仕切らない間取りと上質な素材で豊かな住まいに

この家の住まい手でもあり、設計者でもある星名岳志さん、貴子さん。 「グーグルマップで緑地帯を探して、その近くに建つマンションを探しました」というユニークな家探しの末、公園に隣接し、カワセミも遊びにくるという池と森が見える素晴らしい環境に恵まれたマンションと出合った。

リノベーションでは北側をプライベートなエリアに、南側をパブリックなエリアに大きく分けた。工事費は約1200万円。

「たくさんの方に見てもらうことも想定していたので、できるだけいろいろな素材や設備を試してみたい、ということもあり、結果としてそれくらいかかりましたが、ふたりで一つ一つ吟味して選んだ結果なので納得しています」（貴子さん）。

存分に緑を楽しめる環境で住まいと仕事場を見事に両立

仕切らずに様々な場所をつくることがリノベーションのメインテーマ。キッチンと、ゆったりとした玄関ホールをコアにして、北側をプライベートなスペースに、南側をパブリックなスペースとした。北側に3室あった個室をワンルームとし、浴室を北の窓側に移動した。

星名さんのお宅でとくに印象的なのは、広々とした玄関ホールと、訪れた人を温かく出迎えてくれるかのようなキッチン。

「仕事場も兼ねてはいますが、玄関を開けて仕事場がバンと見えるのは避けたかった。〝住まい〟であることを大事にしました」（岳志さん）。希望通りの緑豊かな環境で、木のぬくもりを感じられる豊かな住まいと快適な仕事場を見事に両立させた。（撮影／エフジー武蔵　取材・文／君島喜美子）

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