コンクリートむき出しの大空間に仲間が集うバーのような家
DATA
広いリビングがあって、仲間が気軽に飲みに来るような家にしたかったというKさん夫妻。物件探しの条件はズバリ、「最低でも90㎡以上」だ。家族3人がプライベートな空間を持つことも希望だった。
そんな夫妻がひと目惚れした物件は、築37年のヴィンテージマンション。2~3年前に修繕された外観はリゾートホテルのような雰囲気で、趣もたっぷりだ。95㎡という広さはもちろん、ヴィンテージマンションならではの内部の重厚感も気に入った。リノベーションは名古屋市を中心に活躍するエイトデザインに依頼。同社が運営する「HACHI CAFE」の雰囲気や家具が、自分たちの好みにピッタリだった。
コックピットのようなキッチンを眺めの良い場所に
「広さを生かした空間に」「武骨な雰囲気が好き」「キッチンはアイランド型」などの要望を聞いた設計担当の野澤昌代さんは、テレビ塔が見える眺めのいい位置に、巨大なL字型のアイランドキッチンをドンと配置。コンクリートとH鋼でつくられた男前なキッチンは、外の景色も広いリビングダイニングも見渡せるコックピットだ。
壁や天井はむき出しのコンクリート、床は古材でラフな雰囲気に仕上げられ、「ピカピカしたものを置きたくなかった」(妻)と、食洗機もレンジフードもマットブラックに塗装。味わいのある木のバーカウンターも設置され、天井からはアルコール類が並ぶ吊り棚も。夫妻の好みが反映された、とことん骨太でカッコいいバーのようなキッチンが誕生した。
既存の天井をはがしたことで高さ3m以上にもなった大空間のリビングの一角には、高さを生かした大きな本棚があり、その裏には夫の趣味のグッズが詰まったロフトを設置。キッチンの裏には妻のくつろぎの空間であるパントリー兼家事室があり、家事動線にも配慮されている。長女には大きな窓のある明るい個室が用意され、ダイナミックな大空間の中に、それぞれが快適に過ごせるスペースが確保されている点も見逃せない。
明るい光が入るキッチンからはリビングダイニングを見渡すことができ、会話をしながら料理を出したり、お酒をつくったり。味わいのあるバーカウンターは、長女が宿題をする場所にもなっている
左手の玄関から続く土間のリビング。コンクリートの壁や天井、巨大な本棚が印象的で、存在感のあるTRUCKのソファやホーローのペンダントライトもよく似合う
リビングの床は半分がモルタルで、もう半分はオークのバーンウッド(古材)を使用。素材の違いと高低差で大空間に変化をつけている
リビングから玄関側を見たところ。黒い扉の高さが以前の天井があった位置。上部をガラスにしたことで、天井の高さが強調されている
玄関ホールからの眺め。既存の大きな黒い扉は位置を変え、正面をガラスに。玄関を入った瞬間にいきなりキッチンやダイニングテーブルが見え、まるでレストランに来たよう。天井の高さにも圧倒される
本棚の裏のロフトは、趣味のグッズに囲まれた夫の隠れ家。本棚は両側から取り出せるので、収納量は2倍
ビフォー・アフター
MATERIAL
LDK
床:オークフローリング、
モルタル金ゴテ仕上げ
壁、天井:コンクリート+防塵クリア塗装
寝室
床:カラー畳
壁、天井:コンクリート+防塵クリア塗装
子ども室
床:カーペット
壁、天井:コンクリート+防塵クリア塗装
INSTRUMENTS
キッチン
オリジナル
ガスコンロ:ハーマン
食洗機:ミーレ 水栓:三栄
レンジフード:ARIAFINA
サニタリー
バス、トイレ:TOTO
洗面ボウル:カクダイ
洗面水栓:サンワカンパニー