住宅購入資金を両親が援助してくれそう。これって贈与税がかかる?【家にまつわるお金の話⑤】

リノベーション・ゼミナール

人生の中でいちばん高い買い物といわれる「家」。購入時はもちろん、その後の住宅ローンや修繕費など出ていくお金は尽きません。そこで、リライフプラス編集部に寄せられたお金に関する疑問について解説します!

※こちらの内容は、2023年9月時点の情報です

「リライフプラス vol.47」掲載

illustration: abesan

edit: noriko sasaki

design: machiko hirata

Teacher 丸山晴美さん

​ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザー。自身の経験をもとにした分かりやすいお金のアドバイスをテレビや雑誌、講演などを通して行っている。『お金を活かす ハッピーエンディングノート』(東京新聞)『シングルママの「お金に困らない」本』(徳間書店)など著書多数。

住宅購入資金を両親が援助してくれそう。これって贈与税がかかる?

Answer 1

住宅取得等資金の贈与の非課税の特例は年内まで!

今回のケースは贈与となるので、普通なら贈与税がかかります。しかし、2023年12月31日までなら、住宅取得等資金の贈与の非課税の特例を適用できます。

父母や祖父母など直系尊属からの贈与に関して、一定の要件を満たすときは、省エネ等住宅の場合には1000万円まで、それ以外の住宅の場合には500万円まで、贈与税が非課税に。

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ただ、要件の一部を見てみると、「翌年3月15日までにその家屋に居住することまたは同日後遅滞なくその家屋に居住することが確実であると見込まれること」とあり、居住のリミットが2024年3月15日であることに注意が必要。

また、この特例の適用を受けるためには、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、贈与税の申告書に戸籍の謄本など一定の書類を添付して、納税地の所轄税務署に提出する必要があります。

また、残念ながら2024年以降はこの特例が継続されない可能性が高いです。

Answer 2

来年以降は暦年贈与か複数年に分散して

贈与税を抑えるのが◎

もし2024年以降になりそうという方は、法律で決められた贈与税を支払う必要があります。
ここで知っておきたいのが【暦年贈与】。年間に受けた贈与額が110万円以下であれば非課税となる、贈与税の仕組みを利用した贈与の方法です。

例えば、1000万円の贈与を受けた場合110万円が基礎控除枠として使えるので、贈与税の対象は890万円に。贈与税率は30%になり267万円の贈与税になりますが、控除額が90万円なので、贈与税の合計は177万円になります。【暦年贈与】を行わなかった場合は、贈与税の対象が1000万円で贈与税率と控除額は変わらないので贈与税の合計は210万円に。

【暦年贈与】を行う際に大切なのが、贈与契約書を作成すること。これがないと課税の対象になってしまいます。契約書というとなんだか難しそう…と思われがちですが、ネットに贈与契約書のひな型があるので、自分で簡単に作成することができます。

または複数年に分散して贈与を受けることで、トータルの贈与税を抑えることもできます。

下図のように一括で1000万円の贈与を受ける場合と、2年に分けて受ける場合とでは、贈与税に80万円の差が生まれます。このことも踏まえて、資金を援助してくれる両親とよく相談のうえ金額や時期を検討するのがおすすめです。

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