住宅ローンの金利。”変動金利”は途中で上がる可能性があるからリスクが高い?【家にまつわるお金の話①】

リノベーション・ゼミナール

人生の中でいちばん高い買い物といわれる「家」。購入時はもちろん、その後の住宅ローンや修繕費など出ていくお金は尽きません。そこで、リライフプラス編集部に寄せられたお金に関する疑問について解説します!

※こちらの内容は、2022年4月時点の情報です

「リライフプラス vol.44」掲載

edit: noriko sasaki

illustration: abesan

design: machiko hirata

Teacher 丸山晴美さん

​ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザー。自身の経験をもとにした分かりやすいお金のアドバイスをテレビや雑誌、講演などを通して行っている。『シングルママの「お金に困らない本」』(徳間書店)など著書多数。オンラインサロン「女性のための夢を叶える! お金の教室」も人気。

住宅ローンの金利。”変動金利”は途中で上がる可能性があるからリスクが高い?(Nさん・40代)

Anser1

現状では変動金利を選択して問題なし

実は変動金利が今のように主流になり始めたのは、ここ20年くらいのこと。それ以前は、住宅金融公庫の35年ローンの10年間は固定金利で、10年後に金利が上がるという住宅ローンが主流でした。そのような歴史があるので、今でも固定金利を選ぶ人はまだまだ多いです。

固定金利を選ぶメリットはおもに2つ。
借りた時点の金利で固定されるので、返済額が一定で変わらず、資金計画が立てやすいという点。そして、返済期間中に金利が上昇しても借り入れ当初の金利のままなので、金利の上昇を心配する必要がないということです。ただこの先も低金利が続くなら、変動金利がお得といえます。

もちろん、今後日本の経済がどうなるかは分からないので金利が上がるリスクもありますが、すぐに金利が大きく上がる可能性は低いと思われます。

また、金融機関によっては、変動金利に「5年ルール」が採用されていることも。
これは、金利の見直しがあっても、毎月の返済額は5年間変わらないというルールです。ただ、適用金利が上がれば、毎月返済額に占める利息の金額が徐々に増えていきます。この利息分は、返済終了までには必ず支払わなければいけません。ただ、5年間の猶予があるということは重要なポイントです。

そして、5年後の見直しの際に適用されるのが「125%ルール」。
それまでの毎月返済額の125%の金額が上限になるというルールです。仮に毎月の返済額が10万円だった場合、6年目からは12.5万円が毎月の返済額の上限になります。ただ、金融機関によっては「5年ルール」や「125%ルール」が適用されないケースもあるので、借りる際に十分に確認するようにしましょう。

民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)

Anser2

固定と変動の金利差は1%ほど。その差は長い目で見ると大きい

下の表は固定金利と変動金利の一例ですが、多くの金融機関で固定金利と変動金利の金利差は1%程度。
もちろん、金利は金融機関によっても異なりますし、借り手の信用度によって変わってきます。

ただ、スタートラインの金利差が1%あるということは、借りる額が多ければ多いほど、そして期間が長ければ長いほど月々の返済額と総返済額に大きな影響を与えます。
この金利差が今後どのくらいのスピードで埋まっていくのか、またいつ変動金利が固定金利を超えていくのかが問題ですが、当面は金利の低い変動金利を選んで月々の返済額を抑え、その分を金利が上がったときに備えて貯蓄しておくのが賢い住宅ローンの借り方なのではないかと思います。

金融機関ごとの固定金利と変動金利の一例

家にまつわるお金の話のその他の記事

■住宅ローンの金利。”変動金利”は途中で上がる可能性があるからリスクが高い?【家にまつわるお金の話①】
■住宅ローン控除期間は繰り上げ返済のメリットがないからしないほうがいい?【家にまつわるお金の話②】
■住宅ローンの金利。住宅ローンの繰り上げ返済は「期間短縮型」のほうがお得?【家にまつわるお金の話③】
■住宅ローンは夫婦別々に借りたほうがいい?【家にまつわるお金の話④】
■住宅購入資金を両親が援助してくれそう。これって贈与税がかかる?【家にまつわるお金の話⑤】
■家の買い替え(住み替え)を検討中。注意するポイントは?【家にまつわるお金の話⑥】

■変動金利で住宅ローンを借りていますが、今後金利が上がったらどうすればいい?【家にまつわるお金の話⑦】

リノベ会社探しも、家づくりのお悩みも
専任のアドバイザーに相談してみよう
リノベりすの「リノベ会社紹介サービス」では、
あなたに最適なリノベ会社を無料でご紹介いたします。

関連するリノベーションを知る記事

人気のリノベーション事例