23/04/26 10:00 投稿
加害者にならないために日常生活でできること【マンションの騒音トラブル研究所 vol.4】
リノベーション・ゼミナール
集合住宅での暮らしで誰もが避けて通れないのが騒音トラブル。第4回は自分がうっかり気づかないうちに騒音の加害者にならないためにできる日常の工夫について教えてもらいました。
「リライフプラス vol.46」掲載
text: atsuko tanaka
illustration: tatsuki oshimoto
監修:並木 勇一さん
防音ブースのつくり方など、防音に関するお役立ち情報を動画などで積極的に発信している並木勇一さん。「コロナ禍になってから家にいる時間が長くなり、防音に関する相談や問い合わせがかなり増えました」(並木さん、以下同)。
騒音を受けている側からの相談が多い一方で、気づかないうちに自分が加害者になっている可能性もある、と並木さん。子どもの足音、テレビの音、オンラインゲームでの大声…。「日常の中で、音を抑えるための工夫はいろいろあります。それらを積極的に取り入れつつ、気になる方は、自分がどれくらい大きな音を出しているのか、大まかな数値を知ることも有効です」。
さらに、音への苦情を言った側が相手からクレーマーのように思われ、逆に"加害者"になってしまうケースもあると指摘。
「集合住宅での音の問題で、行き着くのはお互いさま的な考え方。ですが、それが通じない人がいるのも確か。交流は難しくても、見ず知らずの関係にならない努力が多少あれば、問題は深刻にならないのでは、と思います」。
1. テレビは置き場所やスピーカーをひと工夫する
2. 洗濯機は設置時に防振ゴムを
家の中にいても気になるのが、洗濯機の音。
「脱水時などの振動が、床から建物の躯体を通じて近隣に伝わることはよくありがちです。
集合住宅だと必ずドレンパン(洗濯機パン)が設置されていますので、この上に洗濯機を置く際、防振ゴムを挟むと効果的です」。
要は振動を直接床に伝えない工夫を。防振ゴムは家電量販店やホームセンターなどで購入可能です。
3. 建具やカーテンの開け閉めはやさしく
4. 小さい子どもにはルームシューズを履かせるのも手
集合住宅で最も多い音の問題が、子どもが床を跳ねる音。床から躯体に振動が伝わり、騒音になってしまいます。
「小さい子どもは、体重を支えるのがうまくないので、大人よりも足音が出てしまいがち。床にクッションマットやタイルカーペットを敷いて衝撃を和らげたり、靴を履く練習をしよう、などと誘ってルームシューズを履かせるのも有効です」。
5. 声が大きくなりやすいオンラインゲームは要注意
つい大声を出しがちなオンラインゲーム。
「たいていヘッドホンをしているので周囲の静けさに気づかず、興奮して叫んだり、壁ドンしたり(笑)」。
お子さんの場合、深夜は避ける、家族の許可を取ってから、といったルールづくりも必要。
それが難しいならDIYなどで防音のブースをつくることを真剣に考えるべき、と並木さん。ゲーム実況の動画配信についても、同じことがいえます。
6. リモート会議は自分の声の聞こえやすさを意識して
昨今、一気に普及したリモート会議。これも騒音のもとに?
「リモート会議では、自分の声が相手に届くか気になって大きな声を出しがちですが、高性能のマイクを使えば普通の声で相手にちゃんと届きます。また、イヤホンやヘッドセットを使えば、相手の声は部屋に響かないので、取り入れたほうがいいでしょう」。
会社の機密情報が話題に上ることもあるので、周りの環境には十分配慮を。
7. 家具の模様替えにはタイルカーペットを
フローリングの上で家具を移動させる際、ゴトゴトと大きな音が出てしまいがち。
「ホームセンターなどで安価で買えるタイルカーペットを敷いて移動させると音を立てずに済みます」。
この際、裏表を逆にして使うのがコツだとか。「ゴム素材の裏側を家具に密着させて、起毛している表側を床の上で滑らせるようにすると静か」。
静かでラクで、傷も防げて一石三鳥!
8. ロボット掃除機対策として巾木にひと工夫を
人気のロボット掃除機で気になるのが、壁にぶつかる音。
「その振動が壁を通じて建物に響きやすく、騒音のもとになりがち。壁の下方についている巾木に当たってしまうので、巾木にクッションマットなどをカットして貼ると衝撃が抑えられます」。
ロボット掃除機は1回あたりの運転時間が長いので、使う時間帯に気を配ることも大切、と並木さん。
簡易的に音の大きさを調べられるスマホアプリを活用しよう!
騒音が気になる方は、スマホの騒音計アプリを利用するのも有効。
「例えば、自分の声が騒音になっていないか、といったことを知る目安として役立ちます。集合住宅の界壁なら45dB程度は減衰するはずなので、一般的に安全とされる60dB程度の話し声であれば、まず音の認識は難しい」。
ゲーム中など興奮状態の声だと70~80dB(80dBは救急車のサイレンや走行中の電車内に匹敵)になるので要注意です。
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