14/09/14 15:14 投稿
4時限目:ありがちな失敗やトラブルから学ぶ! 【中古マンション購入のオキテ(4)】
リノベーション・ゼミナール
中古マンションは、建物も管理状態も千差万別。新しければいいとも、古ければ難ありともいえない。物差しがないだけに、買う人の判断が問われる。現場に精通する専門家のアドバイス、第4弾。(text utako hagiwara illustration aki yamashita)
トラブルの多い駐車場。収入の運用方法を確かめる
マンションの駐車場は、マンション所有者全体の共有財産。駐車料金は管理組合の収入となり、駐車場の維持管理に充てられるのが本来のあり方だ。しかし、古いマンションの中には、駐車料金が管理費に回されていたり、駐車場だけマンションの所有者以外に分譲されてしまっていたりする例があるという。「敷地はマンションのものなのに、使用料金が組合に入らないのはそもそもおかしいし、のちのちトラブルの原因になってしまう可能性が高い。こういうマンションには、あえて手を出さないほうがいいでしょう」と長嶋さん。
法定点検の実施状況を管理会社に聞いてみる
「マンション管理組合の意識を知るためには法定点検の実施状況を確かめるのも手」と石井さん。「管理会社に聞けば分かります。エレベーターや浄化槽の点検をしていないところはほとんどありませんが、消防設備の点検を行っていないところが案外多い。つまり費用を惜しんでいるということで、管理の実態がうかがわれます」
修繕積立金が多くても喜ばない 借り入れがあっても慌てない
「中古マンション購入時のチェックポイントに挙げられることが多い「修繕積立金」。売買契約前に行われる「重要事項説明」で金額が示されるが、その金額が多いのか少ないのかは「判断のしようがありません」と長嶋さん。なぜなら「以後の大規模修繕にいくらかかるかは分からないからです」。石井さんも同様の意見。「問題は、それまでの修繕の履歴と今後の計画。管理組合がちゃんと運営していることが大事です。たとえ1億円あっても、維持管理が悪ければ足りないこともある。逆に工事直後なら、借り入れがあっても当然です」。
築30年以上のマンションは建て替え可能性も要チェック
古いマンションの場合、これから建て替えが検討される可能性もある。大金をかけてリノベーションしたあとに、取り壊されてはたまらない。「建て替えは、老朽度より経済性で決まります」と石井さん。「たとえば、今より大きな建物がつくれるかどうかということ。狙ったマンションが周囲の建物より低層だったりしたら要注意です」。
>>ありがちな失敗やトラブルから学ぶ! 【中古マンション購入のオキテ(5) 】に続く
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