思いもよらぬ魅力の躯体を生かし、ラフな素材が彩るリノベーション
錬(れん) (設計・施工)
DATA
躯体の魅力を生かしたマンションリノベーション。予算は限られていましたが、思いがけずフルリノベーションが実現しました。間仕切り壁を少なくして、置き家具で仕切ったオープンな空間に、コンクリート現しの天井がリズムをもたらしています。
色あせないモノづくりと、新たな価値を生み出すチカラは匠の業
予算内で希望通りの住まいを手に入れた理由
リノベーションの計画段階では限りある予算から、部分的なものを予想していたTさん。しかし、既存の建物の構造、躯体の状態などを上手に活用すればコストダウンが可能であることが判明しました。例えばマンションの限られた空間を広々と見せたい場合、天井を高くすることが効果的ですが、マンションの階数によっては上階の生活音が気になったり、管理規約で天井を撤去できないケースもあります。今回は幸いクリアでき、さらに天井を剥がして現れたプレキャストコンクリートは規則的なリブが入っており、飾り梁のようなアクセントをもたらしました。また移動できない耐力壁も少なく、コーナーの存在を際立たせた、開放感に満ちた住まいとなっています。
住まいとカフェが同居したような、ホッとできる場所
もともと叶えたかったことのひとつが、「カッコいい男の厨房」。ヴィンテージの雰囲気が漂うブリックタイルの腰壁の中には、インパクトのある業務用のキッチンが納まります。ぐるりと囲んだ大きなカウンターは、ダイニングスペースでもあり大切なゲストをもてなすコーナーに。
そして一番のこだわり、ヘリンボーン張りの床は、ラフな質感の室内に上品なデザインを投入し、イメージ通りの空間に仕上がっています。
また土間部分を広げ開放感と使いやすさを向上させた玄関ホールは、壁に掛けた自転車をインテリアに溶け込ませアートを飾り、まるでショップのような空間に生まれ変わりました。こうして完成した住まいは、Tさんのこだわりがギュッと凝縮され、カッコいい見どころが満載。新しい暮らしが始まっている現在、もてなし上手なTさんの人柄と居心地のいい部屋に惹かれ、週末多くの友人が訪れているそう。
ビフォー・アフター
MATERIAL
壁:コンクリート現し(リビング一部)
天井:コンクリート現し
INSTRUMENTS
キッチン:業務用
リノベりす編集部コメント
ざっくりした素材感と使い込まれたような味わいはゆったりとくつろげる空間をつくりだしています。友人が毎週お邪魔したくなるのも納得!の仕上がりです。家族や友人を、いつも気さくに迎えてくれる楽しい住まいになっていると思います。