「狭い」=不便はもう古い?「広さ」にとらわれない家づくり、拝見!

リノベのトレンド

「理想の家」を思い浮かべたとき、多くの人が求めるのは「広さ」や「暮らしやすさ」などではないかと思います。でも、近頃はあえてコンパクトな家を選ぶ人も増えてきているようです。広い家にはない、コンパクトな家の魅力とはなんでしょうか?今回はコンパクトな家ならではのアイデアや楽しい仕組みを取り入れ、スッキリと快適な暮らしを実現している事例をご紹介したいと思います!

間取りが変わる33㎡の家

夫婦ふたり暮らしで専有面積が33㎡、約10坪。その数字だけを聞くと、正直、狭いのでは? と思ってしまう人も多いはず。でも、ここは建築家の久保和樹さんの自宅兼事務所。引き戸と可動式家具をうまく組み合わせることによって、様々な可能性を秘めたユニークなワンルーム空間となっています。一見スタイリッシュに見える久保さん宅ですが、実は昔の日本の暮らし方がベースになっているそう。「昔の日本の家は個室という概念がなく、襖や障子を開け閉めすることで部屋を大きくも小さくも使える。今以上にエコだし柔軟ですよね」と久保さん。それに倣い、食事をするとき、集中して仕事をするとき、友人が遊びにきたとき、などその時の状況に合わせて引き戸や可動式家具で仕切ることで「機能空間が一時的に出現する仕組み」を実現しました。都心でコンパクトに暮らすための機能とアイデアが凝縮された住まいとなっています。

リノベーション、H2DO、可動本棚、ワンルーム、狭小住宅、可動本棚の家、40㎡未満

都心で暮らすための機能とアイデアを凝縮

H2DO

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ポリカーボネートの引き戸を開けると、スリットに造作の板をはめることで、ハイテーブル、ワークスペース、ベンチにもなるスペースが。

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床から400㎜ほど高くなっているラウンジジエリアの下には大容量の床下収納が。奥の可動本棚を移動させることでもう一つの空間が生まれます。

空間を斜めに切ることで生まれた、陰影の美しい43㎡の家

築45年のマンションの一室。間口3.5m奥行12mと極端に細長い空間を、いかに居心地の良い生活の場につくり変えることができるかが求められました。まず東西に細長い空間の特徴を活かすべく、一番長い距離を見通すことができるように空間を配置しました。そのために長方形を斜めに分割するように1枚の長い壁を設け、この壁により空間を大きく2つに分け、ひとつの空間には機能的な場(浴室、収納、キッチン、寝室)をまとめ、もう片方の空間は余白(ダイニング、リビング)として自由に使える場としました。この結果、細長い空間には南側の窓から光が差し込み、時間によって自然と居場所が移っていくような居心地の良い空間が出来上がりました。

リノベーション、青木律典、デザインライフ設計室、狭小住宅、表参道リノベーション、40㎡未満

RENOVATION 表参道N

青木律典 | 株式会社デザインライフ設計室

リノベーション、青木律典、デザインライフ設計室、狭小住宅、表参道リノベーション、40㎡未満

通路(奥)から玄関方向を見たところ。右側が斜めの壁の一部。扉の中には寝るためのスペースがあり、その奥には浴室がコンパクトに納まっています。床材は桐のフローリングのため夏は涼しく、冬は暖かい肌触り。

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ちょうどダブルベッドの大きさの寝るスペース。壁と天井に桐の羽目板を用いることで柔らかく落ち着きのある空間になっています。天井裏には収納スペースも。

室内のゾーニングと回廊による技アリの46㎡の家

会社を定年退職して、車がなくても生活できる便利なところで暮らそうとマンションを探しはじめた施主様。予算は物件購入+リノベで3000万円程。この物件はネットで見つけ、実際に見に行くと、駅が近くビル街の割にマンションの周りは静かで、買い物も便利。それに目の前を川が流れているのもよかったそう。川や海のある場所がとても好きなので「こんなところに住みたいね」と購入を決めました。リノベーションのポイントは「風通しのよさ」「たっぷりの光」「回遊できること」。うちの中をうろうろ歩き回れる回廊を希望されていました。そこで玄関から45度の角度でリビングへ続く回廊をつくり、それに合わせて他のスペースがつくられたため、ユニットバスが入らず、シャワーブースになりました。LDKの間仕切りは日本間の“欄間”をイメージしたもの。上が素通しになっていているので開放感のある空間になりました。

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テーマは、風と光と回廊。 あこがれを図面にしてリクエスト

インテリックス空間設計

リノベーション、インテリックス、大人リノベ、狭小住宅、50㎡未満、ワンルームタイプ

間仕切りの反対側は、ベッドスペースに。横になった目線の先には壁を素通しにすることにより圧迫感を軽減させています。

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大胆に配置を変えたバスルームは、スペースの都合上ユニットバスは設置せずシャワーブースとなりました。

「暮らしやすさ」にこだわった57㎡の家

結婚を機に新居を探していたY様ご夫妻は、田園都市沿線にある築28年のマンションの最上階の一室をリノベーションして住むことに決めました。決め手になったのは、ご夫妻の求める暮らしやすさを実現できる「町」であったことと、見学した際に同じマンション内のリノベーション済みのモデルルームの内装が気に入ったからでした。奥様には小さいころから「国産スギ材を使った家に住む」という夢がありました。 今回のリノベーションで最優先されたのは、国産スギを使ったフローリングを敷くこと。国産スギが敷かれたLDK部分は家族だんらんができるよう洋室を一部屋削って広く設定。キッチンもオープンスタイルのキッチンにすることで、以前の間取りの時よりも生活動線がよくなり収納力もアップしました。キッチンや浴室は1cm単位で調整し、限られた空間を最大限有効に活用できるように考えられています。リノベーションだとデザイン重視になってしまうのではという不安もあったそうですが、実際に出来上がった住まいは「暮らしやすさ」を兼ね備えた素敵な住まいとなりました。

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住まいに求めたのは「暮らしやすさ」~国産スギのぬくもりを感じる住まい~

インテリックス空間設計

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ダイニング・キッチンの天井が一部傾斜していて高さのあるカップボードが計画できないため、 壁際にダイニングまで連続するカウンターを造作しました。切り花を飾ったり、ちょっとしたディスプレイスペースとしても活用できます。

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リビングは洋室を一部屋取り払い広々とした家族の団欒スペースを設けました。奥の洋室のクローゼットの配置を変え、ブルーのアクセントクロスが印象的なPCデスクはアレンジを利かせた特別な空間となりました。

リノベりす編集部コメント

「家が狭い」と聞くと、物が溢れごちゃごちゃしている部屋を想像してしまいますが、今回ご紹介した5つの事例では、むしろスッキリとした暮らしが伺えます。「狭い」という重しがあるからこそ、持ち物を見直したり、暮らし自体も見直していることがその秘訣のように感じます。また、リノベーションの観点からは、狭いからこそ細部にまで妥協なく家をつくることができる、とも言えそうですね。

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