リノベ会社のプランナー夫妻が設計＆コーディネート。「古めかしさ」をテーマにした自邸リノベーション
SHUKEN Re(シュウケンアールイー) (設計・施工)
額縁のような窓から見える公園の緑が絵になる空間。窓の手前にアーチ型のふかし壁を立て、窓と眺めをコントロールしました。キッチンはあえて壁付けにしてLDK全体を広く使っています。
DATA
間取り図
造作家具も自社製作だからよくばりなリノベーションが実現
フレキシブルな小上がりにベンチシートと本棚をプラス
SHUKEN Re(シュウケンアールイー)で、ともにプランナーとして活躍するKさん＆Sさん夫妻。子どもを授かったことをきっかけに、中古マンションを購入し、夫妻でプランを練ることにしました。
和室やキッチンの壁は取り払い、ひと続きのLDKに変更。明るい窓辺に移動したキッチンを、あえて壁付けにすることで、無駄のない広々としたLDKをつくりました。キッチンの隣りは、通り抜けられるパントリーと洗面室に。そのまま廊下に出ればリビングに戻れる回遊動線で、家事や生活をスムーズにしています。
リビングの一角は高い天井を活かして小上がりに。寝室やキッズスペースなどさまざまに使い、下部にはシーズンオフの物を収納しました。
さらに小上がりの手前にはソファ代わりのベンチシートを造作。小上がりとの間仕切りを本棚風にして部屋のポイントになるようにしています。
「キッチンとタイルが一面でコーディネートできる」という点も壁付けにした理由のひとつ。すっきりしたデザインの扉は植物の緑が映えるグレージュに。
LDKのデザインを印象付けているのが、階段付きの小上がり。天井から壁にかけて、アールをつけたシナ合板を張り、間接照明で柔らかく照らしました。
ヴィンテージ家具に合う素材をとことん追求
インテリアのテーマは、ふたり共通の好みである「古めかしさ」。リビングの床はチーク材、天井の一部には織物風の紙クロス、壁際には京都の古道具屋で手に入れたヴィンテージのキャビネットを選びました。
洗面所のタイルや収納扉もリビングのイメージに合わせてレトロな風合いのものをセレクト。ゲストも使うトイレ前の小さな手洗いコーナーは、古いボウルを再利用しています。
プランナーとしての経験を活かして好みのテイストを追求したことが、住み心地のよさにつながっているようです。
スイスの建築家ピエール・ジャンヌレのリプロダクト製品「PH28」。この椅子がインテリアのベースになったのだそう。
ジャンヌレの椅子からイメージして、チーク材や織物風の紙製クロスを採用しました。
そのほかの画像を見る
造作のベンチシートの内部も大容量の収納スペースです。
アールの壁と天井がくつろぎ感を高めている小上がり。
照明を点けると、アーチ型が引き立ち、より洗練された空間に。
リビングの壁は、夜になるとプロジェクターのスクリーンに。
吊戸棚はキッチンの色味や幅に合わせて造りつけました。
強度が高く、継ぎ目がない長尺シート。
2人並んで立てる洗面台。引き出しなどは作らずコストを調整。
ラタン扉の壁面収納にはタオル類を入れてすっきり。
高い天井を活かしてハンガーパイプを上下2段に取り付けたウォークインクローゼット。
脱衣室や廊下、クローゼットの床はサイザルカーペットに。
壁パネルや硬めの床が好みに合ったユニットバス。
壁のアートは、夫妻が大好きなアーティスト・RYU AMBEに描いてもらいました。
夫がデザインしたレトロな雰囲気のリビングドア。
解体時に出た廃材のボウルを再利用した手洗いコーナー。
三和土の収納は撤去し、空間にゆとりをもたせました。
写真：清水洋
MATERIAL
床：チーク材（LD）、長尺シート（キッチン、パントリー、洗面室）、サイザルカーペット（WIC、廊下、脱衣室）
壁：シナ合板（小上がり）、タイル（キッチン、洗面室）
天井：織物風クロス、シナ合板
INSTRUMENTS
キッチン：TOTO
浴室：LIXIL
洗面台：造作
トイレ：LIXIL
この事例のリノベーション会社情報をみる
SHUKEN Re(シュウケンアールイー)
中心価格帯
対応エリア
リノベりす編集部コメント
さまざまなアイテムや色彩、素材によって、上品な「古めかしさ」が演出されていると思いました。アーチ型のふかし壁、アールの壁や天井など曲線の使い方も魅力的です。多目的なリビングの小上がりはリラックス効果も大きいですね。