築33年の実家リノベ。閉鎖感を無くし、シンボルツリーが風にそよぐ家に《リノベーションのビフォー&アフター vol.6》

リノベのトレンド

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リノベーションのビフォー&アフターvol.6となる今回は、築33年になる実家の戸建てリノベーションを取り上げます。広さを感じにくい、細かく分断された間取りを一新。「コモンスペース」と名付けたゆったりしたリビングと吹き抜けでタテとヨコをつなぎ、家のどこにいても家族が生活する気配を感じるられる空間を目指したリノベーションです。

7LDKから5LDKに。個室以外は縦横につながる空間へ

before:図面

after:図面

この家が建てられた当時は、空間のつながりよりも個室を重視する傾向にあったため、壁が多く開口部が少ない間取りでした。リノベーションをするにあたり、日々慌ただしく暮らす家族がそれぞれの気配を感じて暮らせるように、LDKを「コモンスペース」とし、それを囲むように、書斎やインナーテラスなどを配置。引き戸で個室にできるようになっていますが、開けておけばひとつの空間となり、空気が流れるように家族のあたたかさも通い合います。
また、階段をスケルトンにしてリビングの真ん中に配置。美しくらせんを描くリビング階段はまるでオブジェのような存在に。階段の上部は吹き抜けになっており、1階と2階の空間をつなげるだけでなくリビングに開放感をもたらしてくれます。

薄暗かったキッチンを開放的なアイランド型へ

before:キッチンから続くダイニングスペース。家具の配置も難しそうな閉鎖的な空間

after:壁を抜き、アイランドキッチンを中心においたコモンスペースへ

窓はあったものの、個室に囲まれ薄暗かったキッチンはコモンスペースを見渡せる位置へ移動。回遊性のあるアイランドキッチンは使い勝手もよく、なんといっても開放的なところが魅力。キッチンに立つと書斎スペースやインナーテラス、2階の廊下まで見渡すことができ、まさに家の心臓部。また、キッチンの腰壁を高く設定しリビングから見たときに生活感が出ないように配慮されています。腰壁はモルタル仕上げにすることで、シンボルツリー周りの床とテイストを揃え、インテリアに統一感をもたせるレイアウトに。

和室をリビングにつながるインナーテラスへ

before:客間として使用されていた和室

after:窓の多さを生かし、四季の移ろいを家の中でも感じられるインナースペースに

もとは和室だった場所はコモンスペースとつながるインナーテラスへ。窓が多くひと際明るいスペースとなりました。元々の居住スペースが広かったため、屋外と室内の中間のようなスペースを設け、家の中にいても日差しの変化や季節の移ろいを感じながら暮らせるようにゾーニング。また、壁のラインをまっすぐに揃えることで、視覚的にもスッキリとし広がりも感じられるように。ガラスの引き戸で音を遮断することはできますが、視覚的にはひとつの空間として捉えることができます。

壁に囲まれていた玄関は視覚的な広がりを演出

before:狭くはないものの、3方を壁に囲まれていた玄関

after:建具にガラスを使用することで奥行を演出。大きな絵を飾れる広い壁も施主の希望どおりに

まるでギャラリーのように生まれ変わった玄関は、以前は階段室や個室の壁に囲われており、光がほとんど入らない場所でした。そこで階段をリビングへ移動させ、リビングドアをガラスに変更。さらにコンクリートの床を玄関からリビング階段まで同じ幅で伸ばし、奥行き感も演出することで、実際よりも広さを感じられるように。コモンスペースからの採光が玄関にまで届くようになり、広さは変わらないものの、信じられないほど開放感あふれる空間になりました。家の奥にあったトイレを玄関近くに移動させ、生活動線を短くしている点にも注目です。

個室で分断されていた2階は吹き抜けを中心に見渡せる空間へ

before:ドアを閉めてしまうと他の部屋の様子が全くわからなかった2階の個室

after:室内窓を設置することで、視覚的に抜けができるだけでなく、家族の気配も感じられるように

before:2階の和室と階段を挟んで向かいにあった書斎スペース

after:持っている本をしまえる場所がほしいという施主の希望から生まれた、吹き抜けとつながるオープンなライブラリースペース


3つの個室に区切られ、部屋の外の様子がわからなかった2階スペースは、一部を吹き抜けとし、それを囲むように2つの寝室とウォークインクローゼット、それらをつなぐオープンな廊下とライブラリースペースへと再構築。寝室には室内窓を設置し、必要に応じて空間をつなげたり閉じたりフレキシブルに対応できるようなっています。本をたくさん持っていた施主のために用意されたライブラリースペースは、色味の濃いラワン合板を壁天井に使用し他のスペースに比べて落ち着きのある雰囲気に。一方で床はすべてアカシアで揃え、一体感をもたせています。

リノベりす編集部コメント

個室で細かく区切られて、部屋の中にいると他の部屋の様子が全くわからなかった以前の家。人数も減り、それぞれが慌ただしく過ごす新しい家族のために用意されたのは、少しずつ重なりながらつかず離れずの距離で暮らせる家。それぞれの場所から見える景色に、いつでも家族の姿を映せるプランニングは建築家らしい視線だなと思いました。建築本来の力強い骨を残しつつ、家の中心にあるシンボルツリーと共に新しい歴史が育っていきそうなビフォーアフターでした。

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