まだ住宅ローンが残っていますが、夫と離婚協議中…。ローンはどうすればいい?【家にまつわるお金の話⑧】

リノベーション・ゼミナール

人生の中でいちばん高い買い物といわれる「家」。購入時はもちろん、その後の住宅ローンや修繕費など出ていくお金は尽きません。そこで、リライフプラス編集部に寄せられたお金に関する疑問について解説します!

※こちらの内容は、2024年6月時点の情報です

「リライフプラス vol.50」掲載

illustration: abesan

edit: noriko sasaki

design: machiko hirata

Teacher 丸山晴美さん

​ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザー。自身の経験をもとにした分かりやすいお金のアドバイスをテレビや雑誌、講演などを通して行っている。『お金を活かす ハッピーエンディングノート』(東京新聞)、『知識ゼロでもまるっとわかる お金の基本』(宝島社)など著書多数。

まだ住宅ローンが残っていますが、夫と離婚協議中…。ローンはどうすればいい?

Answer 1

まずは不動産の名義や住宅ローンの契約内容などをしっかり確認

まずやるべきことは、住宅ローンの名義は誰か、所有権は誰のものか、離婚後誰が住むのか、を確認することです。

住宅ローンの名義については、金融機関と契約したときの書類を確認すれば契約内容がわかります。その際、ローンの残債額についてもしっかり把握しておくことを忘れずに。

リライフプラス、家にまつわるお金の話、離婚後の住宅ローン

住宅ローンの契約形態で考えられるのが、下の4つのケース。離婚後も夫婦どちらかが住み続ける場合、「連帯債務型」のケースでは債務者変更の手続き、「連帯保証型」のケースでは連帯保証人変更の手続き、「ペアローン」のケースでは、相手のローンを買い取るか、借り換えなどによってローンを1本化することを検討しないといけません。

金融機関によっては変更手続きを断られるケースもあるので、早めに相談しておくのが不可欠です。

すべてのケースにおいて、財産分与をどうするのかについての判断が難しくなるので、弁護士などに依頼することも選択肢として持っておきましょう。

なお、例えば夫名義で購入した不動産であっても、結婚してから離婚(別居)に至るまで夫婦で蓄財した財産とみなされるので、原則5:5で財産分与の対象になります。

所有権については、登記簿謄本を確認すれば分かります。住宅を売却できるのは所有権を持っている人のみ。夫婦の共有名義にするケースがよくありますが、離婚後も夫婦どちらかが住み続ける場合は家の名義は単独名義にしておくことをおすすめします。

その理由は、共有名義の不動産は、共有者全員の同意がなければ一括で売却できず、また、共有名義人のどちらかが死亡した場合、手続き関係が煩雑になるからです。

リライフプラス、家にまつわるお金の話、住宅ローンの契約形態例

Answer 2

オーバーローンかアンダーローンか不動産価格の確認も必須

離婚後は住宅を売却しようとしている場合、売却して住宅ローンを清算して、残額を財産分与するという方法がいちばんシンプルですが、これはあくまでもアンダーローンの場合。  

売却しても住宅ローンが残ってしまうことをオーバーローンといいますが、清算しきれなかった住宅ローンの残債を誰が負担するのか、お互いが資金を出し合って完済するのかを夫婦間で話し合って解決する必要があります。

基本的には住宅ローンを契約している名義人が支払いますが、連帯債務型&ペアローン型の場合は契約時に取り決めた割合でそれぞれが支払っていくのかなど、弁護士に依頼しないと解決できない問題になることも。

リライフプラス、家にまつわるお金の話、アンダーローン

アンダーローン

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オーバーローン

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