22/10/19 10:00 投稿
マンションでの楽器演奏どうしてる?(CASE2:Sさん/コントラバス奏者・講師編)【マンションの騒音トラブル研究所 vol.2-②】
リノベーション・ゼミナール
マンションの騒音トラブル、今回は楽器演奏による音がテーマです。楽器の音がむやみに響いてくればストレスに感じる人も。在宅時間が増え、楽器を楽しむ人も多い昨今、先輩演奏者の体験談を聞いてみませんか。
「リライフプラス premium no.2」掲載
text: atsuko tanaka
illustration: tatsuki oshimoto
マンションでの楽器演奏どうしてる?
Q1 リノベの際、防音室をつくったそうですね
コントラバスやエレキベース、キーボードなどを所有しているSさん。
「いちばんよく弾くコントラバスは、低音の振動が騒音になりがち。防音の精度がかなり高くないとまずいので、最初から防音室をつくる前提でリノベを計画しました」。
家では楽器の練習はもちろん、作曲して演奏を録音することも。
「没頭すると、朝から晩までいることもありますね」。音対策という点では交通量の多い幹線道路が近いことも、この物件を選んだ理由のひとつだそう。
Q2 防音室をつくるのって実際どうやるの?
S邸の防音室はユニット型ではなく、邸別施工の本格派。
「計量士の方が機械で様々な測定を行い、音を“見える化”。防音室の扉を閉めると玄関の外に向かって音がどれだけ減衰するかなど、具体的に示してくれました」。
工事は3畳間に2畳分の防音室を入れ、周囲に音が伝わらないよう防振材で支える仕様。
「壁厚は約25㎝。やや狭いですが、防音だけでなく、音質にもこだわれたので、とても満足です。費用は300万円ほどでした」。
Q3 以前の住まいではどう対策していましたか?
「前に住んでいたのは、いわゆる“お互いさま物件”。演奏はOKだけどお互いに聞こえる、というのが暗黙のルールです。だから対策は特に必要ありませんでした」。
演奏時間は一応決まっていたものの、守る人は少なかったとか。
「コントラバスを弾いていたら、一度、階下の人が頭痛がひどくて、と訪ねてきたことがあります。すぐに謝って今日はやめておきます、となったことも。やはりコントラバスの低音は響くようです」。
Q4 防音室の使い心地はどうですか?
「家の外部には聞こえないことが数値で示されているので、安心して使っています。信頼できる会社に依頼し、お金をかけたかいがありました(笑)」。
反対に、不満に思うことは?
「仕方ないけど、狭さですね。2人以上入るときは、使わない楽器を寝室に移動させるなど、空間の確保がやや大変」。
ちなみにSさんのお宅には猫が2匹と乳児がひとりいる。
「防音室は、大切な楽器を守るためのシェルターとしての役割も果たしています」。
Q5 生活音で問題になったことは?
「隣の音などはほとんど聞こえないので、生活音は特に問題ないと思います」。
しかし一度、下の階の住民が、Sさんが入居してから音が気になると言ってきたことがあるそう。
「管理組合の方にも協力してもらい、発生源をいろいろと探りました」。
その結果、そのお宅の古くなった冷蔵庫が音の発生源と判明。
「原因が分かり安心しました。快く協力してくれた管理組合にも感謝です」。
取材協力/リノベる。
photo hiroshi endo
【vol.2-①】マンションでの楽器演奏どうしてる?(CASE1:Kさん/音楽愛好家編)
【vol.2-②】マンションでの楽器演奏どうしてる?(CASE2:Sさん/コントラバス奏者・講師編)
【vol.2-③】マンションでの楽器演奏どうしてる?(CASE3:Tさん/チェロ奏者・講師編)
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