リノベで明るさがもたらされた住まい。愛着ある薪ストーブも移設して
スタイル工房 (設計・施工)
2階にあったLDKを1階へ移動。大きな吹き抜けが日当たりのよくなかった1階に光を導いてくれる。現しにした梁や、家具に合わせて塗装した床材など、木のぬくもりにあふれた住まいになった。
DATA
物のカタチを変え人の気持ちを変える幸せづくりがモットー
夫婦ふたりの暮らしを見据えて栃木から都内の実家に住み替え
仕事の関係でそれまで栃木県に暮らしていたYさん夫妻。子どもたちは独立し、これからの夫婦ふたりの暮らしを見据えて、両親から受け継いだ都内の実家に住み替えることにした。その際気になったのは建物の老朽化と1階の暗さ。平屋への建て替えか、設備交換と1階の暗さを解消するリフォームのどちらかを行おうと、近所にあったスタイル工房に相談に訪れた。
Yさん夫妻からの相談を受けて、スタイル工房のプランナーは「隣接する建物より屋根面が下がるので、平屋への建て替えは得策ではない」とアドバイス。リノベで既存の窓を生かした吹き抜けを設け、2階からの光で1階の暗さを解消するプランを提案した。「まったく別の家のようにガラッと変わる大胆なプランが面白かったので」と、スタイル工房に依頼を決めたYさん夫妻。スタッフのコンビネーションのよさにも安心感を覚えたという。
個室が3部屋並んでいたスペースをリノベで開放的なLDに。栃木の家で愛用していた薪ストーブを無事移設でき、この家でも薪のはぜる音を楽しんでいる。壁と床に用いた耐熱用のタイルが空間の引き締め役に。
スキップフロアを解消し移動がスムーズなゆとりのある間取りに
リノベの場合は最小限の工事でいいと考えていた夫も、想像以上に住まいを変えられることがわかり、積極的にプランニングに参加。「栃木の家から薪ストーブを移設して、煙突を吹き抜けに沿ってまっすぐのばしたい」など、新たに生まれた希望をプランに反映していった。もともと玄関が中2階にあたる位置にあり、そこから階段を上がった2階がLDKだった既存の間取り。個室と水回りが集まった1階へ行くにも階段を下りる必要があり、毎日上り下りが大変なスキップフロアを解消し、玄関を1階に新設することにした。
さらに1階の個室が並んでいた場所を広いLDとし、キッチンは既存の廊下のスペースを活用した回遊式に。当初の提案どおり大きな吹き抜けを設けたおかげで、LDKは頭上から光が降り注ぐ明るい空間に。夫妻が気に入っていた自然豊かな栃木での暮らしを彷彿する、木のぬくもりと薪ストーブの炎を楽しめる住まいが完成した。
1階の中心に設けた対面キッチンは、LDと一体感を持たせながら手元が隠れる腰壁ですっきり見せている。背面収納も部分的にオープンなデザインを取り入れて圧迫感を抑えた。
将来ワンフロアでも暮らせるように、ダイニングは壁を立てて個室としても使えるつくりに。洗面室＆浴室に直接アクセスできるドアも設けた。
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吹き抜けともつながる開放的なキッチン。腰壁の内側は特殊な釉薬による独特の模様が個性的なタイル仕上げに。
階段に続く開口とパントリーや水回りに続く開口があり、家事のしやすい回遊動線が実現。
夫の希望どおり、吹き抜けには薪ストーブの煙突がまっすぐに伸びる。既存を生かした右手の和室には、吹き抜けに面した室内窓を。
和室とバルコニーを結ぶキャットウォーク。2階の窓から1階へ落ちる光を遮らないよう、手すりはごくシンプルなデザインに。天井には薪ストーブの暖気を攪拌するシーリングファンを設置した。
色むらのあるタイルやクラシカルな水栓でオリジナルな洗面室に。洗濯機置き場はキッチン近くの廊下に設けて家事効率アップ。
1階に固まっていた水回りはゆとりある間取りに再構築。浴室だった場所にトイレを移し、大きめの窓にはロールスクリーンを追加。
2階トイレ隣に設けた洗面コーナー。北側でも明るくなるように、袖壁に孔を空け、既存天窓の光を取り入れた。
2階のLDだったスペースの一角を夫妻の寝室に。ナラ材のフローリングと白いクロスでシンプルに仕上げた。
リビング内に溶け込むように設けた階段。東京での暮らしに不安を抱えていらっしゃったご夫妻に、自然を感じ、いつまでも元気に階段を昇り降りして欲しいとの願いを込めて、手すり代わりにもなる変木をあしらった。
MATERIAL
床（1階）：オーク三層フローリング（床暖房対応）
床（2階）：オーク無垢フローリング、コルクタイル
INSTRUMENTS
キッチン、浴室：TOTO
洗面台：セラトレーディング、カクダイ
サッシ、玄関ドア：YKK AP
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