21/03/21 12:00 投稿
家を快適なオフィスに。わが家にぴったりなワークスペースのつくり方をリノベのプロに聞きました!
リノベのトレンド
リモートワークが増え、今後ますます需要が高くなっていくであろう自宅でのワークスペース。ひと言でワークスペースと言ってもあり方は実に多様で、それぞれの働き方や暮らしに合わせたデザインが生まれています。自分にとって最善のワークスペースとは?
今回はリノベーションのプロたちに、リモートワークによくある問題を解決してくれる、リノベならではのアイデアを教えていただきました。ワークスペースをつくる際に気を付けるべきポイントやアドバイスも必見。
LDKと「分ける」のではなく、「つなぐ」プラン
ワークスペースをオープンにするのかクローズドにするのかは、職種や価値観によって意見が分かれるところ。この事例の施主であるSさんは「生活の中に仕事が溶け込んでいるんです」と話すほど、仕事と家庭生活とは連続したものと考えており、妻の何気ない一言から仕事のアイデアが浮かぶこともあるといいます。そんなSさんのリノベーションに対する要望は「家族の気配を感じられるワークスペースにしたい」というもの。また、家全体としては「LDKをはじめとする居室をなるべく広くしたい」と考えていました。
そこで担当の高橋さん(ひかリノベ)はリビングとつながるワークスペースを提案。「家族格子」と名付けた無垢材の縦格子で緩やかに間仕切ることで、LDKとワークスペースに程よい距離感が生まれました。
また、L型に造作した広いカウンターは、作業効率が良いだけでなく、思考を広げるという意味でもできるだけ広いほうがいいという高橋さんのこだわり。Sさんが仕事をしている時に子どもが隣でお絵かきをすることもあるそうです。
ひかリノベ 高橋さん
カウンターの広さです。リビングや寝室の一角にデスク&チェアを置けば即席の作業スペースは出来ますが、実際仕事をしてみると、机の上が狭すぎ、資料を広げることもままなりません。この事例では、壁に沿ってL字型にカウンターを設え、さらに頭上には同じ形に本棚を造り付け収納力も持たせました。
また光の確保も重要です。この事例では、大きな掃き出し窓に面していること、オープンな間取りであることから、採光が課題となることはありませんでしたが、お客様によっては「書斎はクローズドな環境にして集中できるようにしたい」という声をいただくことも。その場合は照明計画もポイントになってきます。まぶしく感じることなく、手元を充分に照らせるよう、壁に造り付けた本棚に手元照明を仕込んだ事例もあり、お施主様からとても使いやすいと喜びの声をいただきました。
テイストを変えて、オンとオフのメリハリをつける
リモートワークにおいて「仕事とプライベートな時間の区切りをつけにくい」と感じている人が全体の75%もいるという調査結果もあるほど、家で仕事をしているとつい、だらだらと仕事をしてしまいがち。そこで、この事例では、土間にワークスペースをレイアウトし、パブリックスペースとプライベートスペースを上手に分割。来客があっても居室スペースまで通さずに済むというメリットもあります。
さらに、居室部分はヴィンテージホテルのような温かみがあるテイストであるのに対し、ワークスペースはモルタルや蛍光灯、ステンレスなど、硬質なイメージの素材を使い、あえて違いを出すことで家の中にいてもオンとオフの切り替えができるようにしています。
空間は分けながらも、室内窓からは居室の様子がうかがえ、孤立感はなし。施主であるSさんこだわりのステンレスでフレーミングされた室内窓は、位置や大きさを慎重に検討した甲斐があり、とても満足しているそうです。
東京リノベ 沢山さん
Wi-Fi環境はもちろんPC、周辺機器のコンセント位置などもあらかじめしっかり計画しておくと、配線が目立たず空間がスッキリ見えます。Sさんの場合、後々コピー機が置けるよう、床に埋め込み式のコンセントを設置しています。デスクの位置も決まっていたので、ごちゃごちゃしがちな配線も上手に隠すことができました。
長時間作業する場合はデスクや椅子などにもこだわるといいと思います。Sさんは職業柄、色に気を使うお仕事をされているので、仕事中に目に入る壁面の木パネルや収納扉、ドアの色合いなどにもこだわりが強く、染色の配合にまで吟味を重ねました。壁にぴったりとはまるデスクにいたるまで全て特注で製作したため、空間に無駄がなくきれいに収まっています。
将来的にフローリングを敷いて居室としても使用できるよう、隣り合う洗面室やトイレの扉の高さを床材の厚みの分だけ、床から少し上げて設置するなど、さまざまな可能性も視野に入れたプランニングも工夫した点です。
必要に応じて間取りを変える「可変性」
毎日家で仕事をする必要がない場合、マンションの限りある空間に、ワークスペース"だけ"の部屋を作ってしまうのはもったいない。この事例では、開閉可能な間仕切りを採用することでその問題を解決。集中して仕事をしたいときや、オンラインミーティングの際は間仕切りを全て閉めて個室に。そうでないときは間仕切りを全て開放し、土間玄関につながる大空間として使うことができます。
全体として「開放感のある家」を希望していた施主夫妻。玄関→ワークスペース→WTC(ウォークスルークローゼット)→リビングと一直線に風が通り抜けるよう設計されているので、二面採光のマンションでも心地良い風を感じることができます。ワークスペースとWTCの扉を閉めても、扉の上に室内窓を設けているのでそこから通風を確保することも可能。また、引き戸には揺らぎのある波うちガラスを使用し、間仕切りを全て閉じても光を遮ることなく、かつ中の様子がはっきりとは見えないよう配慮。開放感を持たせつつ、仕事に集中できるよう工夫されています。
LOHAS studio(ロハス スタジオ) LOHAS studioデザインチーム
ワークスペースは、リビングの一角に作ることで小さなお子様を見守りながら作業ができるようにしたり、独立した個室を設けることでしっかりと集中できるようにしたり、ご要望によってさまざまな作り方があります。スペースの関係などもあり実現が難しそうに思われても、リノベーションであれば間取り変更や素材選び、空間の作り方などの工夫によって、家やライフスタイルに合わせたご提案が可能ですので、ぜひお気軽にご相談いただければと思います。
子どもを見守りつつもしっかりと集中したい、スペースとして区切りつつも家族の気配を感じたい、閉鎖的な空間にしつつも必要に応じてすぐにコンタクトがとれるようにしたいなど、細かなご要望もぜひお聞かせください。
ワークライフバランスという言葉が広まっているように、家と暮らしと仕事のあり方が今までとは違ったものになりつつある今、その基盤となる「ワークススペース」にも多様性が求められています。そこでどれくらい仕事をするのか(広さ・収納量)、どんな環境だと心地よいと思えるのか(照明・採光・通風)、さらにどんな場所として機能させたいのか、など考えてみると案外奥深いものです。
将来的に居室として使えるようなプランニングや、空間を開いたり閉じたりできる柔軟な間取りは、10年後、20年後という長いスパンで見たとき、さまざまな可能性を含むとても有効なアイデアだと感じました。
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