「光庭」で家と路地と地域を結ぶ。古い木造アパートを戸建て住宅に甦らせたフルリノベーション
(株)KITI (設計・施工)
光と風を取り入れるための光庭。土間と小上がりを広くとり、子どもたちが遊んだりゲストを迎えたりするスペースに。透明ガラスの引き戸によって、どこにいても家族の気配が伝わります。
DATA
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旗竿地でもLDKをあえて1階にレイアウト
四方を建物に囲まれた築年数不明の古い木造アパート。家主は斜め向かいで飲食店を営んでいて、娘夫婦に譲り渡すことを前提に、フルリノベーションして戸建て住宅することを決めました。
新たな住まい手となる娘夫婦の希望は、「家族や友人が集まる明るい家」そして「離れていても家族の気配が感じられる家」。旗竿地のため1階より2階の方が日当たりが良いことは分かっていましたが、1階にLDKをつくることもリクエストしました。
「現地調査の際、飲食店の脇の路地で子どもたちが遊んでいるのをご家族が見守っていました。地域に溶け込みながら自然とコミュニケーションをしていて、近年ではあまり見られない風景に強く惹かれました」とリノベーションを担当した(株)KITI。そこで、新しい住まいと家主の飲食店をつなぐ路地の豊かさを住宅内に引き込み、路地や地域と一体感のある住まいを提案しました。
光と風の道をつくり、住みやすい家に
1階は、前面道路から続くアプローチ、そこからつながる玄関土間、そしてトップライトを設けた光庭を配置。リビングやダイニングキッチンを光庭に面するように配し、自然の光がたっぷり入る家族団らんの場をつくりました。浴室やトイレなどの水まわりは北側に集約。合理的でメリハリのある間取りで、くらしの質をぐっと高めています。2階は、主寝室と将来2部屋に分割できるワンルームの子ども部屋に。1階には透明なガラス戸、2階にはツインカーボ(ポリカーボネート樹脂製の複層板)の内窓を設置することで、離れていても家族の気配を感じられるようにしました。
建物の再生にあたっては、構造体の確認と補強を実施。腐食した柱を新しい構造体に入れ替えて傾きの補正を行い、現代の住宅性能まで引き上げました。また、以前のアパートの記憶を継承する意図から、一部の柱や軸組をあえて残すことに。それらは2階の空間をつなぐブリッジに活かされ、新しい家族に受け継がれています。
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写真:貝出翔太郎
ビフォー・アフター
MATERIAL
床:リノリウム(田島ルーフィング/光庭)、フローリング(andwood/LDK、個室)
壁:EP塗装、クロス(サンゲツ)
天井:EP塗装、クロス(サンゲツ)
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リノベりす編集部コメント
四方に建物があるとは思えないほど、家の中は明るく開放的です。住まいの真ん中にある光庭とガラス戸が自然光を呼び込み、変化に富んだ空間構成になっています。間仕切りがガラスなので、家族が自然に顔を合わせ、さりげなくコミュニケーションできそうですね。