人気リノベーション会社・FILE代表　石川敬子さん宅を訪問！（後編）

「暮らしの中に仕事がある」という自然体の日常を実現した、FILE代表・石川敬子さんのリノベーション。オフィスと自宅を兼ねる大田区・田園調布の戸建て住宅では、石川さんが考える理想の空間と暮らし方を体感できる。

前編では、石川さん宅の「用と美」を兼ね備えたオリジナルキッチンや収納計画についてご紹介。さらに、今回の後編では、リビング・寝室を中心に石川さんの生活空間をご紹介します。

photo koji yamada

text rumiko abe

FILE(ファイル)

自社工場でつくる家具やオリジナルキッチンなども人気。デザインや素材だけでなく思いも大切に空間をつくり上げる

中心価格帯
2,000 ～ 3,000万円

対応エリア
埼玉県 / 千葉県 / 東京都 / 神奈川県 / 京都府 / 大阪府 / 兵庫県 / 奈良県 / 和歌山県（キッチンのみ全国対応可）

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「暮らしの中に仕事がある」という日常

　この家に移ってきたことで、目黒時代の職住近接は、職住一体になった。通勤時間はゼロ。ショールームは完全予約制だから、仕事に集中できる。スタッフとのコミュニケーションも密になった。「仕事をしながら家のことができる。いつでも休めるし、いつでも仕事ができる。だから、休みが欲しいとは思わなくなりました」と石川さん。でも、職住が近いからこそ、距離の取り方には工夫が必要。「夫と一緒に仕事をしていますから、お互いの居場所はたくさんあったほうがいいと思って、寝室は寝るとき以外にも使えるようにしました」
　ゆったりした寝室にはチークの造作家具やドレッサーを兼ねたデスクが配置され、ラグジュアリーな高級ホテルの一室のよう。洗面室やトイレも、機能性や清潔感を超えた心地よさ。理想の生活空間をつくり、そこでの暮らしを日々体験することが、仕事のエネルギー源になっているのだろう。

OTHER SPACE

サイザル麻の床材、チークの家具。落ち着きのある寝室の中央にベッドを置き、ヘッドボードを兼ねた造作家具の裏側に収納を設けている。天井まである引き戸の中は収納力十分のクローゼット

デスク兼ドレッサーと本棚を連続させた造作家具。デスクの前を鏡面にして、明るさと広がりを確保。手洗いボウルも組み込まれている

手洗いボウル、水栓金具はセラトレー ディング。FILEオリジナルの洗面台にASKOのドラム式洗濯機を組み込んでいる。壁の一部に大理石モザイクタイルを使用

モノトーンでまとめたシックなトイレ。便器はコーラー、床はポルトガルの大理石タイル

ヘッドボードの裏側にあるスライド式オ ープン棚。ニットやカットソーなどを畳んで収納している

打ち合わせスペースを兼ねたDKに大きな本棚を置き、建築やデザイン関係の本、仕事の資料などを収納。正面の、扉が蛇腹式の凝ったつくりのキャビネットの中 には、実はテレビが隠れている

リビングの窓には視線や光をコントロールできるハニカムブラインドを使用。カーテンとの違いを実感できる

庭に面した明るいダイニングの窓辺を、上質なファブリックで演出。アルネ・ヤコブセンのエッグチェアがさりげなく置かれている

この家はもともと二世帯住宅で、1階は100m2、2階は130m2。1階を生活エリア、2階を仕事エリアに大きく分けてフルリノベーション。3LDKだった1階は1LDKに変え、広がりのあるLDKと寝室の1LDKにつくり変えた

FILEショールームをチラ見せ！

2階はショールームとオフィス。傾斜天井や障子など和テイストのオリジナル部分を生かしてリノベーションした。広いスペースに家具がゆったりと配置されている。キッチン、洗面所の素材や仕様は1階とは異なり、FILEデザインのバリエーションに触れることができる。

デザイン　FILE
代表　石川敬子さん

住む人の好みや暮らしに合った空間づくりを目指して、1991年に創業。オリジナルキッチン、洗面台、家具、建具の製作販売、新築・リノベーションのデザインを行っている。細部にまでこだわった上質な空間づくりが人気。京都でもインテリアショップを展開している。

リライフプラスVol.33掲載

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