18/02/22 10:00 投稿
《ようこそ!リノベの先輩(4)》リノベ後9年間マイナーチェンジを重ね続ける家
リノベーション体験談
中古×リノベした先輩のお宅を訪ねてリアルな声を聞く連載、今回はアンティークショップオーナーのKさんのお宅を約5年ぶりに再訪しました。
photo:koji yamada
text:eri matsukawa
工事費 150万円
東京都目黒区 K邸
夫48歳 妻50歳 長男15歳
築年数 34 年(昭和58年)
専有面積 65.57㎡
「暮らしの一部のように、次はどこを直そうかと考えます」
ヴィンテージ家具や小物を扱うS.H.P.というショップ運営と、内装デザインの仕事をしているKさん夫妻は、年に2回ほど海外へ買い付けに行く生活だ。そんな職業柄、9年前マンションの購入時にリノベーションをして以来、ちょこちょこと自宅に手を入れ続けてきた。新品だったヘリンボーンのフローリングは生活の中でキズやシミが増え、ヴィンテージの家具が馴染んでいる。
入居時には、キッチンとダイニングの間にあった壁を撤去。ダイニングと廊下の間のドアも外し、広々と暮らしていた。しかし、炒めものの匂いがリビングまで漂ってしまったり、冬は廊下から底冷えして寒かったり。そこで、3年ほどあとに改めてドアを取り付け、キッチンにも壁をつくった。壁のガラスブロックは「店舗の内装をしているときに見つけて、自宅にも使うことにしました」と妻。仕事で扱う商品で気に入ったものがあると自宅で使うという、なんともうらやましい環境だ。
最近になって、キッチンとトイレ、洗面室のタイル張りの床をモルタルに変える工事を行った。「白のモザイクタイルで目地も白だったので、たまった汚れが落としきれなくなり……。今回は目地のない墨色のモルタルにしました」。タイルをはがさず上から塗ることにして工期も工事費も最小限に。白いタイルの若々しいイメージから、しっとりと落ち着いた空間への変化は、9年という歳月を経て、Kさんの好みが大人のものに変わったことも反映している。Kさんが日本でいち早く取り入れた「インダストリアルテイスト」も、今や大人気。流行が追いついたかたちだが、「そうなると、また別のものが欲しくなるんですよね」と笑う。これからも、機会をとらえてはマイナーチェンジを重ねていくのだろう。
KさんへのQ&A
Q1.やってよかった点は?
A.「キッチンとの間にガラスブロックで壁をつくってから、料理の匂いがリビングまで流れ出ることがなくなったので、よかったと思います。洗面台を好みのものに取り替えて、毎日気持ちよく使えるようになったのもうれしいです」
Q2.今後の野望は?
A.1階住戸で広い庭があるので、コンサバトリーのようなものを増築して居住空間を庭へと広げてみたいなと思っています。サッシに内窓を付けて断熱性を高めたり、ウッドブラインドをやめて麻のカーテンを吊るすのもいいかな……。
Q3.前のリノベーションで失敗した点は?
A.広さを求め、キッチンとダイニングの間の壁を取り払ったことで、料理のときの匂いがリビングまで流れ出ていました。また、床のタイル目地を白にしたので汚れが染み付いて落ちなくなり、全体的に清潔感がなくなってしまいました。
リライフプラスvol.24掲載