シェアスペースで人と街を結ぶ店舗併用住宅。築40年のフルリノベーション
H2DO一級建築士事務所 (設計・監理)
DATA
個性や価値観など目に見えないものを大事にした家づくり
住まい、SOHO、店舗。そしてシェアスペース
駅から徒歩3分の商店街に面した、鉄骨3階建ての店舗併用住宅。建ててから40年が過ぎ、閉店によりシャッターを下ろした状態でした。都市計画を専門とする仕事に就いている施主は、全体のプロジェクトやコンセプトデザインまで建築家とともに考え、建物を再生することに。また、オーダー家具の組み立てや壁の塗装など内装の一部を自ら手掛けるなど、二人三脚のリノベーションになりました。
テーマは「住宅の一部を空白として都市にひらく」。そこで1階の南側を誰でも自由に使えるシェアスペースとし、街と人をつなぐオープンな場所をつくりました。その隣には気軽に集えるバー、2階半分にSOHOを配置。施主の住居は2階・3階で、自分たちの暮らしと地域が複合的につながる住まいをつくり上げています。DIYも駆使して、暮らしやすい家に
住居部分の間取りは、3階にLDKと寝室、2階に個室。もとの階段の位置を変えず、階段室の北側と南側で空間を分けています。道路に面した広いスペースは、II列型キッチンとダイニングテーブルを並列に配し、日差しが入っていちばん気持ちのよい場所には、設計・監理を手がけたH2DO一級建築士事務所の建築家・久保さんが提供するDIY支援プロジェクト「イタカグDIY」のセミオーダーキットを活用し、「コアガリベンチ」を施主自身が施工。インナーサッシや棚の組み立て、天井・壁の塗装、タイル張りとDIYを駆使し、好みの雰囲気に仕立てました。
2階はSOHOとの共有部分を通って部屋に入るので、カギを取り付けてプライバシーと安全面に配慮。住居のメイン部分とは干渉しないことから民泊などにも対応できるようになっています。MATERIAL
3階床:カバ無垢材オイル塗装
3階壁:EP塗装
3階天井:シナ合板
3階建具:シナ合板
リノベりす編集部コメント
街と住まいをつなぐシェアスペース、店舗、SOHOがギュッとひとつに集まったことで、さまざまな人が交流する建物になっています。3階の住居はコンパクトながら、配置の工夫で開放感のある暮らしが実現していますね。