22/03/23 10:00 投稿
人気の「ロフト」&「小上がり」 マンションリノベへの上手な取り入れ方とは?
リノベーション・ゼミナール
最近マンションリノベで、ロフトや小上がりの人気が高まっています。ロフトや小上がりを設けた際のメリットとデメリットをはじめ、費用の目安、上手な取り入れ方をリノベーション会社・エキップ代表の伊達さんにお伺いしました。
「リライフプラス vol.42」掲載
text: Maki Okada
エキップ一級建築士事務所代表 伊達 宏晶さん
Q1 サイズの目安(間口、奥行き、高さ)はどのくらいがベスト?
用途や目的によって最適なサイズは変わってきます。例えば小上がりの面積は約2~3畳分くらいが一般的。高さは40cm程度あれば床下部分に収納をつくれます。またお子さん専用の遊び場を想定した場合、小上がりの高さは20cmくらいがベスト。収納用の引き出しをつくるには低すぎますが、万一お子さんが落ちた際も安心です。
一方、ロフトの造作では、天井高の確保が最優先課題。一般的なマンションの天井高は、約2400~2500mmですが、「天井部分を抜く」「最上階の物件を選ぶ」などで対策も可能です。
Q2 将来(子どもの成長などにより)ライフスタイルが変化した場合どうすればいいの?
ロフト(小上がり)をつくったものの「子どもが成長するにつれてまったく使わなくなってしまった…」というのは、よくあるケースです。
その場合は思い切って用途自体を変更してしまいましょう。収納や、趣味や読書用のスペースにするなど、あらかじめ別の用途も想定しておくといいでしょう。
あるいは、リノベの時点で将来を見据えた可変性を盛り込んでおくのもGOOD。例えば小上がりは固定型でなく、置き型にすることで移動や撤去がラクにできます。
Q3 マンションリノベで「ロフト」「小上がり」を設けるメリットは?またデメリットはある?
自然なゾーニングが可能となるため、たとえ広い空間でも間延びしたり単調になるのを避けることができます。特に小さなお子さんはロフトや小上がりのような、目線に変化が生まれる段差付きの空間が大好き。また、家の中に居場所がひとつ増えることで、暮らしを豊かにしてくれる利点もあります。
もうひとつのメリットは収納。ロフトの下部や小上がりの床下は大容量の収納にはうってつけの場所。マンションの場合、収納スペースが確保しにくいのが悩みですが、見た目もスッキリと解決してくれるのは大きなメリットといえます。
難点を挙げるとすればコスト。ロフトや小上がりの造作コストは、リノベ費用にあらかじめ若干分プラスしておく必要があります。また、家族の将来のライフスタイルの変化による用途の変更については、リノベ前にきちんと計画を描いてからプランニングに取り掛かることで、リスクを格段に減らせます。
Q4 使い勝手、動線、見た目などオススメの配置はどこ?またリノベの際の最適な間取りは?
用途や目的にもよりますが、基本的にはリビング(LDK)に隣接した間取りに配置するのがよいでしょう。もしも小さなお子さんがいれば、大人の目が届きやすいので安心です。さらに小上がりを配置する場合はLDKの脇につくることで、来客時に第2のリビングとしても活用することができます。
LDKのすぐ横以外でおすすめの配置を挙げると寝室があります。小上がりを造作してベッドスペースとし、下部を収納に使うといった事例もこれまでにありました。
■EQUIP'S Renovation Works
ロフトや小上がりを上手に取り入れた、リノベのケーススタディ集
眺望がよく、心地いい風と日の光が差し込む開放的な住まい。
家族の気配が感じられるようにと、間仕切りを取り払ってワンルームに変更。かつて和室があった場所は、小上がりの畳スペースにしました。リビングとのつながりを意識しながら、ほどよく仕切られた内部はこもり感を演出。窓際スペースにつくった土間からは、リビングダイニング奥の窓までが見通せ、明るさと広さをいっそう感じることができます。
子どもたちが室内で元気に遊べるよう、リビングスペースを広めに確保。リビングダイニングの一部には、小上がりの遊び場兼学習スペースを設けました。キッチンの位置を変更し、間仕切り壁も撤去したことで、料理をしながらでもお子さんが遊んでいる様子が分かります。
小上がりには、本を読んだりお絵描きしたりするためのカウンターテーブルも。白と木を基調とした空間に映える鮮やかな青色のカーペットは、おもちゃを広
げる範囲をお子さんたちに視覚的に示す役割も担っています。
▼実際のリノベーション事例をみる
小上がりのキッズスペースが愛らしい!子どもがのびのび遊べる家
case03
Y邸
東京都港区
専有面積:100.00㎡
家族構成:夫婦+子ども4人
ご夫婦とお子さん4人の大家族の住まい。
ツリーハウスのような床から浮いた吊りベッドが特徴的です。将来、子どもの個室として使う予定の一角を、リビングと一体で使えるキッズスペースにしました。可動式のドアで仕切ることで半個室、個室と必要に応じて使い分けることもできます。子どもたちの遊び場の面積を増やすために、キッズスペースの隅には、はしごで上れる吊りベッドを設けました。リビングのハンモックや吊りベッドからは高層階ならではの景色を眺めることができます。
▼実際のリノベーション事例をみる
可変性のあるミニマルな子ども部屋。家族が自然にコミュニケーションできる住まいにリノベーション
■空調や床暖房の導入は?
ロフト(特にマンション最上階の場合)の上段部分は季節によって寒暖差が大きくなりがちです。やむなくエアコンを設置する際は風の流れに気を付けましょう。
また小上がりの場合は、床暖房のレイアウトをしっかり計画することも忘れずに!
■造作の費用はどのくらい?
使用する素材にもよりますが、小上がりの場合、約2~3畳(収納付き)で30万~50万円くらいが目安となります。
一方ロフトは、上段部分の耐荷重が課題となり、安全性のために十分な補強が必要です。仕様により異なりますが約100万円前後の上乗せになります。
■収納部のつくり方は?
小上がりの収納は手前を引き出しにする方式が主流。また、床板(畳)を脱着式にすることで、かさばる寝具や冬物の衣料、季節家電などの大きなものも楽々収納できます。
出し入れの回数が少ないものを収めるなど、大容積を最大限に生かすのがコツです。
■用途は絞ったほうがいい?
読書専用の場所としてロフトや小上がりをつくるのもひとつの手。ある目的のために居心地のいいスペースをつくることは、習慣化につながったり、暮らしに変化を持たせるためにも大変有効です。
また活用シーンを特定すれば必要なサイズ感も見えてきます。
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