可動式の家具と壁を使ったフレキシブルプラン。ときめく素材に囲まれたマンションリノベ
H2DO一級建築士事務所 (設計・監理)
設計・監理を手掛けたH2DO一級建築士事務所の久保さんが目指す、「リノベーションという限られた空間のポテンシャルを最大限に活かすプランニング」によって、住まい手のさまざまなシーンに合わせた、快適さと柔軟な変化が魅力の住まいとなりました。
DATA
間取り図
個性や価値観など目に見えないものを大事にした家づくり
本物の素材を駆使して、くつろぎ感を演出
自然素材を使って、趣きのある住まいをつくりたいと考えていた夫妻。ピカピカの新しい雰囲気ではなく、落ち着いた自分好みの空間をめざしました。
仕上げ材に用いたのは、作り手の情緒が感じられる手仕事感のあるもの。LDKはオーク材のフローリング、寝室とウォークインクローゼットにはチークパーケットを敷き詰め、植物由来のオイルで塗装。壁面には、石灰を練り込んだPORTER'S PAINTSを使い、光をやわらかく反射するようにしています。
また玄関・洗面室・トイレは、独特な風合いのモールテックス仕上げに。天然の素材を使うことで、手を加えたり、経年変化によって、だんだんと味わいが増す住まいを実現しました。
暮らしにあった収納と、造作のユニット家具
ファッションや音楽が好きで、衣類やレコード、CDをたくさん持っている夫妻。これらの愛用品を効率的に収納するため、洋室をウォークインクローゼットに変更し、天井までの造作棚で収納量を確保しました。さらにリビングダイニングの壁一面にオープン棚を設置。ものに合わせて幅・高さ・奥行きを調整し、見た目も美しく収めています。
リビングの一角につくったのは、畳敷きのコアガリ。「パーソナルファニチャ」という可動式の造作家具は、テレビボードと同じ規格のため、ライフスタイルによって配置の入れ替えが可能です。
また、夫妻が設計を依頼した久保さんの事務所を訪れた際に一目惚れしたという、可壁面収納付きの「ノビルーム」を取り入れることで、収納とワークルームを両立したフレキシブルな空間が実現しました。
ビフォー・アフター
MATERIAL
床:オーク簾張り植物オイル塗装・andwood(LDK)、チークパーケット植物オイル塗装・anndwood(寝室・WIC)、MORTEX・BM60(玄関トイレ脱衣室)
壁:PORTERS PAINTS・Stone paint fine-shell gray(LDK)、ヴィンテージマルチウッドボード・andwood(玄関)
天井:杉板無垢材無塗装
INSTRUMENTS
キッチン:造作(松岡製作所)
洗面台:造作(天板+面材/デュポンコーリアンデザイナーホワイト・洗面器+水栓/DURAVIT(内田産業)
H2DO一級建築士事務所
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リノベりす編集部コメント
趣きのある木の存在感が圧倒的な住まい。素材感が美しく、年月が経つほどますます素敵になりそうですね。壁や収納、個室まで動かせるプランは、目からウロコでした。