住宅ローンは夫婦別々に借りたほうがいい?【家にまつわるお金の話④】

リノベーション・ゼミナール

人生の中でいちばん高い買い物といわれる「家」。購入時はもちろん、その後の住宅ローンや修繕費など出ていくお金は尽きません。そこで、リライフプラス編集部に寄せられたお金に関する疑問について解説します!

※こちらの内容は、2023年3月時点の情報です

「リライフプラス vol.46」掲載

illustration: abesan

edit: noriko sasaki

design: machiko hirata

Teacher 丸山晴美さん

​ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザー。自身の経験をもとにした分かりやすいお金のアドバイスをテレビや雑誌、講演などを通して行っている。『シングルママの「お金に困らない本」』(徳間書店)など著書多数。オンラインサロン「女性のための夢を叶える! お金の教室」も人気。

住宅ローンは夫婦別々に借りたほうがいい?

Answer 1

共有名義の場合税制のメリットが大

夫婦で別々に借りる場合、いちばん大きいのは税制のメリット。一般的に住宅ローンは、年収の7~10倍程度まで借りられます。

例えば2023年に夫婦の年収がそれぞれ500万円かつ、合計5000万円の住宅ローンを夫2500万円、妻2500万円で借りた場合、住宅ローン減税がそれぞれ約188,7万円で合計377,4万円に。一方、夫もしくは妻のどちらか、1人の名義で5000万円の住宅ローンを組んだ場合は、住宅ローン減税が273万円。104万円の差が生まれます。

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また、2021年から不動産を売却する際に、名義人1人につき3000万円が控除されることになりました。仮に購入3年後に夫婦が住む住宅を売って、5000万円の譲渡益が出た場合、夫婦ともに2分の1ずつ持ち分がある場合、3000万円×2人=6000万円までが特別控除の対象になり、課税される譲渡所得金額はどちらも0円です(それぞれ確定申告が必要)。

一方、夫もしくは妻どちらかだけの名義の場合、3000万円×1人=3000万円までが控除の対象になり、残りの2000万円に対して税金が課せられるので、納税額はぐっと増えます。そして、住宅ローンを借りる際に、夫婦別々のほうが多くのお金を借りられるという利点も。

例えば夫の年収が400万円、妻の年収が300万円の場合、夫は4000万円まで、妻は3000万円まで、合計7000万円の住宅ローンを組むことができますが、これを夫だけで組むと4000万円までしか借りることができません。

ただ、夫か妻どちらかが無職になったり収入が減った場合に、家計全体のバランスが崩れると破産のリスクもあるので、借入限度額めいっぱい借りることは避けて。住宅ローンはいくら借りられるかで考えるよりも、いくら返済できるかで考えるようにしましょう。

住宅ローン控除額のシミュレーション

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Answer 2

逆にデメリットは離婚時の財産分与

離婚をする際、財産を精算するために自宅を売りたいと思っても、夫もしくは妻のどちらか一方が反対を すると話が進まない、というのがデメリットです。
また、ほかにも離婚時の財産分与でもめないために重要なポイントが。

仮に住宅ローンを組むのは夫だけれど、妻が結婚までに貯めていたお金や親の遺産などでまとまった頭金が出せるとなった場合、その分はきちんと共有名義として登記しましょう。

妻が頭金として出す金額と、夫が支払う額で割合を出して、それぞれの持分を登記に残すことが大切。なぜなら、離婚時に自分の持ち分を主張できるからです。登記していないと、妻から夫への贈与とみなされてしまい、贈与税がかかるだけではなく、離婚時に持分を請求できなくなる可能性があります。


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