!?

 

ということで、モデル工事着工前に早くも入居第1号が決まったのでした 。

 

団地リノベ経験者ということで、いろいろ相談にも乗っていただきました。

 

例えば、現在、各お部屋に入れている追炊き付きの猫脚のバスタブは、このC夫妻からご紹介いただいたものでした。

 

団地リノベ経験のC夫妻に紹介してもらった現在のバスタブ

 

 

9月と10月には工事前の現地見学会も開催。

 

情報は発信するところに集まります。

 

問い合わせや内覧もポツポツ入り始めました。

 

果たしてこんなコンセプトの物件が受け入れられるんだろうか?

東京ならありでも、館山でどうなんだろうか?

 

信念はあったけど、 でも浸透するまでは長期戦かもと思っていたので、 この反響はとっても嬉しかったです。

 

落札した頃「いつかは家族で館山に移住かね〜」 なんて話をしていたのが、「年内には移住しちゃおう!」 と家族でも話がまとまったのでした。

 

工事の期間中、銀行と融資の件ですったもんだあったり、思わぬ水道トラブルなんかもあったんですが、 なんとか12月上旬にご入居いただくことができました。

 

そして、僕たち家族も12月中旬に正式移住

 

僕たち家族が住む場所は9年前に親のために建てた戸建です。

当時はいなかった娘も連れ立って、この場所に帰ってきました。

 

 

大晦日の夜。

 

うすらでかい建物のシルエットが、暗闇に溶けている中、ただ1室だけポツリと明かりが灯るミナトバラックスを眺めながら、館山の住人として2016年末を迎えたのでした。

 

 

入居はまだ一組でしたが、クリスマスには建物サインにイルミネーションをつけました。

 

 

 

またまた長くなりましたので、次回に続きます。。

 

 

—-

マイクロデベロッパー 漆原秀

https://www.facebook.com/urushibarracks

 

築38年の元官舎をまるごと1棟リノベーション中

http://www.minatobarracks.com/

 

1日1組限定!ヴィンテージAIRSTREAM貸別荘

http://stellarplant.com/

 

update:2017-07-19 13:25 author:漆原秀

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