‟こうありたかった”暮らしを手に入れる 見た目だけじゃなく、暮らし方も生まれ変わったリノベーション
住工房 (設計・施工)
施主夫妻が住工房を訪れた当初は、「子ども部屋をつくりたい」というご要望でしたが、丁寧なヒアリングによって「リビングにご家族の物が混在して、片付けてもすっきりしない」という現状が見えてきました。
DATA
長く暮らす家だから、シンプルで飽きないリノベーションを
個々のスペースと共有スペースをきっちり分けることで『片付かない』から『散らからない』へ
片付かないリビングの問題を解消するために、各部屋の使い方を見直し、家族それぞれの専用スペースを設けることに。家族の集まる場所としてのリビングは、すっきりとスタイリッシュな空間にすることで、パブリックなスペースとしての意識を高め、個人の持ち物を置かないようにしました。
その反面、個々のスペースはそれぞれが思いのままに過ごせるようにつくられています。例えば、デザイン雑貨やフィギュアなどのコレクションが趣味の夫のためには書斎を提案。書斎にはお気に入りのコレクションを並べられるショーケースを設けました。夫が選んだ赤い背面ボードがコレクションをグッと引き立て、博物館さながらの仕上がりに「一人で眺める時間が幸せ」と大満足のご様子。
「引き算の美しさ」先を見据えたリノベの極意 色数を抑え、マテリアルの表情を楽しむ
色数を抑え、シャープな大人の雰囲気漂うリビングは、タイルの床、塗り壁のアクセントウォール、ウォールナットで造作したキャビネットやTVボードなど、異素材が調和する美しさ。暮らしに合わせて作られた造作の収納家具は、夫妻が集めているセンスのよいアイテムとマッチし上質な空間を演出しています。
その考えは和室にも取り入れられ、琉球畳を含め壁や天井は無彩色をチョイス。モダンな仏壇がしっくりと馴染みます。エアコンには木製のカバーをつけ、雰囲気の妨げにならないように配慮。さらに障子の代わりにつけられたブラインドには和紙を使用し、上質な和モダンの空間となりました。
また、こうした設えは10年、15年後も心地よく暮らせるように考えて選定されています。流行りにとらわれず、素材が引き立つシンプルな空間は、普遍的な心地よさを住まい手に提供してくれることでしょう。
ビフォー・アフター
MATERIAL
リビング(床):タイル
リビング(壁):塗り壁(ジョリパット)
キャビネット・TVボード:ウォールナット
和室(床):琉球畳
INSTRUMENTS
キャビネット・TVボード:造作
リノベりす編集部コメント
施主様も気づいていなかった本質的な住まいの問題を見つけ、それを解決するリノベーションになっているのは、住工房のヒアリング力の高さがあってこそ。上質な素材で仕上げられ、日々の暮らしを熟考してつくられた家は、年月と共に施主様家族に馴染み、味わいを増すのではないかと思います。