古い、寒い、使いにくいRC造の家が、センス抜群の暮らしやすい家に
スタイル工房 (設計・施工)
自然光に満たされて明るいS邸のLDK。以前はDKと和室に分かれていたが、間仕切り壁を撤去してワンルーム感覚で使える空間につくり変えたことで、光が部屋の隅々にいきわたる。造作したキッチンカウンターや吊り棚、シックな色合いのリビングドアが、インテリアのアクセントになっている。
DATA
物のカタチを変え人の気持ちを変える幸せづくりがモットー
エリアごとに見直して整理した間取りで、一日の流れがスムーズ
RC造5階建ての実家を受け継いだSさん夫妻は、築34年という経年による傷みや汚れ、密集地ゆえの暗さ、寒さ、住みにくい間取りを改善するため、雑誌で見た素敵な事例に惹かれてスタイル工房に相談。「なかでも玄関の提案が気に入りました。パースもイメージしやすく、見積もりも分かりやすかった」と振り返る。
夫妻の悩みを解消する大きなポイントになったのが、駐車場の1階と屋上などのある5階を除いた間取りの変更。もともと2階には玄関が2つあり、一方は3・4・5階がつながる居住空間用に、もう一方は独立したワンルーム用に使っていたが、玄関を1つにすることで広いホールの確保や予備室などの新設を実現させた。さらに、既存のワンルームと階段を仕切っていた壁を外して室内から上階へ移動できるようにし、建物全体をひとつの住まいに生まれ変わらせた。和室＋DK＋トイレが並ぶ3階はパントリー付きのLDKに、洋室＋和室＋浴室＋洗面室が配された4階は寝室とバス・サニタリーに刷新。3階をパブリック、4階をプライベートにエリアを分けることで、一日の生活動線がスムーズな間取りへと変身した。
以前は窓際に和室があったが、間仕切り壁や畳を撤去して、床がフラットにつながる大きなLDKに変更。足触りのよいレッドパインを床に張り、ローズウッド色に塗装してやさしさと落ち着き感のあるナチュラルテイストに仕上げた。
収納や動線、断熱性能やインテリアなど、全部にこだわって快適に！
使いにくかった4DKから、ゆったり使える2LDKに生まれ変わったS邸。キッチンや浴室などの設備を一新するほか、LDKや主寝室、玄関ホールなどに収納をつくり、使い勝手のよさと収納量を高めた。さらに、キッチンに設けたパントリーは、階段からもアクセスできる2wayとし、調理時の食材の出し入れのしやすさに加え、買い物から帰ってきたときの動線もスムーズ。ほかにも微に入り細に入り、ライフスタイルに合わせた暮らしやすい工夫を随所に施した。
夫妻が気にしていた寒さ対策については、3、4階の外壁にウレタンを吹き付け、2階の床の一部に遮熱塗料を施したり、壁には遮熱・断熱性能を発揮するガイナ仕上げを取り入れ、外気温に影響されにくい建物を実現。内装についてもじっくりと検討し、レッドパインの床材にするなどの自然素材を用いることで、ナチュラルテイストに仕上げた。加えて、チェッカーガラスを用いたキッチンの吊り棚やリビングドア、タイル使いのかわいい手洗い、アールの垂れ壁が優雅なウォークインクロゼットなど、センスにあふれたアイデアをちりばめ、納得の住まいが完成した。
ダイニングも照明にこだわり、お気に入りのペンダントライトをライトレールに吊り下げた。ソファ側の壁に造作した本棚は、室内に張り出した柱によるデッドスペースを活用したもの。
キッチンは位置を変えずに新しいシステムキッチンに刷新。リビングの雰囲気になじむよう、床はテラコッタ調で仕上げ、オリジナルデザインの吊り棚やカウンター収納を造り付けた。
そのほかの画像を見る
キッチンの木製カウンターは、使い勝手を考えてリビング側から使う棚と、キッチン側から使う棚に分けて造作。仕切り棚は高さを変えられるように可動式を採用した。
キッチンの奥にあったトイレなどのスペースは間仕切り壁を外し、キッチンと行き来しやすいパントリーを新設。壁面収納や冷蔵庫・家電置き場も設け、使いやすさは抜群だ。
壁面収納の扉は、開閉時に省スペース化が図れる引き戸タイプを採用。扉の開く間口が広いので内部が見渡しやすく、ものの出し入れもしやすい。
リビングドアの脇につくり直した収納には、掃除機置き場も用意。コンセントを備えたので、非使用時に充電ができて便利だ。
階段からリビングやパントリーに直接出入りできる上、パントリーを中心に回遊もでき、家事が効率よくおこなえる。
パントリーを閉じれば、壁と同化して階段の踊り場がすっきりとした印象に。リビングドアのガラス越しに人の気配や光も届く。
4階の洗面脱衣室と浴室は、和室の一部や収納があった場所に移動した上で一新。壁面の花のモチーフが真っ白な空間に彩を添える。
元洗面脱衣室はランドリールームに変更。収納棚を造り付けた壁の向こう側には、寝室用に新設したウォークインクロゼットがある。
以前の浴室はトイレに刷新。手前にあるランドリールームとフロアタイルを揃えることで、統一感や広がり感をもたせた。
ホワイトウッド調のフロアアタイルを張った2階の予備室は、ワンルームの一部を壁で仕切って個室化したもの。直貼りの床下には遮熱塗料を塗布して断熱性能を高めた。
上り口をつくり替えた階段や、階段下まで使えるウォークインクロゼット、手洗いコーナーが見渡せる玄関ホール。ウォークインクロゼットのアーチ状の入り口が美しい。
2階のトイレの刷新にあわせて新設した手洗いコーナー。ゲストが使うことを想定して、カラフルなタイルをあしらったり、ブラケット照明を取り入れたりと、遊び心をちりばめた。
玄関の土間を既存よりも広げたことで、ゆったりと使える玄関スペースを実現。正面の壁に造り付けた棚のディスプレーが、家族やゲストの目を楽しませる。
正面にあった玄関は奥へ移動させ、右側にあった玄関は撤去して壁に変更。さらに、左側の壁に室内窓を取り付けて、照明や自然光が玄関ポーチに届くように配慮した。
玄関ポーチが広くなったので、玄関ドアを内開きから外開きに取り替えても余裕の広さ。玄関ポーチと土間床のデザインを揃え、実際以上の広がりをもたらしている。
MATERIAL
床：レッドパイン材（リビング）
壁：ガイナ（2F部分）
INSTRUMENTS
キッチン：クリナップ
浴室：TOTO
この事例のリノベーション会社情報をみる
