19/08/07 10:00 投稿
築33年の実家リノベ。閉鎖感を無くし、シンボルツリーが風にそよぐ家に《リノベーションのビフォー&アフター vol.6》
リノベのトレンド
リノベーションのビフォー&アフターvol.6となる今回は、築33年になる実家の戸建てリノベーションを取り上げます。広さを感じにくい、細かく分断された間取りを一新。「コモンスペース」と名付けたゆったりしたリビングと吹き抜けでタテとヨコをつなぎ、家のどこにいても家族が生活する気配を感じるられる空間を目指したリノベーションです。
7LDKから5LDKに。個室以外は縦横につながる空間へ
この家が建てられた当時は、空間のつながりよりも個室を重視する傾向にあったため、壁が多く開口部が少ない間取りでした。リノベーションをするにあたり、日々慌ただしく暮らす家族がそれぞれの気配を感じて暮らせるように、LDKを「コモンスペース」とし、それを囲むように、書斎やインナーテラスなどを配置。引き戸で個室にできるようになっていますが、開けておけばひとつの空間となり、空気が流れるように家族のあたたかさも通い合います。
また、階段をスケルトンにしてリビングの真ん中に配置。美しくらせんを描くリビング階段はまるでオブジェのような存在に。階段の上部は吹き抜けになっており、1階と2階の空間をつなげるだけでなくリビングに開放感をもたらしてくれます。
薄暗かったキッチンを開放的なアイランド型へ
窓はあったものの、個室に囲まれ薄暗かったキッチンはコモンスペースを見渡せる位置へ移動。回遊性のあるアイランドキッチンは使い勝手もよく、なんといっても開放的なところが魅力。キッチンに立つと書斎スペースやインナーテラス、2階の廊下まで見渡すことができ、まさに家の心臓部。また、キッチンの腰壁を高く設定しリビングから見たときに生活感が出ないように配慮されています。腰壁はモルタル仕上げにすることで、シンボルツリー周りの床とテイストを揃え、インテリアに統一感をもたせるレイアウトに。
和室をリビングにつながるインナーテラスへ
もとは和室だった場所はコモンスペースとつながるインナーテラスへ。窓が多くひと際明るいスペースとなりました。元々の居住スペースが広かったため、屋外と室内の中間のようなスペースを設け、家の中にいても日差しの変化や季節の移ろいを感じながら暮らせるようにゾーニング。また、壁のラインをまっすぐに揃えることで、視覚的にもスッキリとし広がりも感じられるように。ガラスの引き戸で音を遮断することはできますが、視覚的にはひとつの空間として捉えることができます。
壁に囲まれていた玄関は視覚的な広がりを演出
まるでギャラリーのように生まれ変わった玄関は、以前は階段室や個室の壁に囲われており、光がほとんど入らない場所でした。そこで階段をリビングへ移動させ、リビングドアをガラスに変更。さらにコンクリートの床を玄関からリビング階段まで同じ幅で伸ばし、奥行き感も演出することで、実際よりも広さを感じられるように。コモンスペースからの採光が玄関にまで届くようになり、広さは変わらないものの、信じられないほど開放感あふれる空間になりました。家の奥にあったトイレを玄関近くに移動させ、生活動線を短くしている点にも注目です。
3つの個室に区切られ、部屋の外の様子がわからなかった2階スペースは、一部を吹き抜けとし、それを囲むように2つの寝室とウォークインクローゼット、それらをつなぐオープンな廊下とライブラリースペースへと再構築。寝室には室内窓を設置し、必要に応じて空間をつなげたり閉じたりフレキシブルに対応できるようなっています。本をたくさん持っていた施主のために用意されたライブラリースペースは、色味の濃いラワン合板を壁天井に使用し他のスペースに比べて落ち着きのある雰囲気に。一方で床はすべてアカシアで揃え、一体感をもたせています。
リノベーションを考えているが、自分にあった会社がわからない!何から始めたらいいの?そんな疑問やお悩みをお持ちのあなたにぴったりのサービスがあります。
業界経験豊富なリノベりすの専任アドバイザーがご相談・ご提案・ご紹介までサポートします。
専任のアドバイザーに相談してみよう
あなたに最適なリノベ会社を無料でご紹介いたします。
リノベりす編集部コメント
個室で細かく区切られて、部屋の中にいると他の部屋の様子が全くわからなかった以前の家。人数も減り、それぞれが慌ただしく過ごす新しい家族のために用意されたのは、少しずつ重なりながらつかず離れずの距離で暮らせる家。それぞれの場所から見える景色に、いつでも家族の姿を映せるプランニングは建築家らしい視線だなと思いました。建築本来の力強い骨を残しつつ、家の中心にあるシンボルツリーと共に新しい歴史が育っていきそうなビフォーアフターでした。