コンクリートを魅せる!現在と将来をつなぐシンプルリノベーション
水雅(すいが) (設計・施工)
DATA
これから時を重ねていくことが楽しみな、将来の土台となる住まい。シンプルな箱としての家は、自由自在に変えられる余地を残しています。趣味のアイテムに囲まれ、今の自分の暮らしを楽しめる場所にリノベーションしました。
「大工×技術」人の心に寄り添った家をつくる
素材感のある一室空間を、使い分ける
ざっくりした素材感と使い込まれたような味わいが魅力のリノベーション。築44年のマンションを、自分好みの住まいへ再構築しました。室内はほぼワンルーム、独立したスペースは水まわりだけのシンプルなつくりです。
玄関を開けるとワイルドな風景が広がり、愛用の自転車とバイクもインテリアの一部のよう。細かく仕切りらないオープンな空間の上部を、開放した間仕切り壁でゆるやかに仕切り、光と風の道をつくっています。
リノベーション費用をなるべく抑えるために、仕上げは最小限に。構造のコンクリートをそのまま現しにするという方法を選び、一部水まわりの壁にタイルを張りました。質実剛健な趣きの梁や柱をデザインとして取り込み、個性的な佇まいに。
日常を彩る、ミニマルな美しさ
インダストリアルなシルバーの配線カバーやブラックのライティングレール。それらが荒々しいコンクリートの躯体や素朴な木のフローリングと響き合い、スタイリッシュな雰囲気を醸しています。コンパクトなキッチンと洗面台は最小限の機能に収めつつ、デザインはあくまでもミニマルに。使いやすく、印象的なスペースに生まれ変わりました。
ライフステージの変化に合わせ、段階的に成長していく住まいをめざし、その基礎となるような空間づくり。シンプルな設えは、住みながら少しずつ手を加えていく楽しみもあります。
施主の趣味は絵を描くことだそう。余計なものをそぎ落としたミニマル空間で、感性豊かに趣味を楽しむことができそうです。
MATERIAL
壁:タイル(水まわり)
リノベりす編集部コメント
この家の雰囲気を決定づけているのはラフな素材。完成形ではない程よいゆるさが、くつろぎ感の決め手だと思います。実際の面積より広々と感じるワンフロアの空間を、住み手のセンスに合ったインテリアを集めて、今後ますます居心地のよい場所への進化に注目したい!