知らないとキケン! 中古一戸建てマル必Q&A(3)

リノベーション・ゼミナール

中古戸建

(1)(2)に続き、今回は自分で確かめられる点をお伝えします。ポイントを押さえれば、実はかなりのことが「目視」で分かります。内見の際は下記のポイントをしっかりチェックし、五感をフルに使って確認を。これは、という物件が現れたらプロに同行してもらうとよいでしょう。

(text rika watanabe)

INDEX

■知らないとキケン! 中古一戸建てマル必Q&A(1)
■知らないとキケン! 中古一戸建てマル必Q&A(2)
■知らないとキケン! 中古一戸建てマル必Q&A(3)
■知らないとキケン! 中古一戸建てマル必Q&A(4)

【亀裂】

外回りでまず確認したいのは亀裂。表面の乾燥収縮で起こる「ヘアクラック」は、ヒビの幅が0.3㎜未満、深さ5㎜未満ならさほど心配はいりません。それ以上の幅と深さがある「構造クラック」の場合は、地盤が不均等に沈下している可能性も。とくに基礎の立ち上がりから建て物本体にかけてヒビ割れが続いている場合は要注意。サイディングの壁は、つなぎ目に段差や隙間がないかを確認。

基礎の立ち上がりに「構造クラック」があったら地盤沈下(不同沈下)の可能性も。軟弱な地盤、整地作業が不十分、などが主な原因

【シーリング】

最近多い「乾式工法」の場合、外壁や内装のつなぎ部分に使われる、接着や防水機能の役目を果たすシーリング材も要確認。シーリング材全体に、細かいヒビが入っていたり、亀裂や隙間があったり、弾力性がなく硬くなっていたら、劣化が進んでいる証拠。7~ 10年で劣化してしまうので、寿命がきたら交換が必要。防水性を確保するために重要な部分なので指で押してしっかり確認を。

劣化するとシーリング材全体に細かいヒビが入る。亀裂や隙間ができていたり、硬い場合も劣化している状態なので、交換が必要

【基礎】

可能なら、床下の基礎部分を確認しましょう。水を好むシロアリは、水を求めて通り道を作ります。日本にいるシロアリは、ヤマトシロアリとイエシロアリですが、最近は、乾いた材木を好んで食べる外来種のアメリカカンザイシロアリの被害も見つかっています。構造上に問題なければ消毒して防蟻処理をするだけで済みますが、被害が進んでいる場合は、改修工事が必要です。

床下の基礎部分。筋のように見えるのがシロアリの通り道の蟻道(ぎどう)。コンクリートでも被害に遭い、建物に影響を与える

【トイレ・キッチン】

キッチンやトイレ、洗面、浴室等の水回りは、必ず一度水を流して排水できるかどうか確認しましょう。流れが悪い場合は、ごみの詰まり、排水管の勾配の不足などが考えられます。蛇口のパッキンがすり減ると、水滴が滴り落ちたり、給水管が錆びると、赤水が出ることもあります。排水時にボコボコと音がする場合は、排水トラップが二重になっている可能性も。異臭がする場合は、排水パイプの接続の不具合やトラップの封水が原因というケースもあります。またキッチンや洗面の天板と壁の間のシーリング材に亀裂や隙間があると、水漏れするので要注意。パッキンなどの部品は、ホームセンターで売られているので、自分で直すこともできます。

>>知らないとキケン! 中古一戸建てマル必Q&A(4)に続く

取材協力 さくら事務所

1999 年、業界初の個人向け不動産コンサルティング会社を設立。、おもに不動産調査、ホームインスペクション( 住宅診断) 等を行い、売り手側の論理ではなく第三者的な立場で的確な調査報告・アドバイスを提供。http://www.sakurajimusyo.com

関連するリノベーションを知る記事

人気のリノベーション事例