《ようこそ!リノベの先輩(2)》8年後に再リノベ。ワンルームを狭くせずに子供部屋を制作

リノベーション体験談

中古マンション×リノベして何年か暮らしたお宅のリアルな声を聞いてみたい! そんな声にお応えします。今回は、住み始めて8 年後に二度目のリノベをしたお宅をご紹介します。

photo mori koda(now)、toshihiro sobajima(2007) text rumiko abe

東京都目黒区
本人38 歳 長男10 歳
専有面積 50.00㎡
建物の築年 33年(昭和57年築)
工事費 約400万円(設計料込み)
取材協力 大坪文恵+4FA

50㎡のワンルームを狭くせずに、子ども部屋ができた!

ソファとテーブルの位置は変わったが、LDKはほぼ8年前のまま。「キッチンとリビングの段差はどうかな?と思っていましたが、かえってメリハリが生まれて、よかったです」

8年前、Aさんは戸建ての持ち家を売却し、2歳の長男とマンションに移り住んだ。仕事と子育てをしながら物件探しに奔走し、三方向に窓があるこの角部屋を見つけた。だが、2LDKに仕切られているため、採光も通風もいまひとつ。なるべく広い空間が欲しいと、保育園のママ友だった建築家、大坪文恵さんに設計をお願いして、ワンルームにリノベーションした。
 寝室はつくらずLDKにベッドコーナーを設け、出窓のある個室をバスコーナーに変えるという斬新かつ大胆なプラン。いずれはどこかに子ども室をつくる予定だった。
 それから8年が過ぎて、その時が来た。ワンルーム生活は大いに気に入っている。全体を狭くしないで、子ども室がつくれないだろうか……。再び大坪さんのアドバイスを得て、二度目のリノベにとりかかった。
 今回のリノベの骨子は、バスコーナーの隣にまとまっていたサニタリーを移設し、そこを子ども室につくり変えること。トイレは、シャワーと洗い場があった土間に移動。洗面台は取り付け位置を変え、洗濯機はキッチンの背後にある収納棚の中に収めた。工事期間は1か月半。「水回りを移動したので、結構大がかりな工事でした。荷物はリビング側に寄せて、クロゼットだけ開けられるようにしてもらって」(Aさん)。幸い実家が近いので、その間は長男とふたり、実家で生活した。
 ようやく捻出した子ども室をベッドに占領されたくないと、Aさんは持ち前の集中力を発揮して、天井格納ベッドをオーダーメイドで製作している「たけしまもけい」(横浜市)を探し当てた。天井まで上げるとまったく邪魔にならない。その下には机も置ける。寝るときは少し下げて、ハシゴで上る。このスペースに合わせたベッドは長さ2m、幅80㎝。これなら大きくなっても大丈夫。
「この子が高校生くらいまでは、ここにいるつもりです」とAさん。また8年後、この家に転機が訪れるのかもしれない。

今回のリノベではLDKはノータッチ。8年前と比べると、家具の配置が変わった程度。杉板の床が経年変化で一部白っぽくなっているが、これも味わい、とそのままにした

洗面の位置をチェンジ!

出窓に面した広いバスコーナーはやや狭くなったが、おかげで子ども室ができた。リノベ前、バスタブの向かって右側にシャワーと洗い場があったが、ここにトイレを移設。配管のために、床面を少し上げている

子ども室をつくりました!

子ども室は必ず窓のあるところに。でも全体のスペースを狭くしたくない。そんな希望を水回りの移設によって実現。オーダーメイドの天井格納ベッドで、限られたスペースを最大限に活用している。引き戸で個室化も可能

8年住んでみてどうですか?AさんへのQ&A

Q1.コレはやってよかった! というものはありますか?

A.「全部正解。特にお風呂は最高です!」
夜、窓を開けて、電気を消して、キャンドルを灯してお風呂に入る。最高です。朝風呂も気持ちいいですよ。寝室を考えなかったことも正解。ベッドがリビングの一部になっているから、人が来ても、あまり違和感がないんじゃないかな。

Q2.入居時と変えたところはありますか?

A.「つくり込んでいないので、レイアウトをいろいろ変えて遊んでいます」
レイアウトは何度も変えました。ソファやベッドの位置も様々な変遷をたどっています。今は「プロジェクターで壁に映画を映して観る」というコンセプトで配置しています。モノを増やしたくないので、新しく買ったのはピアノくらい。

壁を取ってワンルーム化。ステンレスのオーダーキッチンを据え、街路樹の見える窓辺にフリースタンディング型のバスタブを配置

床、壁、天井はそのまま。水回りの変更で子ども室を確保。バスコーナー同様、子ども室もワンルームの一角に配置されている

Q3.正直、ちょっと失敗しちゃったかなという点は?

A.「失敗したこと? もしかして何もないんじゃないかな(笑)」 強いて言えばエアコン。最初は「エアコン付けない宣言」をして2年くらい過ごしました。でも、子どものあせもがひどくなってしまい、また、親からのアドバイスもあり、1台だけつけました。カーテンもつけていなかったんですが、防犯的なことも考え、あとから付けました。

リライフプラスvol.19掲載

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