リビングを中庭に見立てて部屋を配置。戸建て感覚のマンションリノベ
SHUKEN Re(シュウケンアールイー) (設計・施工)
玄関土間からつながるワークスペースは靴を履いたままルーフバルコニーまで出ることができます。ワークスペースの向こうにはちょっとした収納スペースも用意。
DATA
間取り図
造作家具も自社製作だからよくばりなリノベーションが実現
キッチンを大胆に動かして開放感あふれるリビングに
妻の妊娠が分かり「子どもとの新生活を持ち家でスタートしたい」と新居購入を決めたKさん夫妻。20件以上内見してようやく出会ったのが、3面採光でルーフバルコニーが2方に広がるマンション。希望のエリアからは少し離れたものの、狭いところが苦手な夫にとってこの物件の開放感は理想的で、予算も条件にぴったりだったのだそう。
リノベーションにあたりイメージしたのは「みんなが集まる外空間のようなLDKと巣箱みたいな個室」というもの。設計の仕事に携わる夫が図面を描き、そのプランを基に改修を行いました。家の中央に廊下が延び左右に部屋がある既存の間取りは、壁を取り払ってオープンな空間に変更。キッチンの位置を大きく動かし、生活を分断しないLDKをつくっています。
自然な風合いが調和するLDK。シナ合板の割り付けや床の張り方にもこだわって、和の雰囲気をプラスしています。
バーチ材の床と夫妻がDIYで仕上げたポーターズペイントの壁に囲まれたリビング。キッチン側のシナ合板の壁は、小口のラインを活かしたり底ネジにしたりすることで繊細なデザインに。
在宅ワークもはかどる、土間仕様のオープンな書斎
玄関とひと続きの土間スペースは、在宅勤務も快適にこなせる書斎に。気持ちを切り替えるため靴を履いて仕事をしていますが、そのままルーフバルコニーや玄関にも出られることもメリットのひとつなのだそう。また壁をつくらなかったことで、玄関からリビングまで視線が抜け、開放的でのびやかな印象になっています。
インテリアは以前訪れたイタリアの「白い壁で囲まれて、外と内がはっきりしない中庭のような」イメージをKさん流に再現。LDKはナチュラルカラーの塗り壁やバーチ床材、コンクリート現しなどで屋外にいるような大らかな雰囲気をつくり上げました。一方、個室はシナ合板を使って、和の雰囲気も醸す繊細なデザインで統一しています。
仕事柄、建築関係の本が多いという書斎。玄関からつながる床はモルタル仕上げでアウトドアのような雰囲気に。
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キッチンとテーブルは実家と同じ使い慣れたレイアウトに。テーブルは作業台を兼ね、来客時には壁から離して使います。
日々使うものはオープン収納で出し入れしやすく。
壁の塗装は夫と当時妊娠8ヶ月だった妻も一緒にDIY。コストダウンにもつながりました。
外と内が溶け合う、大空間のリビング。テーブルや棚などほとんどの家具は夫の手によるもの。
広がりを感じられるように、ベッドはすのこを使った低いスタイルで。オープン棚は増やすことも可能です。
将来の子ども部屋は、現在はゲストルーム兼収納に。扉ではなく帆布で目隠ししてIKEAの白いケースを置いています。
サンワカンパニーのキッチン。シンプルな佇まいに「これなら」と思えたのだとか。
キッチンと同じくサンワカンパニーの洗面化粧台。ミラーはCIBONEで購入しました。
トイレは向きを変えて「昔の家の屋外にある御手洗」のような配置に。
MATERIAL
床：ロシアンバーチ上張り（テツヤジャパン/LDK、寝室、個室、洗面室、廊下）、モルタル（玄関、書斎、SIC、トイレ）
壁：OP塗装（ポーターズペイント キュムラス/LD、廊下、玄関、書斎、廊下、SIC、トイレ）、珪藻土入りクロス（TOLI WEN9422/寝室、個室、洗面室）、シナ合板（キッチン）
天井：コンクリート現し
INSTRUMENTS
キッチン：サンワカンパニー（グラッド45）
シンク：サンワカンパニー （センシー洗面W900ホワイト/洗面台）
水栓：サンワカンパニー （フィクサー混合水栓ホワイトマット/洗面台）
タオル掛け：サンワカンパニー （BA11041ホワイト/洗面台）
トイレ、浴室：既存利用
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SHUKEN Re(シュウケンアールイー)
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リノベりす編集部コメント
ルーフバルコニーが2方に広がっている、恵まれた環境を最大限に生かした住まいですね。〝みんなが集まる中庭〟のイメージもしっかり伝わってきます。シナ合板や塗装、コンクリートにモルタルと素材の対比も見事です。