外観とシームレスにつながる洞窟のような住まい。45°ラインと雁行配置を活かしたスケルトンリノベーション
H2DO一級建築士事務所 (設計)
西側から入る光が徐々に広がるメインの空間。ワークスペースや収納、コアガリが柔らかい曲線によってつながっています。曲線をランダムに配することで、個性的なインテリアに。
DATA
間取り図
個性や価値観など目に見えないものを大事にした家づくり
ワークショップで、これからのくらしを具体的にイメージ
真っ白な雁行したファサード、2つの曲線を組み合わせたバルコニーが印象的な築50年超のマンション。敷地内にはコの字型の中庭があり、その上には屋上庭園がつくられています。
リノベーションを前提に、4階にある住戸の購入を検討していた施主ファミリーは、当初から設計・監理の依頼をH2DO一級建築士事務所に決めていました。購入前にはH2DOが実施する「いえづくりワークショップ」に参加。このマンションでどのように生活するのか、どのように空間を活かしたらいいのかを考え、具体的に思い描けたことで購入に踏み切ることができました。
曲線を使って連続性のあるワンルーム空間に
雁行配置のこちらの住戸は、室内に角度45°のラインがあり、正方形の空間を中心に、南側に三角形、西側と北側に小さな正方形がある変形間取り。そこで、そのちょっと変わった空間を積極的に活かし、45°ラインを起点として部屋をレイアウトしました。
既存にはない新たな角度が生まれた結果、四角い部屋を行き来する一般的な動線はなくなり、「方向性の希薄な空間が奥に広がって伸びていく」ワンルーム風の住まいに。開口部や間仕切りに曲線を使ったり、間接的な自然光を取り入れたりして、連続性のある「洞窟のような静穏空間」をつくり上げています。
メインの壁と天井の仕上げは、陰影が美しいPORTER'S PAINTSに。施主のDIYで、小さな正方形の空間・寝室とコアガリを塗装することで、メンテナンスを自分で行なえるとともに、ますます愛着が湧く住まいになりました。
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写真:Ryota Atarashi
MATERIAL
床:バーチ材オイル塗装、フロアタイル、モルタル(玄関)
壁:PORTER'S PAINTS、AEP塗装
天井:PORTER'S PAINTS、AEP塗装
建具:シナ合板
造作家具:シナ合板オイル塗装
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リノベりす編集部コメント
既存の45°ラインと雁行型のつくりがプランに反映され、大きなワンルームのような住まいになっていますね。個性的でありつつ、メインの空間からどの場所にでも行けるので、くらしやすそうだなと思いました。