21/11/04 18:00 投稿
工期110日!老朽化の進んだ木造戸建て住宅がリノベで蘇る《リノベーションのビフォー&アフター vol.9》
リノベのトレンド
リノベーションのビフォー&アフターvol.9となる今回は、築70年を超える戸建てリノベーションを取り上げます。長く放置されていたため、屋根はさびて、雨漏りにより床の腐敗も進んでいました。住める状態に戻すだけでなく、より快適で安心な住まいへと再生するため、土台から作り直すことに。110日に及ぶ工期を経て、見た目も躯体も新築同様の頑健な住まいへ生まれ変わりました。
愛着のある実家を住み継ぐため、基礎から再生
東京都文京区に建つ、Tさんの実家。両親が他界してからしばらく誰も住んでおらず、老朽化が進んでいましたが、Tさんは思い入れのあるこの場所を終の棲家にしたいと建て替えを検討していました。しかし、建て替えの場合、法律の関係で家のサイズを小さくしなくてはならないことがわかり、柱と基礎部分を残しリノベーションをすることに。
実際に解体してみると、基礎が無く、石の上に柱がのっているような状態。そこで、基礎の無い部分には新たに基礎を追加し、耐震性に優れたベタ基礎(基礎の立ち上がりだけでなく、底板一面にコンクリートを流し込む工法)に。木材の腐食やシロアリ被害にも強くなりました。
より強い住まいにするため、梁や柱を追加。さらに、すべての壁・天井・床には断熱材を入れ、機能性を高めています。
店舗兼事務所だった1階をゆったり1LDKに
以前は店舗と事務所があり、キッチンやシャワー室などの水まわりがコンパクトにまとめられていた1階は、Tさん夫妻の住まいとして刷新。来客が多いというTさん夫妻のライフスタイルに合わせ、料理をしながら会話を楽しめるダイニングカウンターをつくり付けた明るいLDKと、大容量のクローゼットがある寝室の1LDKに。店舗の入り口だった開口はふさぎましたが、新しく窓を設置したので採光と通風はそのまま。おもてなしにぴったりな心地よい空間となりました。
家の顔となる玄関は、位置を変えず新たに玄関収納を追加。ドアのデザインも洗練されたものを選びモダンな雰囲気で来客をお迎えします。
4つの個室があった2階は、2つの賃貸住宅へ
雨漏りで床が腐敗していた2階の床は、新しく作り直して賃貸用の2住戸へ。1階の一部を取り壊して、外階段と自転車置き場、玄関ポーチも用意しました。主に学生に貸し出すことを想定して、内装はシンプルでナチュラルに。白を基調にさわやかに仕上げています。
間取りはダイニングキッチンと寝室がゆるく仕切られたワンルームですが、オーナーであるTさんのこだわりでキッチンはよくあるミニキッチンではなく、きちんと自炊ができるサイズを用意。バスとトイレは別で設置し、暮らしの中で窮屈さを感じないよう配慮されています。また、プライバシーや安全性を高めるため、窓の位置や大きさを変更。快適な生活が送れる住まいとなりました。
築古のイメージを一新!新築同様の外観に
ダメージも多く築古の印象が拭えなかった外観は、性能をUPさせつつモダンな雰囲気に修繕。雨漏りがひどかった屋根には、アスファルトルーフィング(屋根用下地)を敷きしっかりと防水対策をしたのち、耐震性や耐久性に優れ、屋根材として人気の高いガルバリウム鋼板拭きで仕上げています。
家の印象を決める外壁材は、軽量で遮音性・耐久性の高いニチハのセンターサイディングを採用することに。こちらも下地として透湿防水シートを取り入れています。色はショールームのシミュレーションで組み合わせ、Tさんの好みに合うものに決定しました。
「長持ちしてメンテナンスができるだけかからないもの」と「明るく見えて、それでいておしゃれに見えるように」が希望だったTさんの理想どおり、モノトーンが目を引く、素敵な外観となりました。
この事例の室内の様子・詳細は、以下よりご覧いただけます。
専任のアドバイザーに相談してみよう
あなたに最適なリノベ会社を無料でご紹介いたします。
リノベりす編集部コメント
建てられてから70年以上が過ぎており、設計図もなかった状態から、耐震補強・断熱工事を経て、見事に賃貸併用住宅へ生まれ変わっています。現在はTさん夫妻が暮らす家ですが、将来的には長男とも同居できるように、室内階段を設置できる余白もしっかりと確保され、ライフステージの変化にも対応できるように考えられているそう。
築年数の古い戸建てリノベは、難しい問題も多く、実績が豊富なリノベ会社に依頼することがとても大事。住んでからの保証も含め、しっかりと依頼先の会社を検討すると満足の高いリノベーションができると思います。