無機質な素材にアートとグリーンが映える家
東京リノベ (プロデュース)
DATA
間取り図
渋谷駅まで徒歩6分、すぐ近くに神社があり、昔の街のたたずまいも残っている。東京オリンピックの年、昭和39年築のこのマンションは、秀和レジデンスの第一号。高級マンションの草分けといってよい。
吉祥寺から都心への住み替えを考えていたNさん夫妻は、5年前、このマンションに出合った。ありがちなリフォームがなされた2LDKだったが、2人にはうわべの化粧を取り去ったあとの素顔のよさが想像できた。
良質のコンクリート、昔のままの銀色のアルミサッシ、古いホテルのようなロビーの雰囲気。ちょうど不動産価格が下落していた時期で、この立地、広さで3000万円台というのも魅力で、リノベーションを前提に購入を決めた。
ヴィンテージマンションをアトリエ兼用の素敵な住まいに
基本はスケルトンに戻し、LDKと寝室、仕事場として使うスタディルームをつくること。「最小限の投資で最大の効果を上げるにはどうしたらいいか。つくり込むのではなく、取り去る方向で考えました」と夫。
間仕切り壁は撤去。壁のクロスをはがし、天井を取り払うと、存在感のあるコンクリートが現れた。床の合板はそのままで、上からパインの無垢材を張った。ベースはこれで完了。あとは、空間の要所でNさん夫妻のセンスと建築家のアイデアが相乗効果を生み、完成度の高いディテールが生まれている。
LDKとサンルームを仕切っているのは黒いスチールフレームのオリジナルガラス戸。「黒板の肌質が好き」という妻の希望で、壁の一部は黒板塗装に。既存のドア枠や飾り縁は取り去ってシンプルに仕上げた。小手先の工夫を排した骨太のコンクリート空間に、現代アートや大きなグリーンが似合っている。(photo:takuji iigai)
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MATERIAL
*玄関
床:Pタイル
壁:AEP塗装
天井:躯体表し
*LDK
床:パインフローリング
壁、天井:躯体表し
*スタディルーム
床:Pタイル
壁、天井:躯体表し
*寝室
床:パインフローリング
壁、天井:躯体表し、AEP塗装
*浴室
床、壁:丸タイル
天井:ビルデック塗装
INSTRUMENTS
*キッチン
コンロ、レンジフード:ノーリツ(既存)
*サニタリー
バス:リンナイ
トイレ:TOTO(既存)