25/03/26 10:00 投稿
コンパクトマンションの最新事情Q&A【不動産のプロに聞きました!】
リノベーション・ゼミナール
シングルや少人数での暮らしを想定してつくられたコンパクトマンション。専有面積がおおよそ30~50㎡くらいで、1LDKや2LDKなど、ワンルームマンションと比べて暮らしやすい間取りであることが特徴です。そんなコンパクトマンションを購入するにあたって注意すべきポイントなどを、らくだ不動産の山本直彌さんに伺いました。
「リライフプラス vol.53」掲載
text:mamiko tonoki
教えてくれた人
らくだ不動産 副社長執行役員 山本直彌さん
Q1 コンパクトマンションって人気ですか?
都心のマンションは、ここ十数年ずっと高騰し続けています。つまり、ずっと人気です。
単身世帯の増加や核家族化など要因はいろいろと考えられますが、コロナ禍以降オフィスへの出社が増え、また職住近接のトレンドが戻ってきたことで、都心部を中心にコンパクトマンションの人気はしばらく続きそうです。
Q2 コンパクトマンションのメリットは?
専有面積が狭い分、総額を抑えて購入できるため、立地を優先しやすいことが最大のメリット。価格下落リスクのある立地を避けることができます。
好立地にマンションを持つと、ニーズが高いため貸したり売ったりする場合の恩恵が受けやすいのがポイント。特に千代田・港・中央の都心3区は最も資産価値が下がりにくいエリアです。
Q3 コンパクトマンションのデメリットは?
最近聞くようになったのは、プライバシーの確保が難しいという声。例えば、DINKSでふたりとも在宅ワークをする場合など「お互いの声が気になって使いづらい」という話もよく聞きます。専有面積が狭く部屋数が少ないので、在宅ワークのための環境がつくりづらい、というのはデメリットとして挙げられる点です。
Q4 管理費と修繕積立金が割高になりやすいって本当?
管理費と修繕積立金が高くなりがちというのは本当です。コンパクトマンションは総戸数が少ないケースが多く、専有面積1㎡あたりの管理費と修繕積立金の単価は割高になる傾向があります。同じ理由で、マンションに付帯しているサービスや共用施設が少ない場合も。ランニングコストについては事前にしっかり調べておきましょう。
Q5 30㎡以下だと住宅ローンが組みにくいって本当?
30㎡以下などコンパクトマンションの中でもよりコンパクトな物件は、ワンルーム投資だと思われてローン審査の段階で厳しくチェックされる、ということはあるようです。住宅ローンは、契約者本人が自分で居住する家を買うことを条件に組むことができるローンですから、もしも誰かに貸していることが発覚したら一括返済することになるので注意が必要です。
Q6 築年数が古いコンパクトマンションの注意点は?
築年数が古いマンションでは、マンション全体の修繕積立金残高が足りずに必要な修繕が行えないケースがあるので注意が必要です。その場合には、大規模修繕などのタイミングで、資金不足のために一時金としてまとまった金額を徴収することもあります。
また、リノベ前提の場合には柱や梁の位置、耐力壁の有無による工事上の制限や、管理規約・使用細則による制限がないかを確認する必要があります。
Q7 コンパクトすぎると住宅ローン控除の対象にならないって本当?
数年前の税制改正で、住宅ローン控除を受けられる床面積の要件が40㎡以上に緩和されました。ただし、これは新築住宅に限るので要注意。中古マンションを購入する場合はこれまでと同じく50㎡以上が要件です。ちなみに、控除を受ける際は専有面積(壁芯=壁の中心線を基準にした面積)ではなく、登記簿上の面積(内法=壁の内側の寸法)が適用されるので、しっかり登記簿を確認してください。
Q8 マイソクに書かれていないけど注意したほうがいいことは?
物件の詳細な情報が網羅されているマイソク(物件概要、間取り図、契約情報などが入った不動産チラシ)ですが、写真は外観ぐらいしか載っていないことが多いので、周辺の環境確認は必須。
特にコンパクトマンションは、建物同士が近い位置で建てられていることも多く、眺望に関する影響を受けやすいため、現地でしっかりと隣地との距離などを確認しておきたいところです。
Q9 コンパクトマンションってシニアにも向いてる?
コンパクトマンションに住むのに向いている人は、単身者やDINKS世帯などで都市部へ通勤する人、また売りやすく貸しやすいという流動性の高さから、転勤族の方にも向いています。あとは意外にシニア世帯にもおすすめ。都市部にあることが多いコンパクトマンションは、商業施設や病院などが近くにあって利便性が高いからです。
Q10 逆にコンパクトマンションが向いてない人って?
デメリットのところでも少しお話ししましたが、単身世帯以外で在宅ワークが多い人は、狭さにストレスを感じることもあるようです。また、将来子どもを産んだり、高齢の親の介護が必要になりそうな人も、購入はよく考えて。働き方や将来の予定など、自分のライフスタイルをよく見極めて判断するようにしましょう。
Q11 どんなエリアがおすすめ?
エリアに関係なく絶対に外さないでほしい条件は「駅10分以内」です。駅近かそうでないかは、流動性に大きく影響してきます。
また、価格が高すぎてハードルの高い超都心部よりも、ほどよい都心部といえるようなエリアがおすすめ。具体的には練馬、板橋、両国や浅草橋など、オフィス街までドア・ツー・ドアで30分以内で通えるような立地です。
Q12 最近のコンパクトマンションのトレンドを教えて
最近特に増えてきているのが、インバウンドニーズです。日本の不動産は価格が高騰しているとはいっても、世界と比べるとまだ割安。そのうえ円安なので、海外の人にとっては、日本の不動産はとても魅力的なのです。
その一方で、言語や文化の違いによるトラブル事例も耳にするようになっています。
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