ヴィンテージの薫り漂う、ホテルライクな大人のマンションリノベ
東京リノベ (プロデュース)
ヴィンテージ風に加工した木板を壁に張り、温もりと安らぎをもたらしています。床は足ざわりのよいカーペットを敷き込み、厳選された家具を並べてホテルライクな空間に。
DATA
間取り図
photo：飯貝拓司
東京のまんなか、リノベに暮らす
二人でくつろげるフレキシブルな空間づくり
公園の緑や、ゆったりと流れる川の眺めが素晴らしいマンションの最上階。物件購入にあたりSさん夫妻が重視したのは、広さや立地、眺望など「変えられない」部分だったそう。間取りは2SLDKから1LDK＋ウォークインクローゼットに変更。天井を上げ壁を撤去して、大空間のリビングダイニングを。その一角にベッドスペースを設けるという大胆なプランを採用しました。間仕切り壁の上部を開放し空間を緩やかに仕切り、光と風の道をつくっています。
一方キッチンは妻の希望を叶え、効率よく作業ができる独立タイプに。コンパクトなコの字型を設置し、使いやすく整えました。出入り口にドアを設けない、ダイニングテーブルまでの短い動線で、配膳や片付けがスムーズに。
ソファやダイニングテーブルと同じ空間にベッドがある風景は、まるでホテルのような趣き。壁一面の木板とともに、印象深いインテリアがずっしりと空間に備わっています。
内装も家具も使い込まれたような質感がカギ
海外のヴィンテージホテルをテーマに、自分らしくアレンジしたSさん宅のインテリア。味のあるデザイナーズ家具が映えるようなマテリアルを取り入れ、収納や照明などにも工夫をこらしています。目を引くのはシナ合板を染色し、ラフな風合いを出したリビングやワークスペースの壁。「色には特にこだわりがあり、壁の木板の色、収納家具の木の色もひとつひとつ微妙に違いを出しました。デザインの仕事をしている夫のプロ感覚を生かし、オリジナリティあふれる空間となりました。」とSさん。
自宅でも仕事に取り組めるよう、玄関土間とつながるワークスペースを配置。こちらはモルタルや蛍光灯、ステンレスなど、クールな素材を散りばめ、LDKとはひと味違うアレンジをプラスしています。
絵になるデザイナー家具が並ぶリビング。巧みなバランスで配された木の質感が、くつろぎ感を高めます。
玄関の土間を広げたようなワークスペース。趣味のカメラやお気に入りの本を並べて楽し気に。
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ワークスペースからリビングを望める室内窓は、位置や大きさを慎重に検討しました。ステンレスフレームがかっこいいアクセントに。
パーテーションのような壁で仕切ったベッドルーム。風の流れが生まれ、過ごしやすく。
ダイニングテーブルは「スタンダードトレード」。スチールパイプのラタンチェアはマルセルブロイヤー「チェスカチェア」。
キッチンはIKEA、吊戸棚は既存のものに扉だけをオーダーし、低コストでおしゃれに。
やわらかい光が差し込むリビング。左の壁の小窓はキッチンスペースにつながっています。
リビングのシャンデリアはレトロな雰囲気。部屋の随所にシンプルな照明を織りこんでいます。
家具はオークションで購入することが多いそう。もともと持っている家具とともにバランスよく配置。
好きな音楽を聴くためのステレオの位置にも気を配りました。一緒にアートなどを飾り、お気に入りのスペースに。
収納扉やドアの色合いも吟味を重ね、イメージ通りに。趣味のランニングシューズがアクセントに。
白でまとめ清潔感のある洗面室。洗面カウンターはドイツのDURAVIT社のもの。
浴室はハーフユニットタイプを選択。構造上、浴槽の大きさを変更できなかったため、洗い場部分を広げています。
シンプルなトイレ空間にはニッチを設け、インテリア雑貨なども置けるように。
MATERIAL
床：カーペット（リビングダイニング）、コルク（キッチン）、モルタル（ワークスペース、玄関）
壁：シナ合板（リビング、ワークスペース一部）、タイル（キッチン一部）
INSTRUMENTS
キッチン：IKEA
洗面：DURAVIT
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リノベりす編集部コメント
ふたりのインテリアの好みと多彩な趣味を満足させるリノベーションですね。テイストをまとめ過ぎず、落ち着いた大人のヴィンテージが空間にしっくりと馴染んでいます。これからどのように経年変化していくのか、とても楽しみな住まいだと思います。