18/08/19 10:00 投稿
《ようこそ!リノベの先輩(5)》細長く暗かった空間が照明や天井の工夫で『帰りたくなる家』に。
リノベーション体験談
家族が増えても約24畳のLDK はまだまだゆったり。チェストな どの家具も少し買い足した。幅広のオークフローリングは家具との相性もよく、部屋をより広々と感じさせる(2017年)
目と鼻の先に私鉄の駅があり、新宿駅も徒歩圏内という便利な立地。人によってはデメリットと感じる珍しい間取りを逆手に取ってリノベー ションした渋谷区・Tさんの、8年後のお住まいを見せていただきました。
photo mori koda、akitoshi ashizawa(relife+vol.3)
text kimiko kimijima(FUSOSHA)
【先輩family】
流通関係の会社に勤務する夫(37)、雑貨やインテリアが大好きな妻(35)、のびのびした性格?の長男(3)の3人家族。今年11月には待望の第二子が誕生する予定。夫はマンションの管理組合の理事長も務めていて、今年で3期めになるという
立地のよさを実感。管理組合の理事長になったことで意識も変わった
「毎日癒されるリゾートのような、帰りたくなる家にしたかった」と2010年の取材で話してくれたTさん夫妻。その後家族が増え、センスのよい家具や雑貨がプラスされ、より豊かな住まいとなっていた。この家で暮らす前は都心に近い駅近の賃貸マンションに住んでいたTさん。都心でも、もう少し環境のよい場所に住みたい、と物件を探し、現在の住まいを購入した。1977年築だが管理状態もよく、美しい中庭も気に入ったという。いわゆるヴィンテージマンションに興味のあった夫は、ネットでいろいろと調べるうちに文京区内のヴィンテージマンションにオフィスと住まいを構えるアオイデザインの存在を知り「この人たちなら大丈夫」と確信し、リノベーションを依頼した。購入時は「暗くて洞窟みたいだと思った」と夫妻が口を揃えるほど、うなぎの寝床のような窓のない細長い空間で、マンションには珍しいサンルームとトップライトもあった。リノベーションではそれらをうまく生かし、照明や天井の形状を工夫することで、明るく開放感のあるLDKをつくり出すことに成功した。8年暮らしてみての率直な感想を尋ねると「帰りたくなる家、であることに変わりはありません。それとここにしてよかった、と実感しているのが立地のよさ。通勤も、買い物も、すべてがラクです。また、床や壁など、後から変更できない場所にお金をかけ、それ以外は削ぎ落としたので、ライフスタイルの変化にも柔軟に対応できたと思っています」と夫妻。夫は3年程前から管理組合の理事長も務めている。「理事長をやってみて、マンションの 価値を維持することの大切さを強く感じました。エレベーターやインターホンの交換をしたり、AEDの設置、避難訓練等も実施しました。結果としてマンションの売り値もアップしたんですよ」。
取材協力:aoydesign
建築家の青山茂生さんと隅谷維子さん夫妻が主宰する設計事務所。新築、リノベーション、店舗設計まで幅広く手掛け、シンプルで上品なデザインに定評がある。隅谷さんは宅地建物取引士の資格も持ち、建築家の視点で物件探しも依頼できる。