20/09/27 10:00 投稿
人気リノベーション会社&建築家に聞きました!満足度の高い減額アイデア
リノベーション・ゼミナール
「減額」をネガティブに捉えず、知見を生かしてどう乗り越えるかがプロたちの腕のみせどころ。役立つアイデアがいっぱいです。
「リライフプラス Vol.37」掲載
text atsuko tanaka
空間社
A1 ・既存の扉を塗装して再利用
ドアは既存を塗装すれば減額でき、さらにDIYなら材料費だけで済みます。写真のお宅は3室分をDIYで塗装。家づくりに参加する楽しさも感じていただけたようです。
A1 ・IKEAのキッチンを活用
キッチンは扉や天板を造作し、キャビネットはIKEA製を使ってコストダウン。オーダーキッチンに比べ、約50万円ほど減額できる場合も。IKEAは引き出し収納などの機能性も高いです。
A2
「〇円に収めるにはどうしたらいい?」という質問が多いです。減額案を仕様のパターン別に複数出してほしいというリクエストも。
A3
職人さんの人工手間(手間賃)を下げてまで無理やりコストダウンしないのがポリシー。施工にかかる費用を下げると、品質が下がるなどしてクレームが起こりがちだからです。
「小さいからやれること」を大切に、てまひまかけた家づくり
リボーンキューブ
A1 ・建具の代わりにブラインドを活用
建具をブラインドに変更すれば、建具の枚数が減ってそのぶんコストを抑えられます。収納部に用いると通気性も確保でき、羽根の角度を調整すれば中身を見渡しやすいというメリットも。
A1 ・洗面台をシンプルな既製品に
コストが厳しいときは洗面台を造作ではなく、既製品にすることも。サンワカンパニーさんのものを採用することが多いです。カスタマイズOKなので、個性も出しやすい。
A2
「予算内でどの程度の変更が可能か」はよく聞かれます。ヒアリングして、可能な範囲を包み隠さずお伝えします。安請け合いし、あとで齟齬が生じないように配慮しています。
A3
弊社のクオリティならこのくらいはかかります、と包み隠さずお伝えするようにしています。ただその金額をご用意できない場合もあるので、予算内で最大限の提案ができるように心掛けます。
デザインライフ設計室
A1 ・ユニットバス+造作扉でオリジナル感を
浴室は可能であれば造作できると印象が良いのですが、予算の都合でユニットバスを選ぶ場合、ユニットバスの扉の手前に造作扉をプラスすると部屋の雰囲気に馴染んで印象が良くなります。
A1 ・戸袋のように見える引き戸で造作を減らす
障子を壁の中に引き込む場合は戸袋や壁が必要になりますが、戸袋をつくらなくても、障子の手前に木製引き戸を設けることで戸袋代わりに。造作工事が減ってコストが下げられました。
A1 ・既存の梁を間接照明として生かす
間接照明の計画時、光源を囲うボックスを造作しなくて済むよう、既存の梁をそのまま利用。なるべく既存の壁や天井、梁を生かす形でプランニングするとコストを抑えられます。
A2
「漆喰は費用がかかるか」「無垢材のフローリングは高くつくか」「キッチンを造作するとどの程度かかるのか」など使いたいと考えている材料や仕様についての金額に関する質問が多いです。さらに漆喰や無垢材を使いたいので減額のポイントを教えてほしいというリクエストも。みなさんの素材や設備への熱い思いが伝わってきます。
A3
要望にはできるだけ応えたいので、なるべく設計に盛り込んでいきます。ただ見積もりを取るとたいてい予算オーバー。そこからご自身にとって本当に実現したいことを考えていただきます。大切なのは、優先順位をつけてバランスを取りながら行うこと。妥協にならないようにアドバイスしつつ、最善のゴールを目指します。
和の要素を取り込んだモダンで静謐なリノベーション
古谷野工務店
A1 ・建具を減らす
予算に余裕がある場合を除き、建具なしでも破綻しないプランやデザインを意識します。着工時は建具なしで、将来必要になった際、設置できるディテールにしておくのが正解。
A1 ・既存の建具や建材を残す
