実家の敷地内にある賃貸併用住宅を 美しく、ダイナミックにリノベーション
FILE(ファイル) (設計・施工)
DATA
間取り図
N邸の母屋は築40年で、現在は夫の母が住んでいる。敷地内にあとから建てた別棟の間取りは、1階にLDK、2階に個室と浴室、納戸のある1LDK。子どもたちが大きくなるにつれ、親子4人が住むには手狭になっていた。北側に隣接する賃貸アパートは、1階と2階にワンルームが一戸ずつ。2つの棟をつなげば十分な広さが確保できると、リノベーションに踏み切った
外から見ると、とりたてて特徴のない2階家なのだが、一歩家の中に入れば別世界。パリのアパルトマンのシックな雰囲気にスタイリッシュなNYテイストをミックスしたような、素敵な空間に迎えられる。
N邸の場合、正確に言うと「実家リノベ」ではなく、「実家の別棟リノベ」。十数年前、夫は実家の敷地内に別棟を建てて独立し、そのとき隣に小さな賃貸アパートを建てた。結婚後も別棟で暮らし、長女の小学校入学を前にリノベーションを考え始めた。築年数が浅いので「外壁はきれいだし、土台もしっかりしていましたから、建て替えは考えませんでした」(妻)。 基本プランは、別棟とアパートをつなげてひとつの家にすること。ファッションやインテリアに関心が高いNさん夫妻は、細部にまでこだわりがある。FILEの石川敬子さんは、ドアノブひとつ、タオルハンガー1本も揺るがせにせず、イメージを形にしてくれた。
どこにでもある「普通の家」が、夢見ていた「お城」に大変身
1階はゆったりした玄関ホールをはさんで、南にLDK、北にバスルームを配置。2階はプライベートスペースで、子ども室と寝室をつなぐ廊下部分にワイドな洗面台と、くつろぎのコーナーがある。
LDKの壁はスモーキーピンク、廊下はパープルグレー、洗面室はブルーグレー、そして2階の廊下部分は淡いグリーン。壁の色を塗り分け、パテでラフな感じを加えている。
LDKの腰パネルやモールディング、既存のサッシを隠す木製の内窓、オリジナルのドア、アンティークのドアノブ……。吟味した素材やパーツが調和して、心地よいハーモニーを奏でている。
「思い描いていた通りのお城になりました」(妻)。リノベーションの力で「普通の家」がここまでグレードアップ、大満足の住まいになった。
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ビフォー・アフター
MATERIAL
*玄関
屋根、外壁:既存
*LDK
床:ナラ三層集成フローリング
壁、天井:塗装
*寝室、子ども室
床:ナラ三層集成フローリング
壁、天井:クロス
INSTRUMENTS
*キッチン
オリジナル
コンロ:東京ガス
レンジフード:クックフードル
シンク:コーラー
*サニタリー
浴槽:T-form
水栓:グローエ
トイレ(1階):インターバス