裏動線を駆使したワンルームリノベ。大好きな自転車と過ごすミニマルな暮らし。
ハンズデザイン一級建築士事務所 (設計)
ひと部屋丸ごと取り込んだ玄関土間は、Wさんたっての希望。大切な愛車のメンテナンスはもちろん、PCコーナーや収納、キッチンへの裏動線も盛り込みました。
DATA
間取り図
日常の生活を大切にし、丁寧につくりあげる
開放感と使いやすさをアップした玄関土間をつくる
自転車に乗ったりカスタマイズしたりすることが趣味というWさん。そろそろ持ち家をと考え中古マンションを購入し、以前から交流のあったハンズデザイン一級建築士事務所にリノベーションを依頼することに。
もとの間取りは、狭い玄関を入ると窓のない廊下と水まわりが続く、少し閉鎖的な雰囲気。また、個室を細かく設けていることや15cmの段差が数か所あるなど気になる点がいくつかあったのだそう。そこで、洋室を土間に取り込んで広々とした玄関をつくり、そこから家じゅうが見通せる空間に再構成。寝室だけをパーティションで仕切ったような、贅沢なワンルームに生まれ変わりました。
水まわり以外の壁は、テレビを掛けた白い壁のみ。上も左右も解放して、リビングダイニングと寝室を緩やかに仕切っています。
愛車が絵になる、個性派インテリアに
壁や扉を極力少なくした住まいは、自然光がすみずみまで届いて明るくのびやか。築30年ではあるものの配管等の自由度が高く、水まわりの移動が可能だったことで開放的な間取りが実現しています。浴室は窓のある場所に移し、間仕切りには光を通すガラスの壁とドアを採用。また壁付けから対面式に変更したキッチンを家の中央に配置することによって、リビングダイニングと連続する大きな空間になりました。
インテリアは、色や素材を絞り込んでシンプルに。内装や家具にナチュラルな色を使いながら、天井のコンクリートやキッチンのステンレスなど、ラフな素材感も存分に活かしています。さらに大好きな自転車もインテリアの一部に織り込み、ショップさながらカッコいい空間が完成。リノベによって、自分らしい家と暮らしを手に入れたWさんです。
グレーの箱はトイレで、その向こうは玄関からキッチンに向かう裏動線。トイレ、キッチン、洗面室はあえて段差を残しています。
コンクリート、タイルの硬質なものと、オークなどの自然なもの。対照的な異素材を組み合わせることで、個性あふれる空間に。
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洗面室の間仕切りは、2枚の引き戸に。スライドさせて開閉するので、省スペースでプライベート空間がつくれます。
家具のようなコンパクトキッチン。玄関から直接キッチンに入れる動線をつくりました。
趣味や仕事など、多目的に使える土間スペースは、もともとあった出窓が程よいアクセントに。
「ミニマリストではないけど、丁寧に考えて必要なものを持つようにしている」とWさん。
天井と間仕切りのルーバーが印象的な玄関。ナチュラルな素材感を感じさせつつ、スタイリッシュに。
天井までのスペースを無駄なく活用したオープンな靴入れ。裏にも、たっぷり収納を確保しています。
すっきりと洗練された明るい木目とグレーの扉で構成されたベッドルーム。クローゼットは3枚引き戸を採用。
天井の吊りボルトかと長いS字フックを組み合わせたハンガーパイプ。室内干しや一時掛けに。
浴室の窓から光と風が心地よく入ってきます。洗面室の収納は、WさんのDIYなのだそう。
トイレ上部の壁は、梁に合わせた透明なガラス。部屋と天井がつながり、空間が広く感じます。
冬場の暖房は、ガスのだるまストーブを使用。見た目にも暖かく、快適に過ごしています。
ビフォー・アフター
MATERIAL
床：オーク
天井：コンクリートむき出し、木製ルーバー
INSTRUMENTS
キッチン：サンワカンパニー コンパクトキッチン430
トイレ：TOTO ネオレスト
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リノベりす編集部コメント
趣味と暮らしが見事に融合したステキな住まいですね。すっきりシンプルにまとめつつ、木の風合いが温かみを添えていて、心地よい景色になりました。統一しているわけではないのに、置かれたものにその人らしさがよく出ていると思います。