リノベ後でも家全体が落ち着いた雰囲気になるよう古い要素を残し、結果的に減額できるケースも。写真のお宅は、建具、天井、照明は既存を再塗装。土間タイルも既存を残しました。
A2
お客さまが想定されている予算で、無垢材のフローリングやオーダーの建具・家具を採用してのフルリノベが可能かどうかという質問をよく受けます。一方、最初の個別相談でざっくりとした費用感を聞かれることも。ケースバイケースなのですが、フルリノベの際は1m2あたり15~20万円程度、とお伝えしています。
A3
トラブルを避けるため、安請け合いしないのがモットー。マンションのフルリノベだとファミリータイプで1000万円程度は必要。800万円程度でフルリノベという方には、最初の段階で難しいとお伝えするようにしています。予算を見直す、既存を残す、他社さんの検討を考えてもらうなど、一度立ち止まっていただくようにしています。
「お客様一人ひとりに最適解を」
FIELD GARAGE(フィールドガレージ)
A1 ・造作家具を大工工事に
家具製作から現場での大工工事に切り替えれば、15%程度コストダウンが可能な場合も。写真の、色づかいが楽しい壁面収納も大工工事によるもの。現場優先でのおさまりの良さもメリットです。
A1 ・LDKに予算を集中する
家族が長い時間を過ごすLDKに予算を集中させ、寝室や個室の変更にボリュームを置かないのもひとつの方法。小さなお子さんがいる家庭は、子ども室は入学後に再考しても問題ないと思います。
A1 ・既存の造作家具を生かす
雰囲気の良い造作家具が残っている場合は、積極的に活用することも。コストが削減できるだけでなく、新しい家具では出せない味わいも楽しめます。写真の造り付けの棚は、前任者が残していったものを再利用。
A2
「水回りの移設によってどくらい費用がアップするのか」ということは良く聞かれます。例えばキッチンの移動で配管の経路が変われば、そのぶんコスト増。排水用の勾配も必要なので、床の段差の有無にも関わってきます。
A3
なるべく予算内で満足していただけるものをつくりたいので、材料は極力安く仕入れることをモットーとします。一方、職人さんにはいい仕事をしてほしいので値切ったりしません。安くというより適正価格を目指します。
「参加するリノベーション」をモットーに、住まいを豊かにする”ものづくり”の会社
EcoDeco(エコデコ)
A1 ・塗装工事をDIYする
塗装工事をDIYにし、家族や友人も一緒に塗装するのもひとつの手。面積にもよりますが、40〜60万円の減額になることも。家づくりに携わった実感が得られるなど、減額以外にもメリットがいろいろあります。
A1 ・既存の建具を塗装して再利用
古い建物の建具はつくりがしっかりしていて、塗装すれば十分使えるものも。写真は築33年の家のリビングドアをブルーに塗装した例。既存の良さを生かすことで、結果的に減額につながった形です。
A1 ・フローリングを幅広から幅狭に変更
幅広フローリングを幅狭に変更。あまり広くない居室なら幅狭でも気になりません。写真は幅15mmのチェリーから幅9mmのユニ桜に変更した例。10万円程度減額できました。
A2
個別相談で、フルリノベにかかる大枠の費用を聞かれることが多いです。ざっくりいって50m2程度なら20万円/m2、70m2程度なら18万円/m2、90m2程 度なら16万円/m2。この目安をベースに詳しく要望を伺い、予算設定を組み立てていきます。ちなみに仕上げの雰囲気がラフかキレイめかによっても、目安は変わります。
A3
減額を考える際、入居後にできる工事は優先して中止に。逆に配管や断熱など今やっておくべき工事はできる限り中止にしません。コスト調整のタイミ ングでは、贅沢かもという項目を削る判断をされる傾向がありますが、住み始めてから諦めなければよかったと後悔した話もよく聞くので、何でも削ればいいわけではない旨を伝えたいです。
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