風と光と古いものがつくる、くつろぎの空間。古民家のようなマンションリノベーション
駿河屋 (設計・施工)
DATA
間取り図
創業1657年。心と身体と環境にいい家づくりを目指す
骨董の家具や建具に囲まれた美しい和の佇まい
築20年のマンションに暮らし、水まわりの劣化が気になり始めていたというWさん。小学5年生の子どもの個室をそろそろつくる時期と考え、家全体のリノベーションに踏み切りました。設計・施工は自然素材の家に定評のある駿河屋。少し前にトイレを別の会社でリフォームしたところ、接着剤の臭いで体調を崩してしまったため、「体に優しい自然素材」に会社選びの主眼を置いたのだそう。
リノベーションのテーマは「骨董品が似合う家」。学生の頃から骨董家具を集めていたWさんは、東日本大震災を機に厳選したものだけを残し、それらが暮らしの中に溶け込む家をめざしました。とはいえ、当初は明確なイメージが浮かばず、図書館でインテリア雑誌を100冊以上読破。次第に「和風っぽいインテリアが落ち着く」ことが分かってきたのだと言います。
既存の便利さは活かしつつ、好みのスタイルに大変身
3面採光で大きな窓が並ぶ間取りは、壁が少ないこともあり変更は最小限に。フローリングやテーブルなど現代の暮らしやすさはそのままに、和室を小上がりにしたり通路を広くとったりして、どこか懐かしいのびやかな空間をつくっています。
建具はそのほとんどを骨董品店でひとつひとつ購入し、住まいに合わせてサイズを調整。また納戸や洗面などの天井まで高さのあるドアは、藍染の杉材を使ってオーダーしました。骨董品やオーダー品ならではの味のある雰囲気が全体を包み込み、マンションとは思えない趣きを感じる住まいになっています。
MATERIAL
床:静岡県天竜産杉(新月伐採・天然乾燥・荏胡麻ワックス)、吉野桧(床暖房用・荏胡麻ワックス)
畳:熊本県八代産
壁:北海道稚内産珪藻土
天井:北海道稚内産珪藻土、布クロス
リノベりす編集部コメント
骨董の建具や本物の素材に囲まれ、古民家を思わせる味わい深い住まいになっていますね。マンションとは思えない、なんとも懐かしい雰囲気がリラックス感を高めていると思います。さらに使い勝手や収納力もアップして、生活が楽しく便利になっています。