19/12/08 20:00 投稿
築37年の戸建てリノベ費用1950万円内訳は?『明るい陽射しと木のぬくもりに包まれた家』
リノベーション費用、これいくら?
マンションのリノベーションと比べると自由度の高い戸建てリノベーション。自由度が高い分、一体何にいくらかかるのかは気になるところ。戸建てのリノベーションでは、築年数によっては建物自体の耐震や断熱工事が必要となり費用に大きく影響します。戸建てリノベの予算配分の目安ってどれくらい?築37年の戸建てリノベーションの費用内訳を参考にコストアップ、コストダウンのポイントについてもまとめてみました!
※価格は全て税込みになります。価格はさまざまな条件で大きく変動しますので、あくまで参考としてお考えください。
DATA:吹き抜けリビングのある戸建てリノベ
今回取り上げる事例は、築37年になる戸建ての物件を購入し、リノベーションをしたEさん家族の住まい。時を経た建物ならではの味わいを残しつつ、1階と2階をつなぐ吹き抜けや、リビング階段を新設し、家族4人がコミュニケーションが取りやすい住まいにリノベーションしました。見せることでインテリアのアクセントになった構造柱や、ヘリンボーン張りの床があたたかみのある空間を演出しています。
■家族構成:夫婦+子ども2人
■物件情報
・所在地:兵庫県神戸市垂水区
・専有面積:128.4平米
・築年数:37年
・建物:木造2階建て
■リノベーション情報
・設計・施工: G-FLAT(ジーフラット)
・設計期間:3か月
・施工期間:3か月
・施工費用:1950万円(設計費込み)
今あるものを生かし、少しのデザインとアイディアで劇的に変化させる
基礎工事:530万円 既存の躯体を生かしつつ補強もしっかり
■主な内訳
解体工事:80万円
木工事:350万円
耐震補強:50万円
断熱工事:50万円
一般的に、築年数が25年以上経っている戸建て住宅は、耐震や断熱の工事はマスト。今後長く安心して住むためにしっかりと対応しておきたいところです。Eさんが購入した物件も築37年を迎えていたため、耐震や断熱工事をして住宅の性能をアップしています。
設計・施工を行ったG-FLATでは、基本的な耐震工事を「社内の診断士による耐震診断」→「耐震補強計画図作成」→「計画に基づいて補強工事」という流れで対応。このリノベーションの具体的な工事内容は、耐力壁の設置、補強金物の設置、柱や筋交いなどの構造体の補修、入れ替え、追加などを行っています。断熱工事については、床、壁、天井の断熱材(グラスウール)を全て入れ替えています。
間取りを大きく変えると木工事が増えるため費用が上がりますが、比較的既存の壁や柱を活かすことによって、費用を抑えることができています。
内装工事:630万円 優先順位をつけることで満足度の高い家に
■主な内訳
LDKのヘリンボーン床:60万円(ナラ材・37平米)
吹き抜けに新設した高窓:50万円
ウッドデッキ:80万円(レッドシダー・20平米)
リビング階段:20万円(踏み板&蹴込:足場板アンティーク加工、ささら桁:ナラ集成材、手摺り:アイアン)
このリノベーションの特徴の一つでもある、玄関からLDKにかけて広がるヘリンボーンの床。通常の無垢フローリングに比べて費用はかかりますが、家の印象にも大きく影響するポイントなので、妥協せずにこだわったポイントと言えるでしょう。
新しくつくった吹き抜けや高窓は戸建てリノベならではの贅沢。毎日開放的な気持ちで過ごせるのは費用対効果が高いと言えるかもしれません。
一方、2階部分はほとんど既存を生かし、コストを抑えています。
内装費に関しては、こだわるポイントや使用する素材によって大きく変動するので、優先順位をつけて全体のバランスをとるのがオススメです。
リノベりす編集部からひとこと
戸建てリノベでは、好きなところに窓を取り付けられるのが大きな魅力のひとつ。最近の新築はリビングの掃き出し窓の高さが220㎝あるのが主流。30年ほど前の住宅では180㎝しかないことが多いため、採光や視覚的な開放感を求めて、大きなサイズに入れ替えるケースも多くなっています。ただし、木造でも2×4や鉄骨造、RC造は変更が難しいことも。
設備費:260万円 メーカーの商品を上手に活用
■主な内訳
キッチン:100万円(商品代のみ)
バス:70万円(商品代のみ)
トイレ:22万円(商品代のみ)
洗面台(ボウル・天板・鏡・吊り戸棚):12万円(商品代のみ)
脱衣所と分け、独立させた洗面室には造作の洗面台を設置。ナチュラルなインテリアで他の部屋ともバランスよくおさまっています。その他の設備はメーカーのスタンダードな商品を選んでいます。マンションリノベと同様に、造作にするのか既製品にするのか、既製品のグレードはどのレベルにするのかで大きく費用が変わってきます。
リノベりす編集部からひとこと
マンションと違い、水まわりを1階から2階へ移動させるなど大胆な変更もできるのが戸建てリノベ。ただ、耐震性の安全面への確保が最優先のため、希望通りの間取り変更ができない場合もあるので注意!造作はリノベーション会社のアフターサービスがきちんと受けられるのかも確認しておきましょう。
その他:530万円 水道・電気工事、照明器具、窓装飾小物など
■主な内訳
水道工事:80万円
電気工事:140万円
基礎工事に含まれることもある水道工事と電気工事。どちらも生活のインフラになる部分なので、予算はしっかり確保しておきたいところ。電気工事はコンセント、電灯、スイッチの数によって変わりますし、凝った照明にするとその分費用も上がります。水道工事は、一般的に築20年程度を目安に交換すると良いと言われており、Eさん邸でもすべて刷新しています。
また、スケルトンリノベーションは、一部を工事するリフォームとは異なり、家全体を再構築していくため、カテゴリー分けしにくい細かな項目が多く発生します。ひとつひとつは小額でも積み重なっていくとかなりのボリュームに。
また、プランニング費用や現場管理費用など、安心してリノベーションを進めていくための諸経費もかかります。諸経費はリノベーション会社によってもまちまちですが、大体工事費の1~1.5割程度が目安。
リノベりす編集部からひとこと
戸建てリノベはマンションと違い、プランニング期間も施工期間も長くかかりがち。その分、諸経費もかかります。それ以外にも処分費用や養生費用なども必要経費として考えておきましょう。
今回取り上げたのはこちらの事例↓
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リノベりす編集部からひとこと
木造住宅の場合、構造柱などに腐食があると、新しいものに交換する必要がありコストが上がってしまいます。中古の戸建て物件を購入する際は劣化や欠陥の状況をしっかりと見極めることも重要。G-FLATのように社内に耐震診断士がいる場合は物件を見る際に同行して判断してもらうことができますが、そうでない場合は専門知識のあるインスペクターに依頼すると、後々大きな支出を防ぐことにもつながります。