20/11/29 12:00 投稿
都心からちょっと離れて手に入れたもの。戸建てリノベで叶えた、心地よい暮らし
リノベのトレンド
「心地よさ」を求めて郊外の戸建て住宅をリノベーションする人が増えているようです。仕事・暮らし・家族・生き方を考えたとき、都心のマンションではなく、郊外の一軒家を選ぶ理由はどこにあるのでしょうか。
今回は、都心から少し離れた場所で、心地よく豊かな暮らしが垣間見える戸建てリノベの事例を、リノベりす編集部が調査。効率のよさや新しさとはまたひと味違った魅力がありそうです。
家の魅力が増す、風景と調和した魅力的なアプローチをつくる
誰かの家を思い出すとき、はじめに思い浮かぶのはその家のアプローチではないでしょうか。道路から玄関までの道のり。外でありながら、あくまでもその家のプライベートなスペースで、季節の花々が植えられていたり、立派な植栽があったりと、そこには住人のさまざまな価値観が表れています。
人は日々、アプローチを通って家に入ったり出たりします。充実したアプローチは暮らしの潤いなのかもしれません。
緑豊かな平屋の戸建てリノベーション。奥行きのあるアプローチは四季折々の植栽に覆われて、陽だまりへ導かれているような感覚になります。夫が造園業を営んでいることもあり、作り込みすぎず、気取らない自然の良さを感じることのできるアプローチです。
“トトロ”が住んでいそうな風情ある佇まいの戸建てをリノベーションしたMさん夫妻。しばしば庭に野鳥が舞い降りたり、すぐ横の小川からサワガニが遊びに来ることもあるそう。玄関への階段は既存を活かし、趣きを残して。植栽も受け継ぎながら、これからは庭全体をビオトープのようにしたいのだとか。
都内のマンションに暮らすSさん夫妻は、郊外の自然豊かな場所にも住まいを持って二拠点生活を送りたいと考えていました。そして見つけたのが隣接する森につながるような庭のある3階建ての戸建て住宅。傾斜地に建っているため2.5階に玄関のある珍しいつくりです。駐車場から玄関まではシンプルながらも立派なシンボルツリーがお出迎え。階下からのびのびと育つ植物も楽しむことができます。玄関にガラスを多用することでアプローチの豊かな緑を室内へ取り込みました。
日本家屋ならではの味わいを楽しむ
引き戸や欄間(らんま)などの建具は、その建物が建てられた時代をあらわす貴重なもの。古い木造住宅には、今ではもう手に入らない希少な建具や部材が残っていることも。それらをあえて活かし日本家屋の趣きを残しつつ、リノベーションで暮らしやすさを向上。都会の喧騒から離れ、心安らぐ暮らしを味わえるのは何よりの贅沢なのかもしれません。
長年暮らした東京から神奈川・湘南への移住を決めた夫妻。もともと伝統的な日本家屋の雰囲気に魅力を感じていたので、リノベーションを前提に築40年の一戸建てを購入。古きよき日本が味わえる古民家の宿をイメージしながら、今の暮らしに合わせて再生させました。玄関には夫妻が見つけてきた蔵のようなドアを設置。広い土間を設けて風情あるスペースに。
障子戸からの日差しがやさしい、ゆったりした平屋。以前の住み手が増築した茶室の趣きを活かして、「古民家風の住まい」をめざしたプランニングとなりました。暮らしの中心となるLDKを元茶室に配置。立派な梁、既存のまま使用した聚楽壁(伝統的な土壁)が風情ある日本家屋を際立たせ、わびさびを静かに彩ります。庭に面した縁側も家族の憩いの場所。
戸建てリノベの贅沢。吹き抜け
たっぷりの自然光、窓から見える空。気持ちまで伸びやかになる開放的な吹き抜けは戸建てリノベならではの魅力の一つ。都心と違い、隣家との距離がある程度確保できる郊外では、外に向けても抜け感のある家をつくることができます。外の気持ちよさをそのまま家の中に取り込める贅沢。自然と調和した心地よい暮らしを体感できそうです。
家の中心に螺旋階段とシンボルツリーのある家。個室が多く生活を分断していた間取りをフルスケルトンにして、平面的にも空間的にも広がりのある住まいに再構築しました。普段は仕事などで忙しい家族がコミュニケーションを取りやすくなるよう、1階にできるだけ壁は設けず、コモンスペースとして大きなリビングを配置。その周りにダイニングキッチンや書斎を設け自由に回遊できるレイアウトに。窓辺には屋外と室内の中間のようなスペースをつくり、日差しの変化や季節の移ろいを身近に感じられるようになっています。
三浦郡葉山町(神奈川県)。週末をのんびりと暮らせる家を探していた夫妻が偶然見つけたのはLDKが吹き抜けになっているこの家でした。使いやすそうな間取りは変更せず、その分内装にこだわりを。「海」をテーマに白と青で構成し、爽やかなインテリアで統一しています。天窓から差し込む柔らかな光と吹き抜けによる高い天井がなんとも気持ちよさそう。バルコニーにつながる大きな窓からの眺望は絶景です。
庭を暮らしの一部に。外と内をつなげる
窓をどう設け、外とどのようにつなげるかは戸建てリノベならではの工夫。子どもたちが思い切り走り回ったり、時には食事をしたり。庭を住空間の一部として利用すると暮らしの質も高まりそうです。室内では味わえない心地よさ。都心にはない、新しい暮らしの風景を作り出してくれます。
リビングから庭へ、庭からルーフテラスへ。高低差をいかし室内と外をつなげました。ウッドデッキのルーフテラスの下は駐車場になっており、縦の空間を有効活用。さらに玄関とは別にフレキシブルに使えるガレージを1階部分に用意し、暮らしの自由度をグッと高めています。
子どもも成長し、そろそろマイホームをと考えていたKさん夫妻。なかなか希望通りの物件に出会えずにいたところ、妻の実家へ帰ってこないかという話が持ち上がり、完全に独立した二世帯住宅の一つを譲りうけることに。祖母が暮らす家との間にはまるで公園のような庭が。立派なシンボルツリーが豊かに枝を広げます。新しくリビングとつながるウッドデッキを設置し、家族みんなの憩いの場所となりました。
「心地よさ」の定義は人それぞれですが、自然とのつながり、暮らしの自由度、そして開放感がキーワードになっているように感じました。もし家を持つとしたら、どんな家に暮らしたいですか?都会の便利さ手軽さ、そして田舎ののどかさ。その合間にある少し郊外での暮らしは、これからの「心地よさ」にちょうどいいのかもしれません。
次回はもう少し現実的に、戸建てリノベの費用感についてお届けしたいと思います。
戸建ての特集は、以下の記事でもご覧いただけます。
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