イメージは無骨で男っぽいサンフランシスコのインテリア
DATA
「新築マンションの型どおりのデザインより、自分たちの好きなようにつくれるほうがいい」と昨年の秋頃から中古×リノベを前提に家探しを始めたMさん夫妻。検討の結果「ホームページが一番わかりやすかった」という、リノベる。に物件探しから依頼することに。
「業者がリフォームして売り出そうとしていた物件を、リノベる。さんがストップさせて、紹介してくれてたのがここなんです」と夫。構造壁以外はスケルトンにして間取りを一から考え直すつもりだったため、住戸内は主に眺望、風通し、天井の高さなどをチェック。バルコニーが南向きでスパンが広く、眺望も抜けていることなどが購入の決め手に。 リノベーションにあたってリクエストしたことは、至ってシンプルだった。「ベタですけど、イメージしていたテイストはサンフランシスコのコーヒー屋さんや、ショップのインテリア。壁は白、床は濃い色の無垢材。収納棚には古材を利用して、フレームは黒皮(酸化皮膜で覆われた鉄)。色はあまり使わず、シンプルに」(夫)。 間取りは、3DKを2LDKにしてLDKを広く取ること、収納はたっぷり、の2点。「そのほかに、それぞれの部屋や設備に関する細かい希望を少し伝えて、後はほとんどおまかせです(笑)」と夫。
黒皮と古材のやや武骨な素材感を無垢材の床と白い壁がほどよく和らげて
デザイナーから上がってきた提案は、ほぼ夫妻のイメージ通りだった。細部を詰めながら、約1か月半でプランが完成。最初にしっかりとイメージを共有できたことで、スムーズに進んだ。幅広の無垢フローリングを敷いたLDKと、ステンレス製のキッチンも相性バツグン。
「広くてスッキリしていて業務用っぽいイメージにしたかった。あとガスオーブンと吊り戸棚、サブウェイセラミックはマストでした」と、キッチンは妻のこだわりが反映された。キッチンにお金をかけた分、バスルームをユニットにするなどしてうまく予算内に収めた。黒皮と古材のやや武骨な雰囲気を、無垢材の床と白い壁がほどよくやわらげ、住まいのどこを切り取っても絵になる空間に仕上がった。
「家の中に自転車を置きたい」という夫の要望で、リビングの一角に自転車スタンドを設置。空間のアクセントにもなっている。正面のドアの先が寝室
玄関からリビングまでを見通す。右手前のドアが洗面室とバスルーム、左側が趣味室にしている洋室。洋室の面積を削って、廊下の壁一面に造作棚を設けた
ソファの前に置かれたローテーブルは、キッチンの吊り戸棚や洋室の棚と同じ古材を使用した。テレビ台も造作
床にサイザル麻を用いた4.5畳の寝室。奥がWIC。リビングとの間の壁には、デザイナーの提案で窓を設けた。「光も入るし、圧迫感がなくて気に入っています」と妻
無機質な空間になりがちな廊下に、さりげなくアートやグリーンを飾っている。ラフな質感のモルタルの床にしっくり馴染んで、夫妻のセンスのよさを感じさせる
廊下の壁一面に造作された棚は、面材に独特の雰囲気のある古材を使っている。手前の玄関側に靴、奥には本などをしまっている。ツマミもこだわって選んだ
北側の洋室は仕事場兼趣味室。大量の本やCDを収納した棚も、棚板に古材を使用している。古材を使った棚との相性も良く、素足で歩いても気持ちがいい
ビフォー・アフター
MATERIAL
*玄関
床:モルタル
壁、天井:塗装
*LD
床:無垢フローリング
壁、天井:塗装
*キッチン
床:タイル
壁:塗装、一部タイル
天井:塗装
*寝室、洋室、WIC
床: サイザル麻
壁・天井:塗装
*トイレ、洗面室
床、壁: モルタル
壁・天井:OP塗装
INSTRUMENTS
*キッチン
オリジナル
ガスコンロ、オーブン:ハーマン
レンジフード: ダブル
水栓:セラトレーディング
*サニタリー
ユニットバス、トイレ: TOTO
洗面ボウル、水栓:
セラトレーディング