気兼ねなくチェロが弾ける。上質な素材感のある音楽家の住まい
SHUKEN Re(シュウケンアールイー) (設計・施工)
DATA
Tさん夫妻の住まいは、千葉・浦安市にある8階建てマンションの最上階。JRの駅まではバス便だが、居室はペントハウスのような独立感のある箱型の形状で、専有面積が約86㎡と広いのも魅力的だ。
夫はプロのチェロ奏者で、音楽教師も務める。演奏家につきものの悩みといえば、近隣への音問題だ。「前の家は集合住宅の1階。音はどうしても上階に届くので神経を使い、音の問題がない住まいへの住み替えを考えました。条件は最上階で隣室のない居室。築年数はあまり問わず、リノベーション前提で探し、出合ったのがこの家でした」と夫は振り返る。
設計・施工にSHUKENを選んだ理由は、「見積もり金額が他社より割合抑えられていて、良心的な印象でした。会社が浦安で、近場であることも大きなメリット」(夫)。また妻は「プランナーさんとの相性も良くて、趣味や感性が夫と近いなと感じました。素材や全体のテイストなど、すぐに分かってもらえて進行が早かったのも助かりました」と話す。
モザイクタイルに、無垢フローリング…。素材感で部屋のイメージをつくり上げる
予算の関係もあり、大きな間取り変更はせず、また十分に使える設備は既存を活用しているが、SHUKENの得意とする造作を随所に凝らし、大きなイメージチェンジに成功している。中でもモザイクタイル貼りのカウンターを挟んだキッチンはこの家の見どころだ。「既存のキッチンは壁で閉じられ、小窓があるだけのつくり。それがお洒落なカフェのように変わり、立つのが楽しいです」と妻。
このほか、玄関回りは、ホールを囲む3部屋の建具をドアから引き戸に変更し、開放感ある空間を実現。無垢フローリングや大判のタイルといった質感のある素材は、おもに夫の趣味であるアンティーク家具と相まって、シックな空間となっている。「家ができたとき、自分たちでつくり上げたねと満足感でいっぱいに。これまで、普段使う食器などにはあまり気を使いませんでしたが、空間に合うものを選ぶようになりました」と妻は話してくれた。
撮影/中村風詩人
【設計・施工 SHUKEN 株式会社秀建】多様なプランナーが在籍。自社に工務部 があり、家具工場がある点も心強いこの会社のプロフィールページを見る
ビフォー・アフター
MATERIAL
*玄関
床:タイル
壁:クロス、一部塗装
天井:クロス(以下同)
*LD
床:ナラフローリング
壁:クロス、一部タイル、
黒板塗装
*キッチン
床:タイル
壁:クロス、一部タイル
*洗面・トイレ
床:タイル
壁:クロス(トイレは一部タイル)
INSTRUMENTS
*キッチン
LIXIL(サンウエーブ)
レンジフード:アリアフィーナ
*サニタリー
ユニットバス、洗面化粧台:既存
トイレ:TOTO