自宅リノベならではの問題 ・ピンチの解決策を教えて!

リノベーション・ゼミナール

リノベーション会社のスタッフとして、何十軒ものお宅の設計、コーディネートを担当し、自宅リノベも完成させた岡野さん。いわば、リノベのプロ中のプロ!リノベーションの前に立ちはだかる問題や困りごとの解決策を聞きました。

岡野真弥さん(EcoDeco)
1978 年生まれ。大学卒業後、インテリアショップに勤務し特注家具・インテリアデザインなどを担当。2013 年EcoDeco を運営するStyle&Deco に入社。物件探しから設計までワンストップサービスのすべてを担当

「リライフプラス vol.36」掲載

photo:yamada koji text:akiko takahashi

EcoDeco(エコデコ)

長く住み続けたときにこそ心地よさを感じる提案を

中心価格帯
1,000 ~ 1,400万円

対応エリア
埼玉県 / 千葉県 / 東京都 / 神奈川県 / 福岡県

Q:自宅(持ち家)リノベ。暮らせないわけでは ないから先延ばしにしてしまうんです。

A:「なぜリノベがしたいか」を明確にすることが大事です。

分かります。自宅リノベって「新居を買う&リノベする」よりもハードルが高いと思うんですよ。腰が重くなってしまうというか。お金をそれなりにかけて、今の生活をいったんリセットするわけですから、モチベーションが必要! 「そのうちやろう」では絶対に実現しないものですから、「なぜリノベがしたいのか」これを問いかけ続け、家族で共有しておくことが大事だと思います。

Q:自宅(持ち家)をリノベーションするとき、 金利の高いリフォームローンしか 利用できないんですか?

A:リノベーションのみでも住宅ローンとして借り入れできます。

不動産購入とリノベを併せて行う場合は、リノベ費用込みで住宅ローンを組む方が多いですが、リノベのみでも住宅ローンとして借り入れできます。わが家の場合は、住宅ローンの借り換えを行い、そのタイミングでリノベ費用も住宅ローンとして新たに組み込みました。ただし、借り入れ期間を延長することはできません。最初に借り入れしたときから35年が最長になるのでご注意を。

Q:「仮住まい」が自宅(持ち家)リノベの最大の難関と聞きましたが...。

A:こればっかりは運もあります。早めに動き出しておくと◎!

これが、わが家のリノベでもいちばんハラハラしました。「経験者は語る」です(笑)。自宅リノベの場合、工事期間中はどこかに仮住まいしなくてはなりません。工事期間は、2〜3か月。短期限定で貸し出してくれる物件...思ったよりないんですよ。子どもがいるので学区内で、となるとさらにない。そういうものだということを頭に入れておいて、早めに動き出すのが吉です。

Q:設計段階で家族の意見がバラバラ...。どうしたらいい?

A:サンプルや図面などでイメージを固めて、「寝かす」のも大事!

家族の意見を合わせるのは大変です。わが家の場合は、私が設計者、妻が施主というような立ち位置で進めたのでわりとスムーズでしたが、やはり具体的な「たたき台」があるかないかは大きいです。間取りで悩んでいるなら、 図面。パーツで迷っているならサンプル。何回も眺めて、触って、話して、それでもまとまらないなら一度「寝かす」。時間が経つと意見が変わったりすることもあるので、「寝かす」はおすすめです。

Q: 個室は欲しいけど、空間が狭くなるのはイヤ。何かいい手は?

A:「室内窓」がおすすめです。

私の家も、リビングと寝室を隔てる壁に室内窓を設けました。廊下に面した壁の一部にも室内窓を設けて、L字型の窓にすることで、広がりを確保しました。寝室はプライベート空間ですから、壁で仕切ってしまうことが多いですが、窓にしておけば昼間は光や風を取り込むことができます。将来、介護が必要になったときも、介護者がベッドの様子を見ることができる。そんなことまで考えて、室内窓を設けました。

Q: 床暖房を入れるうえで注意すべきことを教えてください!

A:床材が限られている、ラグが敷けないなど制約があります。

床暖房、暖かくていいですよね。ただ、「床暖」を採用すると、フローリングは「床暖対応品」から選ばなければなりません。放熱されなくなる のでカーペットやラグは敷けません。また、床暖房の種類(熱源の選択肢)によって、導入時のコスト、ランニングコストも大きく異なります。 わが家では結局、「床暖よりもまずは二重サッシにしたほうがいいのでは?」という意見に傾き、床暖は不採用となりました。

Q:配管の関係で水回りに段差ができてしまいます。やめたほうがいいでしょうか。

A:段差ばかりに気を取られないで。快適な空間や動線を優先する方法もあると思います。

水回りエリアには、床下スペースが必要です。マンションでは、廊下から洗面に入るところで段差があるなど、二重床仕様になっているところが多いので、リノベの際の床検討も大きな課題です。バリアフリーの観点から、「段差」はないほうがベストだと思います。ただ、段差を設けることで、希望のレイアウトや快適な動線が生み出されることもあります。柔軟に検討しましょう。

Q:わが家は中古のリフォーム済み物件。解体したら、前の家の壁が出てきました!よくあることなの?

A:よくあることなので要注意。破棄してもらいましょう。

リフォーム済み中古物件を購入し、それをリノベする場合、解体時に過 去のリフォーム履歴が明らかになることがあります。リフォーム業者が 費用を抑えるために見えないところはそのままで…というのは容易に想像できますよね。壁を取り払わずに、新しい壁を立てて仕上げてあった場合、予定よりも部屋を少し広く確保することもできるかもしれません。ただ、撤去費がかさむ原因になるので要注意です。

Q:リノベーションで大嫌いな虫「G」の出ない家にする方法ってありますか?

A:侵入経路をふさいでもらうといいでしょう。

集合住宅でも戸建てでも工事中に、エアコンのドレンホース、給気口やインフラ配管の穴のスキマをふさいでもらうことですね。エアコンパテを使ってDIY でふさいでもいいかもしれません。侵入経路をふさいでおけば、室内に入ってくることも少なくなるでしょう。とはいえ、出現を完全に防ぐ方法はありません。どうしてもイヤだったら、寒い地方…北海道まで逃げるしかないかもしれません(笑)。

Q:家具の位置を決めるのって難しい。

A:家具は動かせます。暮らしながらベストな位置を模索してもいいでしょう。

ライフスタイルに基づいた快適な住環境をデザインするのは設計者の仕事ですが、家具の配置については暮らす人の思考が大切です。どんな家具を置くのか、週末の過ごし方、平日の夜の過ごし方など、できるだけ具体的に生活をイメージすると、家具の位置が決まってくることが多いです。とはいえ、暮らし始めてから、いちばん収まりのいい場所が見つかることもあります。

岡野さん宅の事例の詳細は、以下の記事よりご覧いただけます。

リノベのプロの自邸公開!「暮らし」をトコトン追求した快適な間取りの家

 
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