自由な発想やこまやかな工夫で、ゆったりと快適に暮らせる二世帯に
スタイル工房 (設計・施工)
子世帯は、子ども室からLD越しにキッチンまで見渡せる開放的な間取りに変更。オーク無垢材の床や梁、柱と相まって木の温もりに包まれて心地いい。キッチンの脇には「リビングでパソコンを使いたい」という希望から、パソコンデスクを造作した。
DATA
物のカタチを変え人の気持ちを変える幸せづくりがモットー
諦めていた広いリビングも実現！ 吹き抜け効果で開放感も◎
二人の男の子を持つSさん夫妻は、長男の小学校入学を機に、2階建ての実家を二世帯住宅にリノベーションして、賃貸住宅から住み替えることに。そこで、両親の暮らしやすさを考えて親世帯を1階に、子世帯を2階に計画。
もともと2階は廊下で4部屋がつながる間取りだったが、限られたスペースに子世帯用のLDKや水回り、寝室、二つの子ども室を設けたいと考えていた。しかし、数社に絞ってプランを出してもらったものの、思ったような提案はなく悩んでいたところ、街で見かけたスタイル工房の店舗に惹かれて相談に訪れた。そして出されたプランを見て夫は、「リビングがこんなに広く取れるんだ！」と、感動。妻は使いやすい家事動線に好印象を抱き、正式に依頼したという。
こうして完成した子世帯スペースは、間仕切り壁の撤去や移動などにより、広いLDKを2階の中央に配し、左右に寝室や子ども室を振り分けた3LDKに変身。リビングの天井も取り外して、縦にも広がるのびやかな空間に生まれ変わらせた。
天井を上げて開放感が高まったリビング・ダイニングは、きれいな梁を現わしにしてインテリアの一部に取り入れた。吹き抜けの奥に見えるロフトは、小屋裏収納を利用した空間。LDK側に開口部を設けたので、ロフトにいても人の気配が伝わる。
無駄のない間取りや住宅性能のUPで、二世帯が仲良く暮らせる
2階をフル活用するため、廊下はつくらず、各部屋がLDKとつながるように配置を工夫。夫妻の「成長に合わせて個室化に」という考えのもと、長男の部屋は引き戸で個室化できるが、未就学の次男の部屋はオープンにしてLDKと一体感を持たせた。また、既存の小屋裏収納は、LDの吹き抜けとつながるロフトに変更して多目的に使える空間に。階段の吹き抜けは、寝室から出入りするウォークインクロゼットにつくり変えて収納量をアップさせた。
気になる水回りは、トイレと洗面室を一体にして圧迫感を抑え、浴室の代わりにシャワーブースを設置。湯船に浸かりたい時は1階の浴室を使うことで、二世帯の交流も深まるというわけだ。2階の間取り変更に加えてS邸では、建物の耐震補強や1階のサッシを高断熱タイプに交換するなど、住宅性能を高めることで、二世帯が安心して快適に暮らせるようにきめこまやかな配慮をちりばめている。
リビングとフラットにつながる奥の部屋が、次男用の子ども室。左側の引き戸を開ければ長男の部屋にもつながる。奥に見えるのが、ロフト用に新たにつくった固定式の階段。
もとは3部屋に区切られていたところを、LDKとオープンにつながる次男の部屋と個室化できる長男の部屋に間取りを変更。ソファの後ろにある白い引き戸を開ければ、洗面・トイレの部屋につながる。
「家族の写真を飾りたい」という夫妻の希望で、TVを配置した壁には飾り棚を造り付けた。カウンターを濃いブラウンに塗って、床や梁、キッチンカウンターと色をそろえて統一感を持たせた。
大空間につくり変えたLDKは、梁や柱をL字型に入れてさらなる補強を。左側に見える壁のモザイクタイルは、Sさんが選んだもの。光があたると反射して空間のアクセントになっている。
対面キッチンのダイニング側には、アッシュフリーのカウンターを造作。LDが広く使えるように、飾り棚のみにして厚みをおさえた。
システムキッチンは白を選んでさわやかな印象に。奥に勝手口を設けて、バルコニーに直接出入りできる動線を確保した。
正面に見えるのが洗濯機置き場。キッチンの近くに配したので、物干し場となるバルコニーにも行き来しやすく、家事ラクに。
洗濯機置き場は折り戸で簡単に目隠しできるので見た目もスッキリ。扉がフルオープンになるので、洗濯ものの出し入れもしやすい。
トイレと洗面室は、一体化させて広々と使いやすく。洗面台はアッシュフリー板で造作し、タイルは壁のクロスに揃えてピンク系に。
洗面・トイレの脇にシャワーブースを配して水回りをコンパクト化。2階だけでも身支度が整えられるので、毎日が快適で便利だ。
長男の部屋はもともと和室だったが、畳をコルクタイルに変更し、押し入れをクロゼットにつくり変えて洋室に刷新。
長男の部屋のドアは、アーチ状にくり貫いた壁に木製引き戸を組み合わせたオリジナル。白と茶のコントラストがおしゃれだ。
チェッカーガラスやアンティーク調のドアノブがポイントになったリビングドアは、2階ホールやLDKから眺めても美しい。
足ざわりがやわらかなコルクタイルを踏み板に用いた階段は、手すりをフェンス状からパネル状に変えて、印象的なデザインに変更。
MATERIAL
床：オーク無垢材（リビング）、コルクタイル（子ども部屋・階段）
造作家具：アッシュフリー板
INSTRUMENTS
キッチン・カップボード：トクラス
建具：GPドアパナソニック
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